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otspace0715
新しき夜空に
そこにはコミュニケーションしかなかった
ぼやけた動画もその一部だった
カタカタカタと鍵を鳴らして
ガリガリガリと箱を鳴らして
いつでも世界に繋がっていく
輝く危ない私たちの巣
疲れ果てた故たどり着きゆく
脆く暖かい私たちの巣
狭い場所から夜空を見上げた
私は世界がわからなかった
カタカタカタと鍵を鳴らして
びゅんびゅん言葉を投げ合い続けた
私は狭い夜空の中から
いっそ飛び出せればいいのにと言った
すると数多の言葉が殴った
見ようとしなけりゃ見えないものだと
そうした数多はこうも続けた
無からは何も救えないのだと
一層明るい夜なのだろうか
私は確かめなければならない
最後の草むらを踏みしめ進んだ
瞼を閉じると熱くこぼれた
泣き叫ぶように走り抜けながら
星々のような数多を想った
あれから私は飛び出したまま
小箱を片手にここに日々暮らす
夜空はあの日と少し変わった
ただただ楽しい音が鳴る
仕事で車を転がすどころか
ついには電車も要らなくなった
あの巣はとっくに消えてしまった
それでも星々の繋がりは消えない
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