【臨床日記】中央値、平均値を「正しい」とする必要はなく、あなたにはあなたの正しさがあります
今日も内股の方がいらっしぃました。前捻角は大台の61度でした!知っている方はこの角度がどれくらいすごいことかお分かりでしょう。とんでもなく内股ということです。
でも、その方に「貴方の正しい足の位置は内股ですよ。」とお伝えしたら、「そんなに内股にしたら股関節や腰ががおかしくなりませんか?」と驚かれてしまいました。
えっとですね、「貴方の身長は150センチです。」と言ったら、「えぇでも普通は170センチなんですよね、そんな150センチなんておかしいじゃないですか!?」と言ってるのと同じことなんです。
事実を伝えているのに、なぜか標準値と比べてそんなのはおかしい!と返されてしまう、、、。これ日常茶飯事です。
なぜ、多くの方は、自分という個性を認めたがらないんでしょう?標準値じゃないといけないのでしょうか?
身長は女性なら158センチ前後、体重は53キロ前後、脚は内股ではなくつま先は外向き、聞き手は右手で、血液型はA型。そういう平均じゃないと異常なのでしょうか?
標準というのは平均値や中央値や代表値のどれかでしょう。どちらにせよ、貴方の正常というものとは関係がありません。
BMIというのはありますが、相対的です。体組成は人によって異なります。骨の太さも結構人によって違いますよね、身長と体重だけでそこまで標準化できるものでしょうか?あくまでも傾向がわかる程度でしょう。
足の向きが外か内かというのも相対的なものです。他の人がどうなのかということは関係ありません。貴方の骨格がどうかが全てです。
【専門家がいない】
最近思っているのは、ご本人の正しい骨格にあった姿勢をお伝えすると驚かれるのは、そのような骨格を見ることのできる専門家が普通には存在しないからだなと思っています。僕にとっては常識なんですが、まだ社会一般ではマイノリティなんでしょう、、、。
マイノリティということは希少価値があるということでもありますが、常識レベルだと僕は今思っているので、残念な現状でもあります。
前捻角を測る機会がない。病院でも誰も見てくれない。そんな世の中では、自分の正しい足の向きすら知ることができないのです。自分にとっての正しい歩き方すら誰も教えてくれないのです、、、。平均の人はいいでしょう。そいう人に合わせた世の中ですから。
でも平均値ではない人とってはとっても生きにくい世の中なのです。何とか自分を平均に近づけようと無理をされている方多いですね。
自分を否定てして、、、。
骨格の特性を見ていくということは、その方のフラストレーションや自己否定の苦しさを一生に感じていく過程でもあります。
僕の願いは、もっと自分の骨格を否定せずに大切にして欲しい。自分の個性を認めてあげてほしい。体は何者にも変えられない貴方の個性であり魅力です。平均が魅力的であるとは限りません。
人と比べて意味があることと無意味なことがあります。骨格は完全に後者です。
特に今回の方はそれが原因で腰部に変形も起きていました。もっと早く気づけば、もっと前捻角が常識であれば防げた変形かもしれません、、、。残念ながら病院の専門家も気付くことができませんでした。
自分の個性に気付ける方を増やすこと、個性を見分けられる専門家を増やすことが僕の使命です。
今の子ども達はどうでしょう?誰かが歩き方、骨格に無理のない姿勢を指導できているでしょうか?昔と何も変わっていません。少なくとも僕の子どもの頃とまるで変わっていません。40年以上経っているのに!
自分の骨格との不一致によって体が歪み苦しむ人が放って置かれています、、、。これだけITが進歩しても骨格の特性すら検査して指導する人がいない。凄い進歩の格差ですね。本当に残念です。
僕はその事実に気づいているのに何もできない。自分で違和感に気づき、自分で検索して僕のスタジオに来てくれる人しか救えていない。本当は子ども達全てに伝えなければいけないのに、、、。
子ども達がこの記事を読むとは考えづらい、、、。結局、今回の方のように変形して病院にかかりそれでも原因は特定されずに、歳だとか、遺伝だとか適当な理由をつけられて経過観察、、、。
毎回、クライアントさんと向き合うたびに、自分の無力さと、この不条理な世の中に落ち込みます、、、。
でも行動に、小さくても前に進まないといけない。研究が必要。説得力のある論文を書いて社会にインパクトを与えないと。僕はあと何人救えるんだろう。僕はあと何年で社会を変えられるのだろう、、、。
時には弱気になるけど、でも常に僕を必要としてくれる方がいる、僕の稚拙な指導でも救える人がいる。自分の人生を予防運動にかけようと思った時から、一進一退でも、牛歩でも、命ある限り前に進んでいきます。
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