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月単位リード数4.7倍と新規獲得ID数10倍を達成したBONXリード広告最適化のススメ

BONXのMarketing Teamではリード広告の最適化にこの1年くらい取り組んできました。結果として、月単位のリード数は4.7倍に、新規獲得ID数も10倍近くにまで増やすことができました。今回はその軌跡を振り返りたいと思います。ここでの話はあくまでも新規のID獲得に関してのみの話で、既存ユーザーへのアップセルだったりパートナーとの獲得施策などは含んでおりません。テクニカルな部分や広告の運用方針については鎌田さんが、クリエイティブの制作だったり外部ベンダーとのやりとりなどは私が、という形でざっくり役割分担をしております。鎌田さんのnoteはこちらから。

打ち手を探りつつアクセルを踏むポイントの探索

棒グラフはリード獲得数、折れ線グラフはCPAになります。このグラフを見てわかる通り、CPAを大きく下げながらリードの総数が増えています。この時期に実施したことは以下の大きく3つです。

動画広告の最適化

2021年の7月時点で14本の一般公開OKな動画素材があったのですが、その時点では2分程度の動画をそのまま広告素材として利用している状況でした。動画広告についてはこの辺りのベストプラクティス(https://ja-jp.facebook.com/business/help/144240239372256?id=603833089963720)を参考にFacebookに最適化する余地があるのではという仮説を立てながら動画の制作を進めました。

Create for GROWTH という戦略

戦略としては、Create for GROWTHという戦略
https://newspicks.com/news/6192091/body/)をとることにしました。この戦略は広いターゲットを設定して個別具体性の高いメッセージのクリエイティブを大量に配信することでAIにターゲットの最適化を任せるというアプローチです。ファネルごとにクリエイティブ・メッセージを変更させていくアプローチをとらず、基本的には同一のフォーマットで作成したクリエイティブをファネルを区切らずに配信していきます。 そこから新たなユーザーのインサイトとターゲットを見つけていき、リード獲得まで持っていくというやり方で進めていました。広告実績をモニタリングして短いスパンで動画を編集していく必要があったため、動画編集の内製化も並行して進めました。

リード獲得広告の実施

リードの数を追っていた時期ということもあり、情報入力をできるかぎり少なくして離脱を少なくする取り組みも行っていました。そこで利用したのがリード獲得広告 (https://ja-jp.facebook.com/business/help/435270316658768?id=735435806665862)です。WEBページを経由することなく、プラットフォーム上でアンケートに答えてもらうというものです。広告の情報量を増やす必要もあるため動画との相性も良いという判断でした。

これらの取り組みを行うことによって、CPAを下げつつリード数を増やすことができたので、この次のタイミングで広告出稿額を大きくするアプローチを取ることにしました。

広告費を増額した結果として2021年10月時点のリード総数は同年7月の4.7倍に増やすことができました。また意図していた通り、CPAを大幅に上昇させることなくリード総数を上げることができています。

新規IDの折れ線を追加したこちらのグラフをご覧ください。このグラフを見るとわかる通り、リード数は増やせた一方で新規ID獲得数については減少しダウントレンドとなっています。この傾向はInside Sales(以下、IS)チームからのフィードバックや中間指標をモニタリングすることで10月中にはある程度把握していました。ISチームにヒアリングを進めていくと、そもそも電話が繋がらない、検討度合いが低いリードも一定数あることがわかってきました。つまり、その他リードには質の低いリードが含まれていたわけです。その後もヒアリングやデータを見ていくと、その他リードの中の資料ダウンロードが比較的案件確度が高い傾向にあったこと、動画広告の中でも問い合わせ理由が「資料が欲しい」だった時は架電が繋がる確率や反応も良かったことから、資料ダウンロードを重点的に増やす方向に舵を切っていきました。

