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100年以上減配・無配なし!「キリンホールディングス」の投資タイミングは?

割引あり

『投資をもっと楽しく身近に』をコンセプトに、投資未経験の方にも参考になるような企業紹介をしていくコーナーです。

今回取り上げる銘柄は、証券コード【2503】キリンホールディングスです。
アサヒやサッポロと並ぶ、ビール大手企業。医薬品も手がけていたり、つい最近も化粧品・健康食品を販売する「ファンケル」を買収するなど、事業の多角化を図っています。

そんなキリンホールディングスの事業内容や現在の指標面、狙うとしたら何時か?、といった私個人の見解を交えながらお届けしてまいります。
投資判断の参考に、是非最後までお付き合いください。

それでは本題に参ります。


事業内容&業績

キリンの事業は大きく4つに分かれています。

  • 食領域…キリンといえばビールを思い浮かべる方も多いと思います。
    本麒麟や一番搾り、のどごし生といったビール&発泡酒に留まらず、氷結や麒麟特製レモンサワーといったチューハイなどの商品を展開しています。
    ※個人的には麒麟特製シリーズは、もう少し甘さが欲しいと感じています。(どうでもいい感想)
    そして飲料としては、キリンレモンやキリン生茶、コーヒーのファイアといった商品を展開しています。

出典:キリンホールディングス
  • 医領域…傘下の協和キリンが医薬品の製造・販売を行っています。

出典:キリンホールディングス
  • ヘルスサイエンス領域…プラズマ乳酸菌配合の「キリンiMUSE」や「免疫ケアヨーグルト」などを展開しています。

出典:キリンホールディングス


業績としては、2021年を除いて売り上げ&利益を伸ばしています。
2021年が不振だったのは、傘下のライオン社乳飲料事業の売却&ミャンマー事業において損失を出したことが、減益の要因になりました。

一応今期の業績予想は増収・増益となっています。
新商品である「晴れ風」は好調に売れていて、5月に出した第1四半期決算資料では、「初回出荷計画を大幅超過した」と発表しています。
そして、つい先日8月6日に発表された第2四半期決算では、各事業における売上収益の拡大や為替影響により、売上&利益共に前年同期比より大幅な増収&増益となっています。

出典:キリンホールディングス

ですが近年、国内のビール需要が頭打ちの状況になっています。
「ファンケル」を買収したのも、事業の多角化を図る狙いがあります。
一定の需要&売り上げを確保できるとはいえ、「成長性があるか?」という視点で見ると疑問符が残る企業になります。

海外展開にも力を入れているようですが、過去にキリンはブラジルの企業を約3,000億円で買収したのち、約600億円で売却してブラジル事業から撤退した過去があります。
企業買収と海外展開に不安材料がある為、私としては今後ちゃんとやっていくことができるのか、心配なところがあります。

出典:株探

”有利子負債倍率”(借金がどれだけあるかを示したもの)は、0.56倍
自己資本比率は約40%
財務的に少し懸念が残りますが、年々総資産&自己資本(繰越利益剰余金)を積み上げていますので、数年のスパンで資金繰りが悪くなるといった心配はしなくても良い水準であると判断できます。

出典:株探


株価&各指標面

株価は現在2,193円となっていて、コロナ前の2019年ごろから2,000〜2,500台で株価が動く、長期の停滞局面を迎えています。

出典:株探

令和版ブラックマンデーの煽りを漏れなく受けた銘柄でしたが、下げ幅は限定的で株価としてはすぐに回復しています。

出典:株探

PERは15.6倍、PBRは1.38倍となっていて、東証から是正勧告が出されているPBR1倍以上という基準をクリアしています。株価としては割安でも割高でもない適正な水準にあります。

配当利回りは3.24%。実は減配・無配だった時期がなく、1907年の創立以来、毎期欠かさず配当を継続して出してくれています。
2007年までは配当性向30%以上を目安としていましたが、2019年度より配当性向を40%以上に引き上げるなど、株主還元に手厚い企業です。

10年前に比べれば配当金も2倍になっていますので、今後にも期待が持てます。

出典:キリンホールディングス

株主優待

キリンホールディングスには株主優待制度があります。
ですが、2024年12月期から新たな株式優待制度に切り替わるため、新規で株を買い向かう方は注意が必要です。
具体的には、”1年以上保有していないと優待が貰えない”ということが大きいと思います。

出典:キリンホールディングス

具体的な優待内容は現段階(2024年9月時点)では確定していません。2025年3月頃に正式発表する予定となっています。

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