猫になりたいって思ってた
私が小学生の頃は近所に野良猫が沢山いてね、周りの大人たちも排除するわけでもなく、食べ物を分けたりして共存していたんですよね。
田舎で盆地だったから裏山や川もあったし、自然に囲まれていたから人も動物ものんびりしていたのかもですね。
そんな田舎で住んでいた家は、長屋のような、今で言うとテラスハウスのような建物が10棟ほど連なっている中の一軒でした。
当時は、九官鳥をペットとして飼ってる家が多くてね、テレビに出てくる九官鳥の名前がほとんど「九ちゃん」だったのがおかしかったわ。ご近所にも飼っているお宅があってね、玄関のすりガラスのドアの向こう側に、いつも黒い影が映っていて、ちょっと不気味だったなあ。
ある日、お隣さんが留守だったから、九官鳥のいる家に回覧板を持って行くことになって、ドキドキしながら玄関に入ったのを覚えてる。入ったとたんに、下駄箱の上の大きな鳥籠の中から「きゅうちゃん」って大きな声がしてホントびっくりしたなあ。この子も九ちゃんなのか~って、なんだか複雑な気持ちになったのも思い出した。
犬で人気だったのは、白くてサラサラの毛がふわふわしているスピッツという品種だったような気がする。やっぱりご近所でスピッツを飼ってるお宅があったんだけど、ずっとキャンキャン吠えていた。玄関前に人の気配がすると吠えていたんだと思うのよね。小学生の私は怖くて、その家の前を通らないように少し遠回りして帰っていたと思う。
そうそう遠回りして帰る時に自転車置き場の横を通るんだけど、ある日自転車置き場の奥の隅の方から、小さな猫の鳴き声がしたの。そおっと覗いてみたら、時々見かける野良猫が子猫をたくさん産んでいたの。生まれたばかりの子猫が5.6匹いて、ミャーミャー鳴いていた。
どうしていいかわからなくて、なんだかそわそわしながら家に帰って、母親に話したのを覚えてる。その日から毎日、元気にしてるかなあって自転車置き場に何度も何度も見に行っていたような気がする。
大人たちも追い払うわけでもなく見守っていたから、猫の親子は雨風がしのげていたんだと思う。子猫たちの目が見えるようになり、しっかりと歩けるようになると、どこかへ行ってしまったわ。
私は野良猫になりたかったわけではなくて、できれば飼い猫がいいに決まってる。猫の見た目や仕草も、もちろん可愛いから好きなんだけど、猫って食べて寝て、ゴロゴロしてまた寝て、時々散歩に行って帰ってきてまた寝るという、ただただのんびり暮らしてるように子どもの私の目には映っていたの。
宿題もしなくていいし、好きな時にお昼寝できるし、難しいことも考えなくていいし、平和だよね~って思っていたのよね。
大人になった今でも、次に生まれてくるときには、猫がいいなあって思ったりする。
ただし条件付き!
生活に余裕があって優しくて猫好きな人の飼い猫
なんて贅沢な願い
でも本当に私に猫が務まるかは疑問だわ
だって手帳を予定で埋めるのが大好きだから(笑)
今日はここまで!
読んで下さりありがとうございました。
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