確度の高いリードソースの配分を増やした

こちらのグラフには新規ID数とCPAのどちらも追加しております。2022年1月に一時的に新規ID数は増えましたが依然としてダウントレンドです。CPAは大幅に上昇していて、リード数全体も下がっています。新規クリエイティブは追加できていたのですが、効果的なクリエイティブが見つかっていない時期でした。同年3月に大きくリードを減らしているように見えるのは、CPAの高かった資料ダウンロードの獲得に広告費の配分をより多くしたからです。リードの数を減らしてCPAの上昇を許容しながら確度の高いと思われるリードソースの配分を増やす決断はMarketing Teamとしてはかなりアグレッシブなものではありましたが、今振り返るととても良い判断だったなぁと改めて思います。もちろんMarketing Team単独の意思決定ではなく、全社的なリソース配分など複合的な理由ではありますが質の高いリードに絞っていくという判断をしたのがこの時期です。

資料ダウンロードを増やす施策は大きく二つ。一つは動画広告経由で問い合わせをした人の中から問い合わせ理由でフィルタリングして、資料ダウンロードのページへ流していくという施策。二つ目はWEBページへの流入を上げていき、そこに対してリタゲをしていくというものです。どの配分が適切なのか、どのクリエイティブが効果的なのかを模索しながら同年3月には資料ダウンロードからのリード獲得数が上昇しアップトレンドに乗せることができました。

ここまでで新規獲得ID数が10倍近く増加

新規獲得ID数が上昇しアップトレンドになりました。資料ダウンロードの比率もインバウンドリードの半分以上となり、2022年6月には一番低かった時と比べて新規獲得ID数を約11倍にまで増やすことができました。もちろんこれはSalesリソースの確保だったり、インバウンドリードへのベストプラクティスが固まってきたことなどMarketing Team単独ではできなかったことです。MarketingとSalesの歯車が少しずつ合ってきたのがこの時期かなと思います。

受注率が高まっていったこともありCPAの基準値を見直したのもこの時期です。確度が一定程度あるリードに対してはCPAが高くても広告費を投資していっても良いという判断をしました。広告出稿費は4月のタイミングで倍近くまで増額しました。とはいえマーケ担当としてはCPAの上昇が気になるところだったのですが、ここに対しては以下のような取り組みを実施しており、執筆日ベースでダウントレンドになっております。

動画広告について

同年6月までは、それまで実績の良かったクリエイティブ以上のものを見つけるのがなかなかできなかったのですが、8月9月と新しいクリエイティブで少しずつ実績が出始めました。事例動画の撮影依頼に関しては、お客さんとのコミュニケーションの中で依頼できるようなフローが固まりつつあることもとても良いことかなと思います。

資料ダウンロード経由のリード獲得について

大きく2つの取り組みを実施しました。
①広告の制作について部分的なアウトソースを実施しました。インハウスのリソースだと、どうしても他の社内の依頼に引っ張られて安定的な稼働が確保できないというのが大きな理由です。
②LPの制作を実施しました。CPAの高騰を防ぐためには、バナーの最適化だけではなかなか難しいというのが現状です。時間もリソースもかかるので手が回ってなかったのですが、上記の広告制作会社に依頼をしてバナーの改善とセットで実施しました。

今後に向けて

1年を通してオンライン経由でのリード獲得を頑張ってきました。この一年でかなりのノウハウが溜まってきたなぁと思います。小さく試しながら勝ち筋を探ってきたこの1年の次のフェーズとしては、よりダイナミックに動くためにどうするか、知恵を絞らないといけません。

そんなことをぼんやりと考えていたら、相方である鎌田さんが私のノートにこんな絵を書いてくれました。

あえて古典的なAISASのフレームワークに従って「すでに実施済みのこと」「これからやりたいこと」をマッピングしてみたとのことで、それをベースに色々と考えてみました。

Actionがオンライン上で発生することが多いためAttentionやInterestの領域もオンライン広告での施策に寄っているのが現状です。この二つのファネルの中で、オンライン広告以外の領域へ拡大していくというのが1つの方向性になります。

そして、AttentionとInterestを増やしていくとSearchのファネルでそれを受け止めないとActionにつながりません。今以上に「BONX」について調べ出した時に、その人が求めるコンテンツを用意していく、BONXの伝えたいメッセージや世界観を正確に伝えられるような仕組みを用意するというのが二つ目の方向性です。

とはいえ、これらを実行するにはまだまだ手が足りていないというのが現状です。デジタル領域をより精緻化していきたいという人、マス広告や展示会が得意な方、広報なら任せろという方などなど我こそはという人はぜひお話ししましょう!



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