不良シニアと私の語り部屋 音の問題
不良シニアと定期ミーティングしました。前回までの記事はこちらです。
自分の人生、あと5年と決め、
高齢者でも、なにか、
世の中のためになることをやりたいと。
そう決めた不良シニアこと、
みっちゃん８０歳の住むマンションへ、
パソコン持っていきました。
わたしは彼女のあれこれをまとめるお手伝い。
おことわりしておきますが、
余命５年ということではございません。
好きなことを好きなようにできるのは５年、
と決めた方が、なにかと物事整理しやすいという、５年はあくまで便宜上、
彼女が決めた期限です。
じぶんを『不良シニア』と名付けたのも彼女。
実際は80才という実年齢を超えた健康体です。
ピンポンを鳴らすと、ハーイ！と、
今日も明るく高い陽気な声が聞こえます。
彼女がドアを開けてくれると、いつも、
何か音が鳴るものがかかっています。
「今フランス映画見ててん」とか
「今、シャンソンかけててん」とか言います。
その日は「雨の朝、パリに死す、見てんねん」
と映画のタイトル出てきました。
「へえ、すごいねえ。それ、古いやつやん、みっちゃん、かっこええねえ」
「そう？わたし、いっつもこういうのやねん。
パリの朝、雨にシス」
・・・なんか、ちゃう・・・でも、こんなことは、しょっちゅうなので、
わたしはいちいち突っ込まない。
「それ、誰が出てんの？」
言いながら奥の大きめなテレビを見ると、
古い映画で有名な女優が出ていたので、
わたしが
「あ、あれ、エリザベス・テーラー？」
すると、みっちゃん、
「ちゃうちゃう（ちがうちがう）」
「え？じゃあ、だれ？」
「だれやろな」
でも画面には、
エリザベステーラー出てるんです。
「みっちゃん、あれ（テレビをさして）、
そうなんちゃうの？」
「あ、ほんまやわ」
・・・今まで見てたんちゃうのかい・・・
半目のわたし。
・・・だったら、何を見てたのですか？
と言いたいとこではありますが、
それももう、追求しないことにしてます。
でも、こういうことを私がnoteに書くと、
みっちゃんは喜びます。
年寄りあつかいが嫌いなのに、
いじられると、実は嬉しい。
綾小路きみまろさんの一番のお得意さんになる体質です。
こうして、みっちゃんのマンションをワタシが訪れるようになって数十年経ちます。
彼女はいつも、どんな時でも、
私を受け入れてくれます。
突然の訪問でも、です。
その昔，私は好きな男性と、
早朝にケンカをしまして。
それも六本木のホテルの
エレベーターの中でケンカしまして。
爽やかな小鳥のさえずる清々しい朝を
一緒に迎えられたのに、
なんで、ケンカをすんねん！と、
じぶんでじぶんが嫌になり、
私は神奈川のアパートに帰ろうにも腹立たしくて感情が収まり切らずに、
都内に住むみっちゃんに
これから行くと電話をしたことがありました、朝の6時に。
それから、みっちゃんの家に着いた時には、
朝6 時半。
みっちゃん、その時は、ハーイではないです。
、、まだ朝やから、
周りには静かにせんといかんでしょう。
カチっと鍵の開く音がして、
マンションの鉄のドアが無言でスーっと開けられまして。
そのとき、みっちゃんにも彼がおりまして、
彼も一緒に無表情で起きておられまして。
間取りの関係上、彼も起きざるを得ない構図になっていまして。
お邪魔しま〜す、と小声で、
突撃朝ごはんみたいに、私が部屋の中に入りますと、彼氏さんも、
あ、おはようさん、と言ってくれはしたけれど、顔に魂入っていない、というか、
抜けている。
だいじょうぶですか？・・・と言ってから、
お前が聞くな、と内心、じぶんに突っ込む。
・・・みっちゃんは、そんなわたしの顔をじ〜っとみてから、ようやく、
あんたは、サカナ屋の姉ちゃんか、
と言いました。
サカナ屋？て、古くさ！みっちゃん、古くさ！さすがや！
朝早いんはサカナ屋、パン屋、牛乳配達の世代。三人でケタケタ笑って、ケンカのむしゃくしゃが飛びました。
先日みっちゃんにその話をしたところ、
サカナ屋の姉ちゃんのセリフを
みっちゃんは覚えていないのです！！！
もったいな！！！
そこが一番、いいとこなのに。
それで，その時のみっちゃんの、
彼氏の名前をわたしが言うと、
そんときは〇〇くんよ、と修正されました。
そうだっけ？
そう、何年から何年は〇〇くんやも。
わたしはみっちゃんとの付き合いが長いので、
彼氏を全部、知っとります。
それで、どういうわけか、彼氏さん同士も、
お互いの名前と存在は知っていたりする。
それは、みっちゃんの仕事や生き方によるところがあるのですが、
まあ、その辺りは、ここでは深掘りせず。
追々の記事にて、自然に浮き出てくることもあるでしょう。
わたしには、みっちゃんの彼氏の順番より、
サカナ屋の方が歴史に残ったヒットでした。
そして、今日のミーティングのはじまりです。
しかし、話しをはじめても、わたしの声がみっちゃんには、聞こえへん。
それは、耳が遠い、のとは違います。
テレビの音が大きいのです。
あ、、、耳が遠いのと、同じなのかな、、、
そして、みっちゃんから
「今，いっちゃん、気に入ってんねん」
という動画を見せられて。
みっちゃんの友人仲間は、明るいふざけた人たちが、そこそこおられます。
そのおひとりが作ったという動画を、
「皆、ひまやから、こんなこと、してんねん」
と見せられました。
どれどれ、とスマホをのぞいたら、
デカっ！！！ やっぱ、むっちゃ、
音がデカいわ！動画に気持ちがいく前に、
音の問題あります。
みっちゃん，コレ、道では見せんといてね。
電車の中もね。
最後に、みっちゃんのLINEに友人から送られてきたという歌の動画を添えておきます。YouTubeじゃないから、ダウンロードせんといかんらしく。
ご興味ある方、ダウンロード可能な方、そして高齢者のお知り合いがいらっしゃったら、よければ見てください。最後の終わりが、いいかげんです、さすがシニアです、そんなことは気にしません。それより、音デカイっすよ〜！びっくりしますから。ご注意くださいね。
それでは、お読み頂きありがとうございました。
いただいた、あなたのお気持ちは、さらなる活動へのエネルギーとして大切に活かしていくことをお約束いたします。もしもオススメいただけたら幸いです。