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リモートワークで地方創生っていうけど

コロナ禍がリモートワークに対する後押しとなり、300名以上の企業では6割以上がリモートワークを実施している。(国土交通省令和3年3月調べ) 昨年中ごろから、リモートワークのメリットが多々上げられ、労働者側には働きやすい環境であることがあらゆるメディアから流されているんだけど。。。本当にそうなのかな??

ちょっとメリットを考えてみる。自宅勤務であれば、育児・介護との両立や通勤時間の削減がある。また、自身が働きやすい環境を選び主体的に仕事ができる。そして、これらが働き手のモチベーションアップや作業効率の上昇に繋がる。確かにそうかもしれない。また企業側にも優秀な人材の確保つまり離職を防ぐことや通勤・オフィス等のコスト削減、業務改善などのメリットがある。これらのメリットが最大限発揮されればワークライフバランスがとれ、良い方向に向かってゆくのではないかという報道が目白押しだ。

また、リモートワークがどこにいても働ける環境となり、地方創生の後押しになるとも言われている。実際、田舎やリゾート地へ転出したリモートワーカーの話がメディアに紹介される。リゾートワーケーション・温泉ワーケーションなど合宿気分でリフレッシュとリモートワークを両立させる実証実験なども行われている。

まあ、日本の未来のためには、地方創生は避けては通れないことだけど。出生率の低下や人口減少、高齢化社会への移行など様々な問題がある中、リモートワークによる地方移住や土地に縛られない生き方が地域活性化を創るとも言われているけど。どうなんだろう???

しかし、実際はどうなのだろうか。例えばリモートワーク先進国のフランスではリモートワークは週一日か二日がベストとされている。週一日未満だとリモートワークの体制を整えるための手間がかかるためリモートワークの良さが引き出されない。一方、週三日以上だと社員は企業との接触感を失い孤立を感じることでベスト時よりも生産性が落ちるという実験結果もある。

さらには、国土交通省が行った「令和2年度テレワーク人口実態調査」によると情報収集など転居に際して何らかの行動を起こしている人が4.1%いる。しかし、その4.1%の中で関東圏から関東圏・中京圏から中京圏・阪神圏から阪神圏など圏内での移住希望者が80%を超えている。例えば、新潟県に移住したいと考えているのは首都圏在住者の3%弱であることから「移転希望の4%×新潟県へ希望3%=0.12%」と考えると、例年の首都圏から新潟県転入者の3万人弱とほぼ同じである。

実際、2019年の東京の人口増加は9万4193人に対し、2020年の東京の人口増加は8000人と人口増に歯止めがかかっているようには見える。しかし、内訳は日本人が3万9493人増、外国人は3万893人減であり、外国人がコロナ禍で母国に帰った影響が多いだけで、東京の吸引力は衰えていないことがわかる。また、東京都で調査した「東京の住みやすさ」に関する質問では、住みやすいが57%、住みにくいが7%という結果だった。また「東京に今後も住み続けたいか」という質問には70%が住みたいと回答し、住みたくないと答えた人はは10%だった。

つまり、リモートワークが地方移住を増進させてはいないのである。リモートワークを地方創生の起爆剤とするには、地方はリモートワークの状況を見据えながら、地方移住のメリットを浸透させる何らかのキャンペーンが必要なわけである。

さてさて、やっぱり棚ぼたを目指して口開けて待ってるだけじゃダメなのね。。。