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最高のハッピーエンド、ヘラクレスを観てくれ! #3000字に込めた偏愛

#3000字に込めた偏愛  企画主催の椎名です。
普通企画側は参加しないとは思うんですが、コンテストではないので僕も参加させていただきます笑
偏愛を語るためだけの企画なので、気になった方はよかったらご参加くださいませ🍸


僕が偏愛しているものの中にディズニーという超巨大ジャンルがあります。
パークやショー、アトラク、キャラクターと色々な切り口がある中で、今回は小さい頃から偏愛して止まない、1997年に制作の長編作品『ヘラクレス』を語りたいと思います。
ガンガンネタバレしていきますが、ネタバレしてもなお、面白いと作品だと思っているのでぜひ見てほしいです!!


『ヘラクレス』あらすじ

神々の住むオリンポス、全知全能の神ゼウスと妻ヘラの間にヘラクレスという男の子が生まれました。彼の誕生を叔父であるハデスはよく思っておらず、手下を仕向けて人間に変えてしまう薬をヘラクレスに飲ませて人間界へ攫ってしまいます。
手下のミスで神並みのパワーだけが残ったヘラクレスは人間として育ちますが力のせいで周囲から浮いてしまいます。
このお話は彼が本当の居場所を求め、コーチのフィルのもとで“本当のヒーロー”を目指す物語です。

願いのための努力

この作品の好きなところの一つとして、居場所をなくした少年の心打たれるサクセスストーリーであることを挙げたい。
常人離れしたパワーのせいで周りに迷惑をかけ、疎まれてしまう主人公のヘラクレス(愛称はハーク)は、素直で優しい心を持っています。何をやっても裏目に出てしまうことから、“自分の居場所”を探したいと願うようになりました。悩んだ彼に両親は育ての親であり、本当の両親の手掛かりはゼウスの神殿にあると告白。ハークは旅立ち、神殿への長い道を歩き始めます。そして自分は全知全能の神ゼウスの息子であると知り、神の仲間入りの条件である本当のヒーローを目指します。
その直向きな姿勢は作中の「Go the Distance」という楽曲で表現されています。

たとえどんなに遠くても 見つけてみせるさ
僕の場所

この曲のシーンでハークがただただ歩き続ける姿に毎回グッときちゃう。
今自分が居る場所に不満や違和感があったり、「ここではないどこか」を望んでしまうことってありますよね。幼い頃の僕もずっと探してたんだと思います。ハークはそれを誰のせいにするでもなく、望んだ居場所を努力や苦悩を乗り越えて手にしようとするんです。そんな彼を見ていると単純だけど僕も頑張ろうって思えます。
歌詞の通り、この後彼はヒーロー専門コーチのもとで懸命にトレーニングを続けます。彼のコーチである“山羊男”のフィル(上半身が人間で下半身が山羊)は一度諦めた、自分が育てた史上最強のヒーローを神様が星で肖像画を描いてくれ、それを見た人々が「見ろ、フィルの弟子だ」と話すという夢を彼に託します。桁外れのパワー以外にもフィルがハークに見込みがあると感じているんですよね。


音楽とアート

ヘラクレスのミュージカルシーンは、彼の生い立ちや物語の経過を5人のミューズたちがゴスペルで歌い上げてくれます。彼女たちは作品冒頭でストーリーの語り手のおじさんを「暗いなぁ〜!」と一蹴して進行のお株を奪っちゃうくらいパワフル!
このゴスペル、シーンに合わせて叙情的だったり『天使にラブソングを』並に軽快でポップだったりとバリエーションがとても豊かなんです!そして歌声もパワフルでメインキャラクターに劣らずとっても魅力的。パワフルさがよく出ている楽曲なら、ハークがヒーローとしてスターダムを駆け上がっていく様子を歌った「ZERO TO HERO」が最高!アニメーションの演出もすっごくアートな雰囲気で最高にカッコいい!
ヒロインで悪役のメガラ(友達はメグって呼んでるいたらの話だけど)がハークへの恋心から目を背けようとする「恋してるなんて言えない」では、恋してない、いやいやそれは恋って言うのよなんてミューズたちと掛け合う様子が女子会の恋バナすぎて可愛い。ミューズたちもメグちゃんも可愛い。大好き。
ミュージカルシーン含め、作中には多くのギリシャ美術の作品やモチーフが登場するのも見どころ。大人は美術作品なんかを探しながら観ても楽しいと思います。僕も繰り返し見ながら、大人になる過程で気付いていきました。キャラクターは言わずもがな。あ、ストーリー自体は実際のギリシャ神話とは異なるので別物として観てくださいね!


