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出直し金読本

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「はじめての金読本」のコンテンツを見直し、金(ゴールド)の基本や付き合い方をおさらいします。専門的な用語は使いません。マーケットの動きについても必要な場合を除いて触れません。そも…
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#仮想通貨

出直し金読本006 金に利息はつかない

出直し金読本006 金に利息はつかない

 世の中には利子とか利息と呼ばれるものがあります。利子あるいは利息は、元金が産み出す子供のようなもので、こういうものが存在しているということは、「未来は現在よりも価値がある」あるいは「未来は現在よりも進化あるいは発展している」と、人類が考えてきた証しと云っても良さそうです。 云い方を変えます。「時には富をもたらすチカラがある」という信仰があるからこそ、利子や利息が生まれたはずです。もしも「時には富

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出直し金読本005 価値の源泉は希少性

出直し金読本005 価値の源泉は希少性

 人類がゴールド(金)と出会い、そこにまず太陽の輝きを見出し、あるいは魔除けのようなものとして、あるいは身を美しく飾り立てる装飾品として利用するようになって、すでに7000年以上の時が流れています。シルバー(銀)も同様で、両者とも、まずは身につけるものとして価値を見出され、やがて通貨としての価値が認められ、長く用いられて来ました。 これほど長く人類に愛されてきた貴金属ですから、これまでに採掘されて

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出直し金読本004 国籍をもたない通貨

出直し金読本004 国籍をもたない通貨

 日本に住む私たちが普段使っているお金は、云うまでもなく日本円です。ここがアメリカなら米ドル、ユーロ圏ならユーロ、ロシアならルーブル、中国なら人民元が日常的に使われています。その歴史はまだ浅いとはいうものの、それぞれ中央銀行なるものが介在し、国あるいは地域という枠内で統一通貨が発行され、市民がそれを受け入れることで市中流通しているわけです。 では、私たちが普段使っている言葉はどうかと云えば。お金の

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出直し金読本003 歴史の重み

出直し金読本003 歴史の重み

 貨幣史をひもとくと、人類が最初にお金として用いたものは、牛であったり子安貝(宝貝)であったりしたらしいことが分かります。塩とか麦などもお金として用いられたはずです。これらの「原始マネー」は、もちろん地域や共同体によって異なるものの、おそらくは「希少なもの」「貴重なもの」、そして「豊穣を約束するもの」という点で共通していたのではないかと思われます。 紀元前5000年紀から装飾品として用いられてきた

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出直し金読本002 金は太陽だった

出直し金読本002 金は太陽だった

 考古学の発掘調査によれば、これまでに発掘された世界最古の金装飾品は、通説となっている古代エジプト文明よりも遥か昔、紀元前5000年紀に黒海東岸(現在のブルガリア共和国)辺りで栄えたとされる古代トラキア文明の「ヴァルナ集団墓地遺跡」から出土したものです。そのヴァルナ近郊からは塩の生産設備も発掘されていることから、古代トラキアの金装飾品は、塩の交易で得た富によってもたらされたものだったのかも知れませ

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