『川べりの家』と『ストロベリー・フィールズ・フォーレバー』の類似性について〜「ビートルズっぽさ」の考察
NHK『ドキュメント72時間』のエンディング・テーマでお馴染み、松崎ナオの『川べりの家』。
あ、この曲知ってる!って人は多いと思うし、この番組に相応しい曲はこれ以外に考えられない。
で、以前から思ってたのは、(なんかビートルズっぽいよな)と。その、「ビートルズっぽい」というのは、コード進行。出たしはこんな感じ。
D Am7
大人になってゆくほど
D Am7
涙がよく出てしまうのは
普通は、キーがDならドミナントはA7。つまり、1度に対して5度をマイナーにはしない。そのせいで、どこか不安定な曲調になってる。
一方で、ビートルズのストロベリー・フォーレバー
コード進行はこう。
A
Let me take you down
Em
'Cause I'm going to strawberry fields
F#
Nothing is real
この場合も、Aがキーなら普通はE。これが不安感を煽ってる。次がF#というのも。
つまり、通常A→E→F#mと行くところを、A→Em→F#にしている。マイナー・キーが逆になってる。こういう半ば強引なコード進行って、ストーンズもやったりする。"As Tears Go By"とか、Gの次がAだもんね。普通はAmにするか、Gmに行くでしょ。
そんな訳で松崎ナオさんはビートルズ好きなのかな、と思った次第です。
最後に、『ドキュメント72時間』10周年記念の2022年に放送された、歴代ベスト10を。
2014-15年の作品が半数を占めた。バンドで言えば初期衝動と試行錯誤を経て、充実期に名盤が沢山作られた、みたいなもんなのだろうか(笑)。
それと2019年以前のものばかり。普通は、最近の放送の方が記憶に新しい筈だけど。それは、コロナ禍以前の世界が見たい、というのがあった気がする。マスクもしてないし、密になったり騒いだりしても気にしてない景色。そこへの郷愁もあったりしたのかな。全部好きだし名作ばかりだけど、『大病院の小さなコンビニ』と『樹木葬 桜の下のあなたへ』は特に良かったかな。
my note #161
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