言い訳も大事
人に何かモノを教える人たちの中には、
「言い訳をせず、とりあえず言われたことを素直にやってみて!」
という人がよくいます。
そうしてくれる人じゃないと、教えるのに手間がかかって面倒くさいからですね。
確かに、何かを教わる場合には、ひとまずは素直に、教わったことをそのまま実行することは大切なことです。
ですが、人にはそれぞれ色んな事情や考え方、価値観がありますから、誰もが素直に教わった通りに行動できるわけではない、というのもまた一つの事実ですね。
ですから私は、クライアントさんが私のアドバイスしたことを素直に行動できなくても、別に構わないと思っていますし、どんどん言い訳をしてもらっています。
言い訳したい気持ちや、「できない事情を分かってほしい」という気持ちがあるのに、
そういう気持ちを抑圧してウソの自分を演じさせても、うまくいかないと思うからです。
むしろ、思っていることや感じていることを、不信に思っていることや、うまくいかなかった理由などを、素直に表明してもらい、
ちょっとした疑問や不安、障害だと感じていること、難しいと感じていることなどを、遠慮なく言ってもらって、その一つ一つを解決してスッキリした方が動ける場合もあります。
良くも悪くも素直で、先生や先輩の言うことに何の疑問を抱かずに従って、結果を出してきた人というのは、
自分のやり方を素直に受け入れてくれる人しか、教えることができません。
自分が疑問を抱いたり、深く考えたりしないから、些細なことで立ち止まる人を見ると、どうしていいか分からないのです。
自分自身が結果を出す能力と、他人に結果を出させる能力は、全く違う能力ですし、
自分と似たタイプの人間に結果を出させる能力と、自分と異なるタイプの人間に結果を出させる能力も、全く違う能力です。
ですから、誰から教わるかというのは、とても大事なことだと思います。
そういうことが分からず、合わない人に教わってうまくいかなくて、
「自分はダメだ」
「自分にはこれは向かない」
「自分には才能がない」
などと思ってしまう人がけっこういるのですが、それはとてももったいないことだなと思います。
素直にできないことがあってもいいし、細かいことに疑問を持ってもいいし、途中で迷ったり立ち止まったりしてもいいし、言い訳をしてもいいのです。
そういう人だって、その人に合った適切なアプローチをすれば、うまくいくのですから。
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