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旅におけるセレンディピティの起こし方

今回は旅の醍醐味である「セレンディピティ」はどうやって起きるのかについて考えてみたい。

セレンディピティとは?

セレンディピティ(Serendipity)には様々な和訳がある。「偶然の産物」や「幸運な偶然を手に入れる力」を意味する言葉となっている。Wikipediaの解説は以下である。

セレンディピティとは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。

Wikipedia

本記事ではWikipediaを参考に、「素敵な偶然に出会うこと、予想外のものを発見し幸運をつかむこと」と定義して文章を書いていく。

私が今までに体験したセレンディピティ

私は今までに日常生活から仕事、遊びまで様々なタイミングで色々なセレンディピティを経験した。ただ、セレンディピティが最も発生しやすいのは「旅」をしている時なのではないかと思う。

1つ例を挙げると社会人4年目に日本人がほぼ行かないマレーシア東海岸を旅した時の地元の人との出会いがある。

ある日、クアラトレンガヌという小さな街の市場へ行った。屋台で食事を注文しようとしたときに英語が通じずに苦戦していたところ、マレーシア人の母娘が助けてくれた。1時間程話をして仲良くなり、自宅に一泊ホームステイをさせてもらうことになった。

そこでイスラム教の人の暮らしやマレーシアの家庭料理のおいしさ、そしてマレーシア人のやさしさに触れることができた。

お世話になったマレーシアのご家族。今でもたまに連絡を取っている。

その経験は、私の生きていく世界を広げた。その時、ちょうど転職をするか悩んでいたが、「日本だけでなく世界には色々な世界がある。日本でだめでも他の場所でも生きられる」と気づかせてくれ、転職を決意させてくれた。また、現地の人の生活を体験する面白さも身をもって経験し、今のローカルツアーの立ち上げにつながっている。

セレンディピティを起こすには?

上記の体験は私が狙って起こしたものではなく、たまたま結果として起きた。ただ、なにもせずぼけっとしていてもセレンディピティが起きるわけでもない。そこで今回はセレンディピティが起きる条件を考えてみた。①心と時間の余白、②日常と異なる場所、③自ら話しかける である

①心と時間の余白

まず、時間と心の余裕を持つことが必要である。時間と心の余裕は相互に影響している。

せっかくの旅行となると、「あそこにも行きたい」「あれも見ないともったいない」となり観光地を多く巡るのが一般的である。しかし、本能的に興味が湧く場所に絞って、時間・心の余裕両方を維持して旅をしてみるとよいと思う。

旅程を詰め込むのではなく、緩く設計することによって、究極、予定を作らずに自分の思うがままに動くことによって、日常では見えなかったものに出会うことができる。

②日常と異なる場所

時間と心の余裕を作ったうえで、自分が普段いる世界とは異なる場に足を運ぶと良い。具体的には、違う生活(衣食住)、文化、言語、価値観がある世界であると良い。自分が普段いる世界との差が大きい程、衝撃度の大きい体験ができる。衝撃度が大きいほど自分の心に残りやすくなる。

③自ら話しかける

自分が普段いる世界とは異なる場に足を運んだら、その場にいる人に話しかける。価値観や考え方は違うし、言葉も通じないかもしれないが、なんだかんだ何とかなる。

話をすることによって、自分が想像もしなかった場所に行けたり、知らなかったことを知れたりする。逆に裏切られたりする可能性もある。ただ、後から見れば全てが良い経験となる。

※ 「幸運な人(自分を幸運だと考える人)は、自分から積極的に話しかけることが多い」とコーチングを受けた時に安慶名さんが言っていた。

セレンディピティが起きると何が起きるのか?

セレンディピティが起きると何が起こるのだろうか?

セレンディピティは異なる環境で意図せずに起きているので、日常との差が大きく記憶に残る。その体験は無意識に心に残っており、その後の自分のモノの考え方や行動に影響を与える。新しい挑戦への一歩を踏み出しやすくしてくれる。

セレンディピティは発生したタイミングだけでなく、体験から時間が経った後に効いてくることもある。

おわりに

セレンディピティは起こしたくて起こすものではない。自然に起きるものである。しかし、セレンディピティを発生させる確率を高めるためにできることはある。

人は仕事に追われてしまうと、時間・心の余白がなくなったり、怠惰になったりする。それはしょうがない。ただ、そこで一歩引いて、何かを捨てたり減らしたりすることで余裕を作り、セレンディピティに出会える状況を私は作っていきたい。

そして、今後旅行のプログラムを作る上でもできる限りセレンディピティーが起きるようなプログラムを作りたい。商品として売るとなると計画なしではないが、詰め込みではなく「余白」を大事にし、参加者が自主的に動きやすい場づくりをしていく。

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