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ザ・ルースターズ歴代シングル配信記念 大江慎也トークショー
昨年よりザ・ルースターズの楽曲が配信解禁となりました。昨年11月には全アルバム、そして全シングルが5月15日から聴けるようになりました。そこで同日に『ザ・ルースターズ歴代シングル配信記念 大江慎也トークショー』が福岡(BAR Bassic)で行われ、僕はお相手役を務めさせて頂きました。
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イベントはアーカイブ付きの配信もあったのですが、それも終わりましたので、内容をここにまとめます。
まず大江さんがルースターズを結成してからの経緯やご自身の音楽観について語られました。これが正に「大江慎也 音楽宣言」的なもので、それを控え室で聴きながら、「話はあちこち膨らむだろうけど、ここに立ち戻るように進行しよう」と咄嗟に決めました。
1999年にルースターズの未発表音源集『THE ROOSTERS I'M A KING BEE 〜early sounds of the roosters』がリリースされています。その時媒体資料として「花田裕之×池畑潤二×井上富雄 対談」「大江慎也インタビュー」というのが作られているので、まずはそれを引用しながら結成エピソードや音楽的ルーツを引き出していきました。以下、トークショーで語られた内容をまとめました。
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若い頃、ビートルズやローリング・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ドアーズなどを聴く中で、ブルースが一番印象に残った。特にハウリング・ウルフ。他にもジミー・リードやマディ・ウォーターズなど。
※ハウリング・ウルフと言えば、バンド名の由来となり、ストーンズもカバーしたこれでしょうか。
Little Red Rooster / Howling Wolf
ルースターズを結成した時、バンドは基礎が大事だと思ったのでストーンズのファースト・アルバムを持って行って、「これを全部やろう」と言った。
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※このファーストに関しては、Ryo/The Shine Light Respectさんがこちらに詳しく解説されているのでどうぞ。
地元北九州の松田楽器店の地下1階にスタジオがあり、そこでリハーサルを繰り返していた。
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松田楽器店ではヘッドホンでレコードが試聴出来、チャンプスの「テキーラ」を聴いて、池畑さんに「これやらない?」と言った。ヴェンチャーズの"Bumble Bee Twist"、エディ・コクランの"C'mon Everybody"やったり、花田さんもストーンズの"Under My Thumb"やろうと言ったり。
次第にオリジナル曲が出来ていった。日に日にスタジオの外から見学する人が増えていった。人間クラブの頃から曲は作ってて、ルースターズでもやった曲はある。
※人間クラブは、L-MOTIONというコンテストに出場し(1979年)。その年はレコード化されており、『サタデーナイト』が収録されています。
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(日本コロムビア)
TEAC(ティアック)の4chマルチトラックレコーダーを持ってて自分でボーカルやギターを重ねて自作曲を録音した。デビューしてから、赤坂のAMSスタジオで24chを見たけど、当時は24chなんて夢の夢。
ラフォーレ原宿で行われた「ロック・ファンクション」で優勝したのがデビューのきっかけ。デビューした1980年は振り返ると、混沌としてたけど爽やかな風も吹いていた、という印象。若いなりに余裕もあった。今と比べて世の中も規制があまりなかった。
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ロッキング・オン誌 1981年1月号より
『a GO GO』というタイトルはフランス語で自分が付けた。スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの“Going To A Go Go"から取ったんだけど、辞書で調べたら日本語で「むちゃくちゃやる」という意味だった。
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Going To A Go Go / スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ
映画『爆裂都市』の撮影はハードだった。撮影終わって凄く疲れて、池畑さんのバイクに乗って爽やかな風を浴びながらロケ地の埼玉から東京へ帰ったのを覚えている。『Let's Rock』は最初英語で歌詞を書いた。日本語ヴァージョンはその後。
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雑誌「ブルージャグ」の表紙で着ている黄色いジャケットは、イタリアンっぽいお店で買って、自分で鍋に入れて黄色く染めた。パンツは花田さんのを貰った。
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『ニュールンベルクでささやいて』を池畑さんがアフリカン・ビートで叩いたのはとても良かった。
