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新たな手法を模索し続けるマーケティング業務の魅力

BONXではビジネスユーザー(B)向け、一般ユーザー(C)向けの事業を両方行っており、どちらの事業においてもデジタル広告が大きな役割を担っています。

今回は特にB向けの広告運用について紹介致します。BONXがB向けサービスとして提供しているBONX WORKでは、デジタル広告経由で受注につながるユーザー様が非常に多いです。もちろん販売代理店様からの引き合いで、というケースもあるのですが多かれ少なかれ広告は目にしてからご相談していただく場合がほとんど。つまりデジタル広告は基本的なユーザーにとってのファーストコンタクトポイントです。

「誰に」「何を」配信するのか、加えて運用目線でいくと「どれだけ」行うのかを日々考えています。さらに、その場で欲しいと思って購入するタイプの商材ではないことからファーストポイントを獲得したユーザーに対して契約が成立するまでは一定のリードタイムが必要です。ファーストポイントを獲得したユーザーに対して、適切な情報を配信しナーチャリングを行うことによって受注までのリードタイムを減らすことも大きな役割です。

実際、広告を見てWebサイトに遷移してBONXを知るだけではユーザーは興味を持つこと、ましてや導入することを考えるわけではないことはデータを見てもわかっています。もちろんフルファネル型の広告も有効ですし、大きな効果を上げているのも事実ですが、ことB向けのマーケティングにおいては古典的なAIDMAやAISASなどの購買行動プロセスを元に広告の運用方針を組み立てるのが現段階でのBONXのB向けマーケティングの基礎になっています。

BONXにおけるマーケティングの業務内容

マーケティングの業務内容①: 広告の目的設定

2022年現在、デジタル広告は非常に始めやすくなりました。「あとはよしなに」で大部分が動いてくれる印象です。目的を設定したらオーディエンスの設定や配信面に対応するクリエイティブなどかなりの部分が自動化/最適化されています。

そんな中で人間、広告運用担当者が頭を捻って考えなければいけないと思っていることが広告の目的を決めること。
例えば、Webサイトへの流入を増やしてWebサイト上にあるLPでのコンバージョンを増やしたいと思ったときにとれるアプローチはいくつかあります。単純にWebサイトのトラフィックを上げて数撃ちゃ当たる方式でいくか、LPでのコンバージョンまでpixelなど広告配信元が提供しているタグを利用して追っかけるという最終的なコンバージョンに対して最適化をかけるかなどいろいろ検討可能です。

単純に全部やるのではなく、クリエイティブ制作などに使えるリソース、予算の制約、今後の広告方針を考えるために今の段階で検証しなければならないことなどを考慮に入れて、広告の目的を決めます。事前にこの広告がうまくいったとき、うまく行かなかったときにどういう対応ができるのか複数パターンを考えて始めることが多いですね。何のためにどれだけお金をかけて、どういう効果や結果が得られたら良い/悪いの判断をするのかを事前に考えることが目的設定のポイントです。

マーケティングの業務内容②: 広告効果の計測/分析をして改善をする

広告運用をしていくうえで一番重要なのがこの部分かもしれません。結局、広告で大事なことは始めることでも続けることでもなく、毎日改善してより良い結果を得られるように動いていくことが最重要活動です。

広告運用における探索段階(刺さるクリエイティブを探している段階)では、仮説もまだないのでたくさんクリエイティブを作ってとりあえず自動配信に任せて比較をする、ということをします。一方で探索段階では予算が大きく出せないことが多々あるので、正確なA/Bテストが満足にできないという制約があります。その中でも分かる結果をもとに最大限得られる情報を整理することが広告運用担当に求められる大事な仕事です。

BONX BOOSTのクラウドファンディングを行ったときにここのプロセスの重要度が身に染みました。比較的常に改善を続けていけばいいB向けの広告運用と違いC向け、特にクラウドファンディングでの広告運用では時間的な制限も設けられます。そんな中で毎日着実に売上を上げつつ、広告以外のマーケティング施策ともタイミングをあわせながら広告でおこなえる検証を進めて改善を行った経験はその後の広告運用に自信をもたらしてくれました。

