【推し】D.O ×青木真也

ちょっと前に青木真也についてnoteで書いたけど、なんと最近Youtubeで私の好きなラッパーの一人、D.Oさんとの対談がアップされていて、内容良かったので感想を書く。

D.Oさんと言えば昔リンカーンに出てたりしてお茶の間にも浸透していた時期もありましたがパクられて収監されて少し前にシャバに戻ってきたリアルなサグなラッパーで、これまた私が好きなサグなラッパーのMC漢(宿ノ斜塔が出た頃から応援しております)率いる9sari所属という意味でも目を離せない魅力的な方であります。

対談は青木さんアップでD.Oさんが持ち上げていく構成。ここで下手に回って青木さんから思想信念主義主張を引き出すD.Oさんはさすがで狂言回しとしてもバッチリでした。

対談の中で触れられていた、表現が薄まってしまった/数字や収益でジャッジされるのが当たり前になってしまった事に対する違和感/自由に主張出来る事の弊害など、わかり味が深く、味わい深かったです。

格闘技界隈で例えれば、私は石渡伸太郎さんのファンだったのですが、現役時代の質実剛健な試合運び(対ハファエル・シウバ戦、対ビクター・ヘンリー戦は見る方も歯を食いしばって拳を握らざるを得ないような名試合)、引退の引き際の良さも相まって尊敬しておりましたが、引退後のYoutubeの内容はなんともつまらない内容で残念さこの上ないと思っています。他にもヤンチャな感じの格闘家が揃ってYoutubeでヤンキーと絡んだりする動画を出したり、試合予想の動画を出すなど、コンセプトがかぶっている(てかパクってない?)のが演者としての限界を露呈して寒く感じ、速攻で見なくなりました。

表現されているものを観れば、観ている側もそれがどれだけの真剣さを持って作られたものかどうかはわかります。無料でView数が稼げればお金が入ってくるYoutubeのビジネスモデルはサイドビジネスとして良いと思うし、ファンとしても選手やアーティストとの距離が近くなるものなので、良い側面もあるのですが、その内容がチープであれば、そのチープさが演者の印象になってしまうリスクがあると思います。だからサイドビジネス的にやっている事でも客の前に出る以上は、きっちりやらないといかんと思うのです。今は良くても、いずれ飽きられてしまうとか思わないのかな・・・と。

自分の手持ちのカードは何なのか?そのカードをどう組み合わせて戦っていくのか?どこのフィールドで勝負していくのか?というのは普通に仕事をしていく上でも意識していく事、さらにディティールがしっかりしていなければそれだけでクライアントの信頼を損なう可能性があります。私も100点で出来ているわけではないですが、自分たちがやる以上は、ある程度のクオリティを担保出来るように、チームメンバー含め汗水たらして頑張ってやっています。
なまじ自分が真剣にやっていると自負がある(調子に乗っているとも言える)から、ハンパなものを観ると悲しくなると思うのかな・・・

格闘技とかプロレスとか好きな人って、どこかリング上の選手と自分を重ね合わせている部分があると思っていて、自分より格上の相手とやる、ベルトを取る、負けた相手にリベンジするなど、選手の挑んでいく姿に共感している、そこから力を貰って自分の一歩を踏み出す糧にしていると思うのです。

SNS等で選手との距離が近くなるのはうれしいですが(昔は首都圏に住んでいなければ、中々試合を観れなかった)、それゆえに底の浅さが見えて興ざめしてしまう事もしばしばな昨今。きっとまた揺り戻しがくるのだろうなと思いながら、我が推し青木真也は表現者として深いなあと膝を打つ動画でございました。