一年前の母の日に

一年前の母の日に
グラストンベリーで坂爪圭吾さんにお会いした
(イギリスの母の日は3月なのだ)

その時のことを
書こう書こうと思いながら
ずっと書けなかった

結局
ここまで一年もかかってしまった


坂爪さんにお会いしたことを書くとなると
自分の隠したい本音を書かねばならず
それが恥ずかしくてずっと書けなかった

でも
書くことでそんな気持ちを手放したい

そう思ったら
もうこのまま恥ずかしいまんま
覚悟を決めて書こうと思った

一年前の母の日

夫の運転で
グラストンベリーまで坂爪さんに会いに行った

待ち合わせ場所はグラストンベリーにあるカフェで
行きの車でちょっとしたハプニングがあり
遅れてしまった私は
カフェの近くで急いで車を降り
緊張まみれのなかカフェのドアを開けた

坂爪さんはカフェの真ん中あたりにあるテーブルに座っていた

坂爪さんに初めてお会いしたのは
ロンドンで一ヶ月前にあったお話し会だったので

今回お会いするのは2回目だった

坂爪さんのブログをずいぶん前から読んでいたし
ロンドンでのお話し会では
坂爪さんの目の前に座っていたので
坂爪さんの顔をよく覚えていた
はずだった

カフェのテーブルで坂爪さんの向かいに座って
至近距離で坂爪さんの顔を見たら
覚えていたよりも目が大きくて
目力も凄くて
全て見抜かれているような
そんな気持ちになってドキッとした

坂爪さんの隣にはギターが置かれていた

ギターに気づいた私に
ギターのしすぎで固くなってしまった指を見せてくれた

確か左手?の中指が(ちょっと記憶が曖昧)
びっくりするくらいカチカチだった

会話は途切れ途切れにしか続かなくて
話しが弾まないことを申し訳なく感じた

どのくらいの時間
カフェに居たのか覚えてないのだけど
1時間くらい?もっとかな?

何か理由があって(これも覚えてない)
カフェを出ることになった

カフェを出て近くのスーパーの駐車場まで
坂爪さんと一緒に歩いた

まだ寒くて
風が冷たかったけど
外の空気がすごく新鮮に感じられて
わー!外だぁ!出たぁ!という解放感をすごく感じた

このあと
グラストンベリーにあるガーデンに
坂爪さんと行きたいなぁと

そこで
坂爪さんの弾くギターを聴きたいなぁ
と思っていた

カフェでは
坂爪さんのギターが聴きたいと言えなかったので
ガーデンでなら言えるかもしれないと
密かに願っていた

でも結局行かなかったし言えなかった

カフェでガーデンに行く話しをしていたけど
駐車場について
やっぱりいいですと断ってしまった

断ったのにはいろいろ理由があったけど

たぶん
今考えると
自分の本当にやりたいことを
恥ずかしいと感じて隠したからだと思う

あの日私が本当にやってみたかったこと
それは
坂爪さんの弾くギターに合わせて歌うことだった

でもそんなお願いをしたら
不躾で失礼な奴だと思われて
嫌われるかもしれない

嫌われたくない
失礼な奴だと思われたくない
そう思って言えなかった

でもよく考えたら
勝手に嫌われる想像をして言わなかった私の方が
何より失礼だった

勝手に相手の反応を想像して
勝手にそれに怖がって
行動に移さなかった私が一番失礼な奴だった

あの日
坂爪さんの弾くギターに合わせて歌いたい
と願う自分を恥ずかしいと思ったけど

本当に恥ずかしかったのは
勝手な被害妄想で本音を言えなかった私だ

不躾だと思われてもいいから
失礼な奴だと思われてもいいから
ちゃんと本音を言うべきだった

最後に

ここまで車で連れてきてくれた夫よ
本当にありがとう

いきなりグラストンベリーまで
坂爪さんに会いに行きたいと言い出した私を
すんなり受け入れてくれて
私がカフェにいる間は
娘達の面倒を見ながら待っていてくれて

今までで最高の
母の日のプレゼントだった

ありがとう、夫よ

一年前、坂爪さんに会えたことは
本当に幸せなことだったし
私にとっては宝物みたいな時間だった

本音を隠した私を恥ずかしい隠したい
と思ったけれど

一年経った今は
あの時の自分を忘れないように
自分の本音をちゃんと意識しながら
生きていきたいなぁと思っている

坂爪さん、ありがとう

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