『学び合い』の魅力

本当に「見捨てたくない」と思っているのか

『学び合い』を象徴する言葉が「一人も見捨てない」だ。
「だった」と言ってもいいかもしれない。
「一人も見捨てないためには、『学び合い』しかない」というような断定的な主張だと受け取られた結果、「一人も見捨てない」という言葉がネガティブな作用を生むこともあったようだ。段々とネット上では見かけなくなってきたように感じる。

「なおたかさん、そんなの当たり前だよ」

私自身も嫌な経験がある。
先輩に、
「『一人も見捨てない』なんて、そんなの当たり前だよ。自分が見捨てていると思っている教師なんていないよ」
と言われて心底驚いたことがある。私は「一人も見捨てたくない」と願っているけれど、本当の意味で「一人も見捨てない」教育を実現することはできていなかった。人一倍努力をしている自負はあったけれど、でも、無理だった。だから「そんなの当たり前」と言われて衝撃を受けた。
他の人のことは分からない。「自分が見捨てていることに気付いていないだけじゃないか」と言いたいのをグッとこらえた。
ただこれだけは言える。「見捨てないなんて当たり前だ」と言えてしまう人は、「一人も見捨てたくない」と願いことは絶対にない。だって、もう実現している(と思っている)のだから。自分の教室に苦しんでいる子がいるなんて、思いもしないのかもしれない。

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21年間公立小学校に勤めた後、私立小学校に転職しました。 今は校長をやっています。 2010年から『学び合い』(二重かっこの学び合い)の授業づくりに取り組んできました。今までの実践に関する情報の他に、学級づくり、学校経営に関する情報を書いています。

なおたかの『縦横無尽』

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高橋尚幸と申します。。 教育に関する雑感、授業実践の紹介、校長としての発見などを書いています。 週に1~2度程度、記事をアップします。やる…

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