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体育の先生が辞めちゃう!

こんにちは!さて、2023年の年明けから突っ走ってきましたが、ついに年明け最初のバケーション(voorjaarsvakantie)がやってきます〜!(拍手)
この2月のバケーションはオランダ国内でも2つのパターンに分かれています。今回は、南部の地域が1週間先に始まり(つまり今日はもうバケーション中)、中部と北部は来週からということになっています。

オランダの長期休暇はこのようにして地域で1週間ずつずらしてあることが多く、これは国内の混雑を緩和するための策だそうです。


体育の先生が辞めてしまいます

さて、今日のタイトル「体育の先生が辞めちゃう!」ということなのですが、バケーション明けから娘の体育の先生が変わります。

娘が4歳で小学校に通い出した頃からお世話になっていた男性の先生は(恐らくそれよりももっと前からこの学校に勤務されていたと思いますが)、フルタイムで勤務され、全ての学年の子どもたちを教えるという頼もしい先生でした。そんな子どもたちからも人気だった先生が学校を去ることになったのです。

オランダでは「自分の働きたい学校」を選べる

どうやら先生は、次の「働きたい学校」を見つけたようで、そこへ自分の意思で移られるようです。

オランダでは公立の教員であっても、日本のように自治体一括採用で異動先を(勝手に)決められるということがありません。教員免許を保持し、教職の道で働けるかどうかの判断は、教職大学を卒業する際の試験に合格しているかどうかで決まります。

よって、教職大学を卒業していればオランダ中どこの学校でも働く資格を保持しているということになります。そして、その先に「自分の働きたい学校」があり、その学校の面接なり面談なりを受けて、働く学校を決めていくのです。

よって、今回の体育の先生のように「もう次のステップへ」と思えばその学校を去るのも当人の自由です。

教職員が去らない学校をつくるには…?

世界各国と同様に深刻な教員不足を抱えるオランダ。前述した通り「自分の働きたい場所を選べる」ということは、教職員たちに「働く場所を選ぶ自由」があるということです。

それはつまり、勤務先の学校が居心地の良い場所でなければ、どんどん教職員が去っていくということ。だからこそ、オランダの学校では「教職員のwell-being」を第一に考えられる管理職が必要になります。「先生が幸せだと、それが子どもたちに良い影響をもたらす」これを「マネジメント」の一部として捉えて、みんなにとって居心地の良い学校を実現できる、スクールリーダーが必要になるのです。

そういった意味では、日本の公立学校の人事の仕組みは、教職員の「こういう学校で働きたい」を必ずしも叶えてくれません。一般企業であれば「辞める」という選択肢があり、同様にオランダの(公教育の)教職員にもそれがある訳ですが、日本の(公教育の)教職員にとって「今の職場を辞めたい」と言うことは、自治体によっては「公務員を辞める」ということになるのです。

だとすれば、やはり日本でも管理職として働く人々が「チームマネジメント」をどのように捉えているかが重要になってきます。

「公務員辞められないから」という理由だけで、選択肢を与えられないという理由だけで、その学校に勤務している先生たちが働いていることは「教職員のwell-beingが保たれている」と言えるのか。という問題が見えてきます。

「体育の先生を探しています!」と学校がSNSで発信

ということで、そのような状況では「次の体育教員」を探すことは学校、主に校長の務めになります。オランダの学校にはSNSアカウントを活用している学校も多く、LinkedInやinstagram、Facebookを通して「こんな先生を探しています、一緒に働きませんか?」という投稿をしている学校を多く見ます。

娘の小学校でも一時期、「体育の先生を探しています!」という投稿がSNSを通じてなされていました。その後、その投稿が現れないのを見ると、後任が見つかったということなのでしょう。

こうやって、オランダの学校は時に一般企業と同様に、主体的に採用を行わなければなりません。それはつまり、学校としてSNSを活用することなどに消極的であることは、結局自分たちを困らせることにつながるので、SNSの活用を含め、社会の動きに対して敏感にならざるを得ません。

教員不足でも、新しい門出を祝う

深刻な教員不足の中でも、体育の先生は専門が異なるため、とりわけ人が足りていないと聞きます。そんな中、彼のような先生を失うことは、学校としてもとても大きな損失です。

しかし、学校の雰囲気を見ていると、彼の新しい門出を祝おうじゃないか!という感じ。学校からアプリ経由で送られてきたのは、「彼の最終勤務日の日に体育館を開け払うので、お別れを言いに来てくださいね」というものでした。

もちろんお世話になった娘のクラスの保護者の間でも「全員からプレゼントを贈りましょう!」という話になっています。クラス代表の保護者がとても素敵なプレゼントを用意してくれて、その写真をWhatsAppに送ってくれていました。主体性に溢れていて、とてもあたたかいなと思います。

…ということで、バケーション明けの体育の先生はどんな人なのか?!娘も私たちもワクワクしながらその日を迎えることになりそうです!

お世話になった先生、どうか新しい学校でも子どもたちにとって「体を動かすこと」の楽しさをたくさん伝えてください!少なくとも、娘は先生のおかげで「体育大好き!」の学校生活を送らせてもらいました。本当にありがとうございました!


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