生きる力のある人
取材してもらいながら話していたら、彼女はこう言った。
「つまり、なおちゃんは、生きる力のある人に魅力を感じているのだね!」
浅井さんの言葉に、すごくしっくり来た。
農家さんや生産者さんたちに、心惹かれるのはなぜだろう。
アウトドアで自然のことを知っている人に心惹かれるのはなぜだろう。
それは、
彼らが自ら自然を相手に、
己の力で立っているから。
しかも、大抵そういう人たちは、ないものは自分で作ってしまうのだ。
農家さんのところに訪ねて、いつもすごいと思うのは、
この鶏小屋は自分で建てた、とか、木は自分で切って開墾した、とか、
さらっと言ってのけるところ。
百姓と書いて百の生業をする者というが、その言葉の通りである。
かつ、人間食べないと生きてはいけない。その食べ物を生み出しているのだから、これはすごい仕事だ。
かっこいいなぁ。
私は都会生まれの都会育ちだから、より一層、魅力を感じてしまう。
自然と彼らのところに訪ねたくなるのは、自分の足りないそういうところを、学びたいという一種の本能のようなものなのだと思う。
豊かさについて、何が豊かだと思いますか?
物が沢山あること?お金が沢山あること?
では都市の機能が全て止まった時、あなたはどうしますか?
都市生活をしていることに安心してはいないだろうか。
買わないと物が手に入らないという、この不安定な足元の上に、生きているのだ。
今は春。野山を歩けば野草があちらこちらに生えている。
山梨で摘み草をしている つちころびの舞子ちゃんに、
これもあれも食べられるよ、農家泣かせのギシギシも、芽はほろ苦くて美味しいんだよ、など野草を教えてもらった去年。
そのほやほやの知識の元、アルプスに囲まれた畑の周りを歩く私。
「やっぱり自然があるところはいいね、畑もあるし野草も生えているし、食べ物が地面に落ちてるんだもの!」
そう言って驚いていたら、彼は言った。
「それは完全に都会の人の感覚だな」
長野のmomoGファームの中山さんだ。
ハッとした。私はやっぱり都会育ちだった。
本来ならば、それは驚きではなく、それが自然なのだ。
一体いつから私たちはこんなにも、自然から離れてしまったのだろう。
そのお金が、意味をなさなくなった時、
あなたに一番必要なものは何ですか?
だから私は、畑に行く。
地面に足を着けたいのだ。
(なぜカッパかという話はまた今度 笑)
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