BONXのVibesに沿って【マーケティング業務】で意識していること

業務内容の説明でも軽く触れていますが、常に改善を続けるということを強く意識しています。ただその改善にも種類があって、連続的な変化(TUNE)と非連続的な変化(SHIFT)のバランスをよく気にしていますね。
SHIFTに関してはコチラの書籍をご参考ください

連続的な改善は広告運用の観点から言えば人間の出る幕はありません。今どき機械学習がとにかく優秀なので、どのように配信を行えば最適化が進みやすいかということだけを考えていれば大抵のことはうまくいきます。

一方で今までやっていない手法を試したり、新たな切り口のクリエイティブを試すことなどはまだ人間が考えなければ行けない部分かつ、自分の価値を最も出しやすい場所です。BONXのVibesに沿った言い方をするのであればFly Highが当てはまるでしょうか。

例えば、一時期BONX WORKの広告運用ではフルファネル型の広告を一つだけ回してあとはクリエイティブを摩耗しない程度に入れ替えていれば問題なかった時期がありました。しかしそれはあまり長く続かず、予算をあげても効果が同様には上がって行きづらい、つまり徐々に広告の運用効率が下がっていくような状況になってしまったのです。

そのときに行ったのがいわゆるクラシックなAIDMAなどを利用したファネルごとにオーディエンスを絞ったり、配信する広告を出し分けたりする広告配信手法です。フルファネルが流行っているし、一定の効果が出ているなかである意味逆行するような手法の採用に関しては違和感はありましたが、今までの広告運用の知見を活かしつつ、非連続的な変化をもたらしかつ十分な効果が得られる可能性があるということで踏み切りました。

マーケティングのやりがい

昔から自分は好奇心、知識欲が旺盛なタイプ。BONXで広告運用、ひいてはマーケティング業務全般を通じて知らないことやわからないことをどんどん突き詰めて考えていけることは非常に楽しいと思っています。
毎日数字とにらめっこしてあーでもないこーでもないと考えることになるので、たまに数字の羅列の夢を見ることもあります。しかしわからないことをわからないなりに分解し、どうやったらわかることが増えていくか、どういう検証を行ったらわかったことになるのかを日々考えて実践できる、いい具合に知的好奇心が満たされる仕事ですね。たまに全然関係ないと思っていた業務での経験が、今悩んでいる業務に応用できると気づいたときには難しいパズルが解けたような気持ちよさがあります。

施策/やりたいことが自分の独断で決まらないことも精神衛生上非常に嬉しいです。BONXのマーケティングチームは2名と少なく、基本的にデジタル広告全般を触るのは僕のみなのでよくも悪くも自分ひとりで決めようと思えば決められてしまいます。もし僕が天才マーケターで自分がやれば必ず行くという保証がある場合には楽でいいのかもしれませんが、残念ながらそんなことはありません。
そこで頼れるのがチーム。マーケティングチーム内はもちろん、セールスなど他のチームに対していつでもレビューや意見を求められる環境が整っており、健全な議論を経て次に何をするのかを明確にできます。自然と自分にはない視点からの批判も入り、自分たちの決断に自信が持てます。

マーケティングとして掲げている今後の展望

現在BONX WORKのマーケティング活動は良くも悪くもデジタル広告に偏っています。デジタル広告は多くの数字が明確で費用対効果も算出しやすく、広告プラットフォームの機械学習も優秀なため高い効率で運用ができていますが、今後BONXという会社がスケールしていく上で一つの手法にマーケティング基盤全体が依存しているのは健全な状態とは言えないでしょう。デジタル広告でやれることはまだまだありますが、それ以外の媒体や施策にもどんどん意欲的に取り組んでいかなければいけないという焦燥感があります。

スケールしていく上で必要なものは僕自身のスキルの向上と仲間を増やすことです。極端な話、事業を大きくするためにもし海外展開を進めていくとなったとしても今のスキルセットでは海外でBtoB Saasのマーケティングを成功させるにはまだまだ力不足だと感じますし、単純に自分の体一つでは限界があります。可能な限り自分の能力を磨くのはもちろん、信頼できる仲間を増やしていくことも今後の僕の課題です。


同じマーケティングチームで日々仕事をしている設楽くんのお仕事紹介も是非ご覧ください。

日本の大学を休学してノルウェーに住んでいます。スノーボードをするためにここまでやってきたので、本気で滑り続ける毎日。自分の目標を管理するために日々Snowboard noteを更新しています。