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大切な人を傷つけたくない、と悩む学生たちに伝えたいこと


私は現在LGBTや性の多様性についての研究・発信活動をしている大学生です。
たまに中学校や高校に行って講演をしたり、こうしてブログを書いたり、
大学で性の多様性について議論する場を作ったりしています。

しかし私はLGBT当事者ではない。
女性として生まれ、女性として生き、好きになるのは男性です。

なぜそんな私が、LGBTに関する活動をしているのか?

私には高校時代に片思いをしてる男友達がいました。
今までの人生で一番好きだったと言える相手。

ある時、彼から、
「僕ゲイなんだよね。」
とカミングアウトを受けました。

それが私が初めてLGBT当事者の方と出会う瞬間でした。

(詳しくはjobRainbowさんのコラムに掲載させていただいてるのでそちらも重ねて。)
こちらから

今日私がこうしてブログを書きたいと思ったきっかけはここから。

今日、今後授業をさせていただく高校から、
事前に学生たちの質問が送られてきました。
当日はこれらについて答えて欲しいと。

その中で、とても考えさせられる質問がいくつかありました。

「今の私たちには何ができますか?」
「私たちはLGBTの方々とどうやって接すれば相手を傷つけないでいられますか?」
「カミングアウトを受けたらなんといってあげるのが正しいですか?」
「LGBTの人たちのためにLGBTでない人が何をすべきなのか知りたい」


全ての学生が、とは言い切れませんが
少なくともこうして、LGBTを理解し、受け入れようと考え悩む
高校生がいることに私はとても感動してしまいました。

LGBTの人たちだけが声をあげ、動くのではなくて
そうでない私たちから手を差し伸べ、輪を広げ、シャボン玉が一つになるように、共に寄り添う。
当たり前のようでできていなかったことを、高校生の声から、改めて気づかされました。

LGBT当事者の体験談の中には、
「友人から心無い言葉をかけられて傷ついた」とか、
「セクシュアリティのことでいじめにあった」とか、
学生時代の辛い経験を話すことが結構あります。

実際こういった声があるから、
大事な友人にもカミングアウトできない子どもが大勢います。

私に打ち明けてくれた彼も、
カミングアウトしたのは私と仲良くなってから一年以上後の話です。
1年間、私が打ち明けるまでの信頼に値するかどうかを、考えていたのでしょう。
その間にも私は、
「彼女は?」「好きな女の子のタイプは?」と、
自分が持っていた異性愛中心の価値観や言動のせいで、
彼を傷つけていたかもしれない。
そう考えると、やはり今でも後悔します。

自分みたいな思いは誰にもしてほしくないと、今でも強く思っています。

私たちも、大切な人を傷つけたくはない。
でも、何が相手を傷つける刃になるのかもそもそもわからない。
どうすることが正解なのかわからない。
理解したい、受け入れたい、傷つけたくない、
でもどう接するのが正解なのかもわからないし教えてもらえない。
そんな高校生の葛藤も感じられました。
すごく苦しかった。

データによると、高校生〜20代で、
多くのLGBTが少しずつ周囲にカミングアウトできるように、するようになると。
そしてその相手もまた、同年代の友人。高校生〜20代。

もし、カミングアウトを受けた学生や、
これから受けるかもしれない人たちが読んでいるなら。

まず、打ち明けてくれたことに、ありがとうと。
そして、絶対に否定しない。
その人が誰を好きであろうとなかろうと、
そして性別がなんであろうと、
そこにいるのはあなたの大切な人。変わらずに。
もし相手を傷つけてしまったのなら、謝ることも。
そこまで、理解しようと、受け入れようという姿勢と、
相手を知ることができるくらいの少しの知識さえあれば、あなたは大丈夫。

私はこれからも、学生たちに、声を届け続けたい。
そう思えた出来事でした。

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