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暇してるプロマネは優秀かもしれない、という話。

ここでいうプロマネは「プロジェクトマネージャ」で、「プロダクトマネージャ」ではないです。プロダクトマネージャは暇してたらよくないかな。

プロジェクトマネージャの仕事

「プロジェクトマネージャ」がなにかっていう点についてはいろんな説がありそうだけど、プロジェクトに関する以下の「6つのマネジメント領域」を調整し続ける専門職だと思っている。

①スケジュール管理
 →どんな順序でいつまでに何をやるか
②スコープ管理
 →何をやるのか、何をやらないのか
③コスト管理
 →いくらで、もしくは何人でどれくらいの時間をかけてやるか
④品質管理
 →アウトプットをどのレベルで仕上げるか
⑤リスク管理
 →リスクが顕在化する可能性と、顕在化時の損害を鑑みて何をするか
⑥ステークホルダー管理
 →偉い人からは協力を、チームからはパフォーマンスを引き出す

最近では計画駆動のプロジェクトが減って、適応的に対処しなければならないいわゆる「アジャイルな」仕事が増えたけど、上記のような役割をこなす人は「プロマネ (的)」といっていいと思う。

プロマネが忙しいプロジェクトはだいたいうまくない

プロマネが忙しいプロジェクトはだいたい問題ある。

忙しいのは、さっきの「6つのマネジメント領域」のいくつかが破綻しているからだ。

スケジュールが遅延しているか、やる・やらが決まらなかったりコロコロ変わったりするか、コストがオーバーして現場が回らないか、アウトプットが納品基準を満たさない見込みだとか、顕在化リスクに手が打ててないとか、経営陣や投資家といった「上」のマネジメントができず振り回されているとかとかとか・・・。

前述の「6つのマネジメント領域」は相互に関連したり、トレードオフになっていて、例えば「リソースを減らすと納期が伸びる」「スコープを広げるとコストが上がる」みたいなことになっている。

一箇所うまくいかなくなると連鎖的に問題がでてみるみる破綻する。

うまいプロマネは暇している

じゃあ逆説的に、うまいプロマネは暇しているのかというと、いっけんそう見える。

会社に来て、会議や報告を済ませて早く帰ったりしている。

ただじっさい暇なのかというとそうでもない。

未来の仕事に取り組んでいるからだ。

段取り八分

プロジェクトマネージャの仕事を勉強すると、そのルーツが建設業にあることを学ぶ。

そしてその建設業では「段取り八分」という言葉がある。

仕事の80%は段取りで決まる。

準備が終わって仕事に取り掛かった瞬間に、うまくいくか失敗するかは、だいたい決まっているということだ。

ボーリングをイメージしてみてほしい。

うまくいくというのはたくさんのピンが倒れることだ。

でもどの角度で、どんなスピードで投げるのか。

どんなスピンをかけるのか。

指からボールが離れるまでに全ては決まっている。

そのあとのことは、なるようにしかならない。

うまいプロマネは暇そうに見えて暇してない

うまいプロマネは暇そうにしているが、その裏で未来の仕事に取り組んでいる。

目下の商談がうまくいったらどう動くか、破断したら次の手はなにか。

このペースでいくと足りなくなる人材はいないか、余る人材が出てきたら何を頼むか。

新たなリスクはないか、対応するとしたらコストはヘルシーか。

結果として今、なんとか回っているから時間があって、その時間を使って先のことを考え続けるからずっとその時間を確保し続けられる。

常に忙しいプロマネはその逆をやっている。

起きてしまった問題、トラブル、見込み違いといった過去に対処し続ける。

失敗を次に生かせるか

最初から全部うまく回せる人なんていない。

でも自分が引き起こした過去の失敗や、先人たちが残してくれた経験から学ぶことはできる。

未来の仕事に取り組む人か、過去の仕事に対処する人か、分岐点は常に「今」にある。


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