ヴィランズが魅力的過ぎる

ヘラクレスに登場するヴィランズは珍しい4人組。
ボス(作中で本当にそう呼んでる)はゼウスの弟のハデス。冥府の王でオリンポスを征服し宇宙の支配者になる計画を企てている。子分は悪魔のような見た目のペインとパニック。そしてヒロインでありハデスと服従の契約を交わしているメグ。
メグちゃんがハデスの子分をやっている理由がもう!!!健気で!!!!ディズニープリンセスやヒロインでは珍しいセクシーなデザインなんですが健気さは随一。
初対面のハークを「マンガのヒーロー?」なんて言っちゃう口が悪いところも、彼を「ワンダーボーイ」なんて呼んじゃうところもちょっとクセが強くていい。かわいい。
ペインとパニックもお調子者コンビって感じで可愛いんですよ。というかネーミング最高じゃないですか?何ペインとパニックて……
ボスも割とヴィランズの中ではギャグ性が高いキャラクターです。台詞の言葉選びも軽快で、一見すると冥府の王とは思えないちょっとねちっこいおしゃべりおじさん。その一方でとても冷酷な一面もあって「そうだこの人ヴィランだった」とハッとさせられたり。そもそもで血の繋がりのある赤ん坊に手をかけるヤバいやつ。
よくもあんなに可愛い赤ちゃんハークや赤ちゃんペガサスになんかしてやろうと思えるな!!あんな可愛いのに!!!!!(めちゃくちゃ可愛いです)

大好きなラストシーン

話を盛ってるわけでなく、毎回ラストシーンで泣いてしまうんです。
「ディズニーでしょ?子供向けじゃん」とか「あなた何回も観てるんでしょ?」なんて思うかもしれませんが、泣きます。みんなに疎まれて落ち込んでいた少年が得た居場所を、ラストシーンを通してその目でとくと見て欲しい。

彼は最後に「神か、君か」の決断をします。それがハークにとっての居場所を選び取る行為そのものなんです。
そして居場所を求めたハーク、悲しい過去を背負ったメグ、幾度となく夢に破れてきたフィル。これまで頑張ってきたみんなが報われる最高のハッピーエンドがやってきます。
最高のラストシーンを彩る楽曲は、ミューズたちによる祝福の「A Star Is Born」!
エンドロールまで観たら、今度は歌詞に注目するためにぜひ巻き戻して曲の頭からもう一度聴いてほしい。その時はエンドロールの1曲目(「A Star Is Born」の続きでもある)も歌詞を聴いて……!!
努力をちゃんと肯定してくれている歌詞と演出が、教訓的というにはあまりにもあたたかい。なんなら歳を重ねて大人になって、努力が報われないことが往々にしてあることを身を持って体験してからの方が、グッとくるようになった気がしてます。僕くらいになると親戚のおばちゃん的な、「ハークよかったねぇ〜!!」って気持ちも加わって感動VTRあけの柴田理恵さんくらい泣いてます。だって演出が畳み掛けるように泣かせにかかってくるから。ディズニー作品以外の映画も踏まえて、僕が好きな映画のラストシーントップ10に確実に入ります。なんなら5位いないなんじゃないかな。周りがこれでもか!ってくらい祝福してそれを全身で受け止めるこのラストシーンは、ディズニー全力の祝福のかたちだと僕は思う。
ヘラクレスは「頑張った人が報われる」話が好きな人に本当にオススメしたいです。もしくは今何か“頑張らなきゃいけないこと”があるのにうまく行かない人や、新しい居場所を求めている就職・転職活動中の人にもオススメ。

各種サブスクやYouTubeから観ることが出来るのでぜひお楽しみください……!

(偏愛部分だけなら規定内だからセーフということで🙏)





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