小飼弾『本と遊ぶ 働くほど負ける時代の読書術』の書評

小飼弾『本と遊ぶ 働くほど負ける時代の読書術』(朝日文庫)を読んだ。

評価は★★★★。

読書論はいろいろ読んだが、本書は出色の出来。
”自分”というものを確立するために読む、という視点がすばらしい。
”本に読まれない”とも。
批判的読書が大切になる。
お気に入りの著者だけに肩入れしてはいけない。
一人の著者が本棚の三割を超えると危険、だと著者は言う。
本棚も、思考にも”余白”が必要とも。
新しいものが入っていかないのは、本棚、思考の双方に有害。
固まっちゃいけないんですね。

読書論に関係ない、コンピューターや複式簿記、日本の財政などの話題も含め、著者の独自の視点を、非常におもしろく読んだ。
ただし、この文庫本、小飼氏の似顔絵と思しき装丁が気に入らない。
残念ながら、それで★マイナス1。
もう少し”美しい”(シンプルな)装丁だともっとよかったのだが(個人の感想です)。


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