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近況報告[就活編]



次は、今まで1ミリも就活をしてこなかった大学院中退女子が、就活でボロボロにされるお話をしようと思います。


大学院を退学することを5月に決意し、そこからすぐに私は就職活動を始めました。
すでに内定が出ている人もいる中で0からのスタート、何をしていいかも全くわからない状態でした。
学部生時代も就活には1ミリも触れなかったし、
そもそも自分が何の仕事がしたいのかも全く決められていませんでした。


とりあえず私は、「企業って何か知ろう!」というアホな考えで、
会社説明会に参加しまくりました。
業界業種は絞らず、毎日説明会を入れました。
全て静岡県中部の中小企業でしたが、
1ヶ月で50社以上の説明会に参加したと思います。オンライン万歳。
そこでまず、世の中にはいろんな企業があることを知ります。

しかし、4年間LGBTやダイバーシティ、マイノリティや共生について学んでいた私は、
ついつい、会社のそういった部分に目を向けてしまいがちでした。

説明会で「まぁ女性はみんな結婚して出産すると思うんですけど、」という枕詞で福利厚生の説明をしだす企業や、
男性の育休に関する質問に対して鼻で笑いながら回答する人事、
女性だけにリボン&スカートの制服を課す企業。
事業内容よりも、そういった会社の体制や雰囲気、制度ばかり気にしてしまい、
結局50社以上説明会には参加したものの、選考に進んだのは5分の1程度でした。

しかし、具体的に就きたい職業も決まっていなかった私は、
そこも書類選考や面接で落ちまくり、
結局役員面接(最終選考)まで残ったのは、本気で魅力を感じ、働いてみたいと感じた2社のみでした。
面接や書類で、志望度が伝わっちゃうんですかね笑

しかしこの2社の役員面接で、私は就活を諦めることになります。

まずA社。ここは2番目に志望度が高い企業でした。
地元でも誰もが耳にしたことのある不動産会社でした。
ここでの役員面接で、
私がESに書いたLGBTに関わる活動に対しての話になりました。
私が学生時代にしてきた活動や、今度もボランティアなどで関わり続けていきたいという話をしました。
すると人事の方からこう質問されました。

「望月さんは、会社の方針が自分の考えと違ったらどうしますか?」

私は、
今まで色々な方や価値観に出会う経験をしているので、
色んな考えを受け入れたり違いを認めあえるような人になりたいと思っている。
という主旨を伝えました。

すると、

「よかった。うちはね、LGBT向けとかやってないんですよ。
同性カップルの方が部屋探しに来たら断ることもあるし、
大家さんからNG出ることもあるから。そういうの見過ごせます?」

私は唖然としました。
向こうの言い分としては、同性カップルは法的拘束力がないから、何か起きた時に責任を問いづらいからあまり物件を貸したくないと。
また大家さんも年配の方が多く、理解のない人が多いから、それで断られたら従うしかないと。
そして最後に言い放った言葉は今でも忘れられません。

「同性カップルがね、異性カップルと同じ割合とか、それに近いとかならまだビジネスとして対応しますけど、
別に同性カップル向けをやらなくてもうちはビジネスとして困らない。そういうのは、他でLGBT向け物件をやってる不動産屋に行って貰えばいいですよ。」

そしてその面接は終了しました。
結局その選考も落ちてしまいましたが、落ちてよかったと思っています。
帰りのバスでの憤りは今でも忘れません。

そしてB社。ここは第一志望の企業でした。
介護や福祉に関わる企業で、静岡ではかなり大きな企業です。
駅前にある大きな看板を見たことある人もいるはず。
外国の方の雇用に力を入れていたり、子育て中の方が働きやすいような制度を入れたりと、
社員や利用者のダイバーシティや働き方などもすごく大切にしていることが説明会で感じられました。
雰囲気もよく、福利厚生も完璧な企業だったので、第一志望としてかなり力を入れていました。
そこの最終面接でも、LGBTの活動について聞かれました。
そこでは、自分は「アライ=LGBTの非当事者」ということを自分のアイデンティティとして大切にしている、
という話もしました。
聞いてくださっている時もすごく優しい雰囲気で、とても話しやすかったです。
しかし、私の話を聞いて最後に役員の方はこう言いました。

「じゃあ望月さんは、普通の人なの?」

相手の方が、どういう意図でこの発言をしたのかわかりませんし、
きっと無意識での発言だったんだと思います。

でもそこで私はショックを受けてしまいました。
”普通とは?”という考えで頭がいっぱいになりました。
私の気にしすぎ、A社での出来事を引きずって過敏になっていただけかもしれません。
でもそれでも私は、悲しくなってしまいました。

子供達に、性の多様性を伝える活動をしていた学生として、
学校では今、一人一人の自分らしさを大切にしようとか、性の多様性とか、
すごく大切に、丁寧に色んな人が取り組みをして、
子供達も少しずつ、知識や考えを身につけていってるのに、
その子達がこれらの企業に就職したら、また「普通」や「当たり前」を押し付けられるかもしれない。
そんな悲しいことはないと思います。
社会全体では今色んな動きがありますが、
地方の中小企業の単位ではまだこんな現状でした。

静岡市役所の創造力枠というのも受けたのですが、
二次のプレゼンまで進んで結局落ちてしまいました。
めっちゃ悔しかったー!

そして、私自身がこれらの企業に就職したいのか、というのが1番の悩みでした。
なんとなく就活して就職して正社員として働くのが、果たしていいこと何か…
就活を通して、疑問や課題感がさらに膨らんでしまったのでした。
じゃあ結局望月、今後どうするん?ってところですよね。
長くなりました。次が最後、[今後どうするん編]です。

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