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4曲入り、45回転
『C.M.C.』出だしの「珠惑」は自分が作った造語。
“She Broke My Heart's Edge"は花田さんが作った。それに英語の歌詞を付けた。ライヴでドアーズの"LA Woman"をやろうと言ったのも花田さんのアイデア。
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こちらはオリジナル、ドアーズの"L.A. Woman"
グループの表記がSからZに変わった理由。仙台のコンサート会場で色紙にサインを書いてる時に思い付きでZにした。その日は寝坊して遅刻して会場入りしたので、スヌーピーの漫画によく書かれてる、zzzの意味でZにした。
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トークショーの時に持参しました。
"Venus“は良い曲で、今でもステージで歌ってる。歌詞は柴山さんだが自分が書いた部分も少しある。
会場からの質問〜リズム・セクションの池畑さんと井上さんについて〜
池畑さんは最初からスタイルを持ってて、今も発展している。井上さんはすごくメロディアスなベースライン。すごくシンプルに弾く時もあるけど。昔からファッショナブルだった。
ロックルロールは反復音楽。反復の中にグルーヴが生まれる。
※この時、大江さんが手を振り下ろしながら、リズムを表現していたのですが、その手を降ろすタイミングが、正に黒人音楽の基礎であるバックビート(2拍と4拍にリズムの重心が来る)だったので、やはりあのビートが身体に入っているのだな、と思いました。
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自分がやっているのは軽音楽、ポップス。音楽はすべてポップ・ミュージックだと思ってる。ブルースやR&Bは軽音楽のルーツ。それを元に音楽をやるのが必要だし、今でもそう思っている。さらにそのルーツであるアフリカン・ミュージックのレコード(中村とうよう氏制作)とかもずっと聴いていた。自分が思っている軽音楽、ブルースを残していきたい、継承していきたい。キース・リチャーズが数年前に言った「ブルースを知らないでロック出来ないぜ」は、僕も同感。キースは凄く尊敬している。
黄色人種である日本人が黒人音楽をやったらどうなるか。それをルースターズでやってみたかった。デビューの頃スーツを着てたのも黒人ミュージシャンの影響。
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『ロージー』
配信が始まって凄く嬉しい。アマチュアの頃から世界で勝負したいと思っていた。フジロックのグリーン・ステージに出演し、ステージ降りて歩いてたら外人のお客さんから「Wow! ROOSTERS!!」と言われて、「(外国の人にも)通じるんだ」と嬉しかった。
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会場からの質問〜「無人島に一枚だけ持っていくレコードは?」〜
宇多田ヒカルの「DISTANCE」
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※宇多田ヒカルは意外でしたが、R&Bをルーツに持つ、という点で共通してるのか、と後で納得しました。このデビュー曲からして、R&Bフレーバー全開ですからね。バックビートのリズムが心地良いです。
本を読むのは昔から好きだった。アルチュール・ランボーとか、ニーチェとか。
絶対叶わないだろう夢、それはルースターズの歌詞や曲が学校の教科書に載ること。
トークショーに名前が出て来た、その他のアーティストはこんな感じです。
テンプテーションズ
スタイリスティックス
ヴェルベット・アンダーグラウンド
ルー・リード
サンタナ
トーキング・ヘッズ
デヴィッド・バーン
ノラ・ジョーンズ
シェリル・クロウ
大江さんの話に出て来た曲で、幾つか補足します。
The Girlfriend Is Better / TALKING HEADS
これは「センス」について力説していた時に、この曲の歌詞を引用しました。トーキング・ヘッズは来日公演を観に行ったそうです。
Love Hurts / Keith Richards and Norah Jones
曲はEVERY BROTERSがオリジナルですが、大江さんはキース・リチャーズとノラ・ジョーンズのデュエットをとても気に入っているそうです。これはグラム・パーソンズ のトリビュート・ライヴの時ですね。
僕はプロの喋り手でも音楽評論家でもありません。かつてDJを指導する立場ではあったけど(笑)。ただルースターズはリアルタイムで経験していますし、音楽的ルーツも理解しているつもりです。なのでファン目線を軸に質問を考え、逆にプロが出来ないであろうアプローチを試みました。それは「待つ」ということです。DJやってる人って、「間」が怖いから相手が答えた後にすぐ次に行ったり突っ込むことが多い。今回は大江さんの顔見ながら「まだ喋りそう」と判断したら結構待ちました。大江さんが主役なので、僕は喋りやすい距離感、DISTANCEをキープしただけです(^^)。
ルースターズに関してはnoteに幾つか投稿しています。良かったら、ご覧ください。
なお、今回が100本目の投稿となり、ビュー数も昨日で3万を超えました。ありがとうございました♪♪♪
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my note #100
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