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【PT日記】養成校教育と臨床の知識の大きな違い〜筋肉編〜

たくさんあるのですが、今回は筋肉について。

学校では筋肉を並列で習います。例えば、腸腰筋と大腿四頭筋、中殿筋、深層外旋六筋を羅列して、それぞれ股関節の屈曲筋に、膝の伸展筋、股関節の外転筋、股関節の外旋筋と説明します。

簡単にいうと、筋肉に優劣がないということです。

でもですね、実際の臨床では完全に優先順位があるのです。

僕からしたら、ヒトとしてなくてはならない最優先の筋肉は腸腰筋です。並列で紹介される様な筋肉ではありません。もう完全に主役なんです。かつ、空気のような主役、、、。

【進化学・生物学から優先順位が導き出せる】

なぜ筋肉に優先順位があるかというとそれは、ヒトという動物を考えると導き出されるのです。

ヒトは歩く動物です。これはロコモーション(移動様式)という視点ですね。動物として動けなくなったものは死を意味します。

泳げなくなった魚は死にます。
飛べなくなった鳥は死にます。
走れなくなった四足動物も死にます。

そう捕食者に食べられるからです。本来はヒトも同じく歩けなくなった、または走れなくなったら死んでいたのです。

ということは、ロコモーションに関与する筋肉がヒトという動物には必須であり、再重要視されるべきです。

そうなると、先程の筋の中で一番歩行に関係しているものはとなると、腸腰筋なのです。

腸腰筋が股関節を的確に引き込むことで、それ以外の筋肉も的確に働くことができます。

つまり、腸腰筋は、筋肉が協働して効率的に働く条件を作っているということができます。他の筋肉たちは腸腰筋に依存していると言ってもいいでしょう。

そういう関係性が見えているのが臨床であって、残念ながら養成校のレベルではまだまだまとまって教えられるものではありません。もっと臨床的なものなのです。

だから、いくらPTの国家資格を取ったからと言っても臨床ではなかなか使い物にはならないのです。学校の知識は机上の空論とまでは言いませんが、臨床的には古すぎる情報なのです。

一番若い方々が、一番古いものを学んでいるという時代錯誤が今の学校の現状です。基礎という面では変わらない知識かも知れませんが、それでも世の中はもっと複雑系であり、関係性であり、優先順位で選択肢進めていく必要性がある世の中なのに、いまだに並列の知識の丸暗記というのは残念な状態でもあります。

【卒業後の学び】

ということで、実際には資格取後の学びがとても重要になります。しかし、僕も数多くの勉強会や研修に参加していましたが、進化学や生物学的な視点から物事を整理して教えてくれたものはありませんでした。

僕は独学でそのような真理に気づきました。

このような視点はまだまだ確立されておらず、無我夢中、五里霧中というのが現実といった感じです。

また概念や物事を見極める考え方よりも、とにかく変化を出す手技というhow toに走る方が多いので、体型づけられた物事の見方としての発展がないのが現状です。

忙しさに追われて中々できてませんが、進化学や生物学から紐解くヒトの運動機能のメカニズムや優先順位を提示できるようになりたいなと思っています。

そのような概念を持つことで、臨床の着眼点や確認すべき評価項目の選定などが洗練されてきます。

もっと普遍的で確実な視点を見つけ、広めていきたいなと思っています。まずは、腸腰筋の凄さを広めたいですね。そのことについてはまたまとめたいと思います。腸腰筋loverとして。

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