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【ヨガ日記】100年は古典なのか?歴史観のバラツキ

ジョゼフ氏がピラティスを作ったのは概ね100年前のことです。パタビジョイス氏がアシュタンガヴィンヤサヨガを作ったのも、アイアンガー氏がアイアンガーヨガを作ったのも概ね100年前です。

さて、100年というのは古典になるのでしょうか?

古典という定義は曖昧で、使う人によってその時間的な感覚はバラバラです。

100年前の日本を振り返ってみましょう。今が2021年ですから1921年ですね。日本では大正10年です。Wikiによりますと、、、。

・三菱電機設立
・生活協同組合の設立
・大塚製薬工場設立
・後の昭和天皇が摂政に就任
・日本でメートル法が公布

などです。結構近代の匂いがしますね。世代で言えば1〜2世代ですからまぁまぁ古いでしょう、自分の祖父の世代ということです。どうでしょう自分の祖父を古典と言いますか?

ちなみに徳川幕府の江戸時代は1603年からですから概ね400年前ですし、源頼朝の鎌倉幕府は800年前です。

人で言えば茶人である千利休は400年くらい前の方です。能楽を昇華させた世阿弥は600年くらい前の方です。日本の文化がどれくらい歴史があるかわかりますね。

そうすると100年というのは比較してしまうと本当に最近のこととも捉えられます。

ヨガスートラは古典でしょう。編纂されたのは諸説ありますが500年くらいと考えれば、今から1500年以上前のものとなります。これは古典でしょう。

その時の日本は古墳時代から飛鳥時代です。聖徳太子ですね。ここまでくると自分の祖先を追って行っても何も痕跡が残っていないくらいですから、古典でしょうね。

さて、近代のヨガの祖と言われるのはクリシュナマチャリヤ氏です。彼はヴィンヤサというアーサナを呼吸や視線、バンダと一緒にフォローでつなげる新しい体操法を編み出した人です。本来のヨガのアーサナは閉眼で、自然呼吸、アーサナは一つ3分くらい保持する姿勢法です。

彼が依頼された仕事は子ども達の体操教室の先生でした。サンスクリットやヴェーダにも精通していましたが、その教室の役割は体操の先生です。彼の生徒がパタビジョイスでありアイアンガーであるわけです。言ってみれば子ども向けの体操が西洋の人達に広がっているということです。

現代はパワーヨガ全盛の時代です。西洋でもヨガの東洋の神秘を背景にしつつもフィットネスと融合して取り組みやすくなったことがこの繁栄の原動力であることは間違い無いでしょう。

それはヨガを世界に広めたという意味ですごい功績があります。

しかし、このヴィンヤサスタイルや一つの流派のルールがまるで古典のヨガのように流布してしまっていることには問題があります。特にヨガを始めたばかりの方々は、俯瞰してヨガを見れませんので、自分の先生が行ったことを鵜呑みにします。

そう、ウジャイ呼吸をしながら、吸って吐いて動くのがヨガだと、、、。そしてそれは古典だと。とんでもない誤解です。

僕がアーサナアナトミカルアプローチを通して伝えていることは、しっかりと歴史や客観的な事実を把握して、ヨガを自分のライフスタイルに取り入れるという姿勢です。

ヴィンヤサスタイルが悪いわけではりません。それを古典として、あたかも本来のヨガのスタイルだというような誤解に問題意識を持っているのです。

盲目的に信用したり、鵜呑みにしてはいけません。しっかりと歴史を見ましょう。自分の行っているヨガの流派の出所を確認しましょう。

そして、ヨガのインストラクターであれば、自分の立ち位置を明確にして伝えましょう。

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