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安心してください、ヨガの実践では体が硬くても問題ありません

【見えるものと見えないもの】

ヨガはアーサナの熟達度みたいなものに脚光が当たりやすいので、どうしてもポーズを完成させることが重要という感じになっていますね。

僕がよく引き合いに出す話があります。

アメリカの体育教師の話ですね。BDNFという脳由来神経栄養因子があります。これは運動をかなり高強度で行うと出てくるもので、記憶や学習に関係すると言われています。

BDNFは血液検査などで測定しますが、その推定値として心拍数が計られます。最大心拍数の80%くらいの運動強度で運動すると分@胃が活発になると言われています。

このことに気づいた体育教師の方が、今までの体育とは一風変わった方法で生徒を評価するようになったのです。

それが何かというと、、、ランニングをスピードではなく心拍数で評価したのです。

スピードは目に見えますね。一番が誰でビリが誰か、、、。でも心拍数は見てわかりますか?測定器で計らないと見ただけでは判断できません。

すると、今までは順位が遅くてはっぱをかけられていた子どもが、実は心拍数がとても高くて褒められ、順位が上位だったけど軽く流していた子どもは心拍数は上がっていないので逆にもっと頑張るように指摘されるというように、今までとはまるで変わってしまったのです。

これって、ヨガの実践にも当てはまると思いませんか?

アーサナは外から見えるものです。でも内面の状態は見ただけでは分かりません。Instagramがいい例ですが、目を瞑って座っているだけの画像をアップしたいとは思いませんよね。

皆さんすごいポーズが取れたらアップしたいと思うんじゃないでしょうか。Instagramは見えるものですからしょうがないですが、それがヨガの本質かといったら当然NOですね。

ヨガは見えない部分に重きを置く練習法であり修行法です。

【ヨガって何だっけ?】

ヨガといっても様々な捉え方や流派があるため、これといってある一つの定義で統一というのは難しいですが、少なくとも身体の段階で完成するものではないですね。精神までいかないと。

ヨーガスートラを大まかな基本文献とすると、「ヨガは心を統制する方法」ということになります。

無意識で反射のように習慣化している自分の心(特にネガティブな側面)を自分の意思で制御していくために行うのがヨガの実践ですね。

身体機能の鍛錬の要素もハタヨガにはありますので、瞑想だけが目的とも言い切れませんが、少なくとも身体的鍛錬のその先に瞑想があり、そこに重きが置かれていることは間違いないですね。

そうすると、身体的なポーズなどは「枝葉」であって、瞑想で求めている心の制御が「」ということが分かります。

物事の優先順位が明確になるということは大切です。何を大切にして、何に関しては気にしなくていいということが分かります。

よく以下のような質問を受けることがあります。

  「このポーズでは足まで手が届かないのですがいいのですか?」
  「股関節の開きに左右差があるんですがいいんですか?」

どうでしょうか?何が大切なのでしょう。上記のものは別にどうでもいいかなって思いますよね。手が届くとか、左右差とかよりも、、、

  「どれくらい集中しているか、自分の内面を見つめられているか」

そこが大切ですよね。見えないものと繋がるために、「なくて七癖、あって四十八癖」という自分の癖に気づくことが大切なんですよね。

アーサナの練習は、そのことに気づくための手段です。鍛錬としても意味はありますが、その先に何があるかを忘れないようにしたいですね。Instagramの先も追求しましょう。

【誰でもできるヨガ】

今まで整理したように、ヨガの本質は集中力内観力と言ってもいいでしょう。そういう意味で、体の動きづらい高齢者の方も障害のある方にとってもできるのがヨガです。

体が硬いからヨガはできないよぉと思っている方も、何の問題もなく実践できます。体の硬さは枝葉なのであまり気にしなくていいからです。

ヨガのインストラクターとしては、鍛錬の部分も経験する必要はありますけどね。

山に登ったことがないのに登山ガイドはできませんからね。でも、頂上に到達しなければ登山ではない!と言って一般の方に対して登山の敷居を高くする必要はありません。登山も登頂に登ることが目的ではなく、山を楽しむことの方が大切だからです。

登山というその過程そのものに意味があるんです。頂上にヘリコプターで言っても感動はないでしょう。では登山の頂上というのはどういう意味合いがあるかというと、方向性ですよね。そこに向かって進むという道標的な意味合いです。

大切なのは、登山そのものを楽しむこと。

ヨガもそんな風に、実践そのものを充実させられるといいですね。

大丈夫です。安心してください。体が硬くてもヨガの実践には何の問題もありません。逆に集中しやすいんじゃないでしょうか(^^)


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