見出し画像

【啓蒙】脚長差があったらすぐに補高、というわけではありません〜全身を把握する必要性〜

脚長差は機能性構築性に分けられ、機能性であればその原因を取ることが先決ですが、構築性の場合には、何かしらの補完が必要なことが多いです。

代表的な補完は「補高(ほこう)」です。

僕のところでは補高用の専門のインソールを用いて補正をしています。
数年来の悩みが補高用インソールを入れた側からゼロになるという方もいますので、その効果は抜群です。

ただし、脚長差があるから全員にその短い分の高さをインソールで処方するかといえばそうではありません。

短絡的に補高することで、かえって代償動作が大きくなったり、他の部分に違和感や痛みが生じることがあります。
適正かどうかを見定める方法はいくつかあります。

  • 立った状態での骨盤の高さの左右差

  • 前屈した時のスムーズさとブレの消失

  • 歩行時のリズムの改善

  • 破行の消失

  • 主訴の軽減

これらを確認して総合的に判断します。
場合によっては、明らかな脚長差があっても補正しないこともあります。

先に筋力トレーニングや、可動域訓練など、補高という変化に耐えうる準備が必要なこともあります。

脚長差はある意味でありふれた個性です。
これに対して、代償がおこり、それが痛みや機能障害に移行する人はその中でも特に筋力がない、運動などの機械的ストレスが大きい、年齢的な脆弱性などを持っている人です。
全ての人ではありません。

脚長差がイコール機能障害ではないことは強調すべき点です。
だからこそ、全身の評価が必要であり、総合的な視点でその方にとっての脚長差の意味を理解することが大切です。

まだまだ、全身が見れる体の専門家は多くありません。
実践による経験も必要です。
でもまずは、何に気をつけたらいいのか、何を確認すればいいのか、どういう注意点があるのかなど、僕が今まで経験して来たことを伝えていく事は必要だと思っています。

困っている人がいるなら、その方を救う人も必要です。
日本で脚長差に関して本腰を入れて研究や臨床をしている人は少ないのが現状です。
だからこそ僕は活動する意義があると思っています。

脚の長さコーディネーターは、脚長差を検査で明確にして、適切に補完できる専門家のコースです。
もちろんコースは入り口です。
臨床力を高めるには実践が必要です。

補高用インソールは、大きな変化を起こしますが、同時に、ただ踵に敷いているだけですから、外科的な処置とは大きく異なり、もし逆効果が出てしまったり、補高の高さの修正が必要な場合は、すぐに外すことで対応が可能です。
そういう意味で、副作用を最小限に抑えられるという点でも、そこまで躊躇して慎重になりすぎるものでもありません。

脚長差に関してもっと多くの方に興味をもってもらい、一般的にも常識レベルに上げることが必要です。
そのうち、ITなどの進歩と一緒に科学性の高い検査機器やデバイスが登場するかもしれません。
そうなれば飛躍的にこの分野は広まっていくでしょう。

でもその必要性も、脚長差が広く世間で認知されてからでしょう。
認知度が低ければデバイスの開発にも繋がらないはずです。
今すべきことは、まずは脚長差の問題を知ってもらうこと、多くの方に関わってもらうことです。

ぜひ、脚の長さコーディネーターの存在をシェアして下さい。

運動指導者であれば、必須の知識と技術です。
ここを確認しない運動指導は、僕ににとっては基礎工事をしない大工さんです。

僕が担当する次回のコースは12月6日(月)です。
コースでお待ちしています。


よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。