見出し画像

いい・わるいはあるのか?

〇〇はいいこと、〇〇はわるいこと。

僕らは気軽にいいわるいという言葉を使います。でもその判断って絶対的なものなんでしょうか?

「人殺しは最悪な行為だ!」ほぼ全ての人が同意するでしょう。

では、身内を殺害しにきた人を身内を守るために殺すことは最悪な行為でしょうか?

戦争は結局そこで戦いが正当化されます。自己防衛、愛国心、最大の防御は先手を打つことだ、目には目を、、。

最悪な行為を聖戦といい、正義といい、何かしら正当化して人は殺し合っています。

もちろんそんなのはナンセンスですね。でも、今でも戦争はなくなっていないのは悪いことが分かっていても、馬鹿らしいと思っていてもどうしようもないという状況があるから起こっているのです。

戦争に関しては、教育や貧困、そして先進国の利権などが背景になるのでそんな単純ではないですが、現場はとどのつまりこの「いいわるい」で殺しあっているのです。

中国の侵略も彼らははいいことをしていると思っているわけです。

【いい・わるいというジャッジ】

「生き物を殺すことはよくない。」
「肉食は生き物を殺している。人も肉を食べるなんて獣だ。」
「草食はピースフルで何も殺していないからいいことだ。人もベジタリアンになるべきだ。」

これもよくある肉食、草食のいいわるい議論ですね。

この価値観を生物全てに当てはめてみましょう。

肉食動物は…ライオン、トラなどのネコ科、ジャッカル、リカオンなどのイヌ科、ほぼ全ての魚、トカゲ、カメなどの爬虫類、サギ、鵜などほぼ全ての鳥、トンボ、カマキリなどの昆虫、、、。
草食動物…ヌーやカモシカなどのウシ科、シマウマ、ロバなどのウマ科、カブトムシや蝶などの昆虫、、、。

肉食と草食にいい悪いはあるのでしょうか?

肉食が絶滅したら何が起こるか分かりますよね。

人の草食への憧れは、自分が折衝をしたくないという穢れ思想と生き物の死というものを直視したくないという現代人ならではの都市的価値観でしょう。

つまり食べ物が草食か肉食かという違い自体にいいわるいはありません。ヒトは単純に雑食です。

このように、「事実」ということと、「いいわるい」というのは関係ありません。「いいわるい」は「価値観」や「思想」なんです。

【科学にはいいわるいがない】

僕は理学療法士という仕事を12年間行っていました。医学の分野に進んだのは、手に職をという至極普通の動機です。

でも今は自分の科学的な思考には合っていたなと思っています。

科学とはなんでしょうか?

科学は、現象を観察し分析し、そこにある事実を明確化する作業です。この作業には、個人の価値判断が入ってくると正確性が鈍ります。科学は事実そのものを客観的に扱いたいのです。

「ビックバンが宇宙の創生のきっかけだった。」
「物質には互いに引き合う引力という性質がある。」
「骨はリン酸カルシウムからできている。」

これらは科学であって、そこにいいわるいはありません。でも人はそこに想いを乗せたがるのです。

「僕たちに大きな謎を解かせるために神はビックバンを起こしたのさ。」
「心にも引力があるから僕らは引き合ってるんだと思うよ。」
「カルシウムという大いなる母である海の思い出が骨に残ってるんだね。」

ドラマチックで、文学的で、楽しい解釈ですが、それは勝手な解釈であって、事実に価値も意味もありません。その事実の捉え方は各人の好みです。

好みの合う人といるのは楽ですね。

ですから同じ価値観が集まって常識というものができます。それが国民性です。同じ人間なのに国同士や同じ国内でも地域同士で戦争するのも、互いを理解できないのもしょうがないのです。

価値観が違うのです。思想が違うのです。

【教育って何か?】

僕は育児しながら教育って何かなぁって探求してます。

この価値観や思想という面では、まさにそれを教えているのが教育なんだろうなって思っています。

「夕日を見て綺麗と思う気持ち。」これは科学ではありません。感性、心です。

「お父さん死んだらどうなるの?」「死んだら体は地球に戻るんだよ。でも思い出としてお前の心(頭)の中でお父さんは生き続けるんだよ。そういう意味で体が死んでも死なないんだよ。」これは科学と心です。

事実と、価値観をしっかりと分けて、物事を客観的に把握しつつ、自分の感性は大切にする、、、。理想ですがそんな育児ができたらいいなと思ってます。

科学は探究心であり、心は楽しみ方だと思っています。

探究心を持ちながら世界を楽しんで生きる、それが人生なんじゃないかなと。

「いいわるい」という価値判断に振り回されず、自分を縛りつけずに、方向性は楽しく。

種は一緒だとしても環境や文化、歴史によって人には多様性があります。価値観も思想も自分にしっくりきているものと他の人がしっくりきているものが一緒とは限りません。

他者と自分の違いを認めつつ、自分の感性を大切にして身近な人と、価値観が合う人と仲良く過ごせれば幸せなのだと思います。

徒然なる会でしたが、何か考えるきっかけになれば嬉しいです。

僕は科学を伝えつつ、感性を楽しむ方法も伝えたいですね。少なくとも感情や作られた常識に振り回されないように。

よろしければサポートをお願いします。私自身ではまだまだ微力です。当たり前の選択や情報を得ることができていない方々に、予防医学の視点で、知らなかったことで損した方を少しでも減らすよう、有益な情報を発信していきます。皆様の応援を励みに、より精進して行きます。応援ありがとうございます。