【プロレス(DDT)】上野勇希 vs 青木真也

ONEと契約延長したものの試合が流れたらしく、仕事が忙しかった事もありジョン・リネカー戦以来、動いていている青木真也を観れていなかったのだけど、DDTのKOD(King Of DDT)の王者の上野勇希に挑戦するという情報が流れてきたので、WRESTLE UNIVERSEで試合を視聴。これが、凄く良い試合だったので思わず久々にnoteを広げて感想を書いている(周りにプロレス・格闘技好きおらず、感動を共有出来る人がいない)。

青木さんのプロレスはそんなにいっぱい観れているわけではないけれど、ファイトスタイルとしてはMMAでの印象を踏襲してか組みとグラウンドがメインになっており派手さがあるわけではない「静」のプロレス、それゆえ組み合う相手が「動」の選手であればあるほど「静」の部分が際立って青木さんの「異物感」(褒めてます)が際立つ、という見立てを私は持っている。

上野さんは甘いマスクで、打点の高いドロップキックなどを武器にKOD王座を防衛し続けている期待の若手(青木さんも前々から褒めていた)で「動」かつ「陽」の雰囲気も持っている素晴らしいレスラーだけど、今回は青木さんの土俵に飲み込まれていた。終盤、ドロップキック2連発など見せ場もあったけど、青木さんは逃げずに顔面で受けてふらふらになりこれで終わりかと思ったら、グランドで極めて大逆転のレフェリーストップ。相手を受け止めた上で自分の得意領域に引きずり込んでの勝利で青木さんの「異物感」が際立った試合だった。

青木さんが言葉がある選手なのは周知だけど、やっぱりマイクも面白くて過去の因縁(中嶋と遠藤とか)も踏襲して未来につなげるストーリーラインづくりもバッチリ。DDTとしても所属の選手が外様のビッグネームである青木さんにどう挑むかというストーリーが作れるし、DDTファンにとっても青木ファンにとってもこれからが期待できる座組が出来たと思う。(選手・団体・ファンがみんな楽しみになる近江商人もびっくりの三方よし)。

ONEで2回目のライト級のベルト取った時も、自分がベストを保てる間に強い奴とやりたいという事で直ぐにクリスチャン・リーと試合をするという選択をした青木さんだけど、今回もすぐに9月に試合をするとの事。

ONEの時は青木さんが背負ってきたONEのライト級を次世代に引き継いでいくという思いもあっての選択だったと勝手に推察している(そういうのをチャトリさんは汲んでくれていないと思うが…)。今回のKODのベルトは長く保持して欲しい、ベルトを持った青木さんを中心に、どんな物語が紡がれていくのかしばらく観てみたい。

青木さんは名試合はいっぱいあるけど、今回の上野戦は自演乙、アルバレス、フォラヤン、クリスチャン・リー、秋山とかとの名勝負と比べても遜色なかったと思う。