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炊き込みご飯

(月曜日の誕生日は嫌いだ)
そんな事を頭の片隅に置いて請求書を作成していた。
月曜日。
週のアタマはバタバタするのはいつものこと。
でも明らかに今日は細かな仕事が多すぎる。

(これはプレゼントかも)
そう思えば、ありがとうの気持ちになれる。 
ものは考えようだ。楽しんだものが勝ち。
多すぎる愛に押しつぶされそうだけれど。

(結局は薬局)
この5文字は、落胆ではない。凹みでもない。
苦笑に近い、仕方ないよね、という事。
シャカリキ頑張ってみたものの会社を出られたのは、いつもと同じ…いや、ちょっと遅い時間。
特別な日だから外食にしようかと思っていたけれど、エネルギーを使い果たしてしまった。
相棒のピースケに乗って家路を急ぐ。

(美味しい匂いがするなぁ)
ただいまを言おうとした口が、美味しい匂いをキャッチした鼻に黙らされた。
「おかえり!今日は炊き込みご飯だよ!」
オットさんがご機嫌な笑顔で迎えてくれた。
一日の疲れが吹っ飛んで、一瞬で幸せに包まれるプレゼントが待っていた。

私の誕生日は今年も最高の一日だった。

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