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"子どもを感情的にしない子育て"と"学校教育"のコンビネーション

こんにちは!今日は久しぶりの雨です。毎週水曜日は娘の習い事の日。
隣のカフェでコーヒーを飲みながら待つのがルーティンとなりました。私がいつも利用しているカフェでは、この時間帯にいつもお年寄りの方たちがカードゲームをしています。

高らかな笑い声が聞こえてきて、何だか楽しそうです。お年寄りが元気な社会って素敵だな!と、いつも思います。

カフェの一角でカードゲームを楽しむ皆さん

感情をコントロールする脳の場所は「前頭葉」

さて、今日は「子どもが感情的になった時の対処法」について書きたいと思います。私たちが感情をコントロールする脳の一部は「前頭葉」と呼ばれ、ここがどのように発達するかによって、自分の感情を比較的うまく制御できるかどうかが問われるそうです。

子どもの脳は身体の発育と同様、この前頭葉を育てる段階にあります。脳が成長するために必要なことの1つに、睡眠時間が挙げられるため、うちでは「しっかり寝ること」を意識して子育てをしています。オランダに移住して周囲の保護者と話をした時に「うちは19時にはベッドに行くよ〜」「すごく遅くても21時までには子どもは寝ているね!」という声を聞いて、就寝時間が思ったよりも早いことに驚いたことを覚えています(もちろんそうじゃない家庭も存在しますが)。

ちなみに、日本の子どもたちの睡眠時間は世界で最も短いというデータもあるようです。

オランダはワークライフバランスでも世界1位を記録したこともあり、ワークシェアリングなどが発達していますが、周囲の保護者と話をしても、やはり「夕食は一緒に食べる」ということを徹底している家庭が多い印象です。そういった意味でも、子どもたちが早い時間に眠れるというのはつまり、保護者の働き方に大きく依存してくるのではないかと思う部分もあります。

アメリカの教室で見た「落ち着くための場所」と、子育てにおける「タイムアウト」

さて、これまでアメリカ、オーストラリア、オランダ、フィンランド…とさまざまな国の教室を訪れ、そこにいる先生たちと話しをしてきました。

私が初めて"海外の学校"を訪れたのはアメリカ(アイオワ)の大学に長期留学していた時でしたが、その後、子どもが産まれてから再度訪問した時、友人の1人が小学校の先生をしているということで校内をを見学させてもらいました。

その時、彼女が担任する教室の角に机と椅子がありました。その席は外が見えるように設置してあり、机の上には「スノードーム」のようなものが置いてありました。

「このコーナーは何?このおもちゃは何のためにあるの?」と私が聞くと、友人は「ここは、calm down cornerよ。落ち着いて話ができないほど興奮した時にここへ来て座って(もらって)、このおもちゃをじっと見つめるように促すの」と言いました。

「何のために?」
「落ち着かないと冷静な話はできないから。自分の力で落ち着いてもらうためにちょっとこれの助けを借りるという感じ」
「なるほど!」

アメリカに住む別の友人は、子どもが感情的になった時の対処法として「タイムアウト」という方法を教えてくれたことがありました。この方法が良い悪いは別として、アメリカで子育てをされている方の記事があったのでここでシェアしておきます。

私自身は自分の子どもに対してこの「タイムアウト」を行ったことはないのですが「子ども(と保護者)が落ち着く方法」としてはアメリカや北米?ではよく知られている方法のようです。

感情的な大人は冷たい目で見られる傾向あり

この国では大人がお店で感情的になったり、公共の場で声を荒げていると、周囲の人たちは「あちゃ〜」という感じで離れていくことが多いように思います(これはもちろん「そういった人が全くいない」ということではありません)。

それはつまり、社会の中で「感情のコントロールができないこと」は恥ずかしいことだと捉えられている雰囲気をひしひしと感じるということ。「大人にもなって、(怒りの)コントロールもできないんかい?」という感じです。

マーケットなどに行くと、怒りをコントロールできていない人の様子を見て「なんてこった!笑」と、笑っている人なんかも結構います。

子どもらしく ≠ 感情的であって良い

「子どもは子どもらしく」
オランダの教育は、子どもが子どもでいられる時間にきちんとその価値を享受できることを大切にしているように見えます。ただ、この「子どもが子どもでいられること」というのは「感情的であって良い」ということではない。というのが私が周囲の保護者や学校の先生たちと話をして感じてきたことです。一方で、私たち日本人はこれを混ぜて考える傾向があるように見えます。

もちろん子どもははしゃぎます、飛び跳ねます、喧嘩します、叫びます。しかし、この国においてその全てが「子どもらしくていい」という一言で片付けられるとは思えません。見えていないだけで…というかこちらが見ないようにしているだけで、ある程度大きくなった子どもが感情的になっている様子を見て「なんてことだ」というような顔をしている人も時に見かけます。

オランダで暮らす保護者の様子を見たり、話をしてみたり、学校の先生と話をしてみると「感情的であること」と「子どもらしいくいること」の間には違いがあるように見えます。

つまり「何でもかんでもあり」ではないということ。
感情的であることをそのまま認めることよりも、自分の感情と上手く付き合う方法を教える方が子どもたちにとっては価値のあることなのかもしれません。では、その方法をどうやって伝えていくのでしょう?

子どもが感情コントロールをできるために必要な大人の対応

アメリカの教室にもあったスノードームや、タイムアウト、そして、オランダの保護者や学校が感情的になった子どもにどのように対処しているかを見ると、「とにかく冷静に対応」しているように見えます。

例えば、自分の子どもが何か思い通りにならなくて怒りの感情を持って、興奮状態でこちらに訴えかけてきたとします。そうすると、"あえて"とてもゆっくりな口調で話しかけたり、「まずは落ち着こうか」と、落ち着いた口調で話しかける保護者や先生が多いです。

喧嘩をしている子どもたちを見つけた時や、泣いている子どもを見つけた時も同様で、子どもの感情状態に大人が振り回されず、"あえて"落ち着いた様子で近づいていくのです。

子どもたちが興奮している時は「落ち着かないと話はできないよ。まずは落ち着こうか」と話しかける保護者や先生も多く、「冷静な状態じゃなければ議論はできない」と子どもが言われる様子を何度も見てきました。

感情に感情をかぶせて子育てをしていないか?

一方で、そうではない子育てはどうでしょうか?子どもたちが喧嘩していたら?何かを強く主張してきたら?どこか「同じ感情のレベル」で対応していないでしょうか?

「うるさーい!」と声を荒げたり、「良い加減にしなさい!」と叫んでいる状態こそ、まさしく「感情的」です。それはつまり、子どもたちに対して「感情的な大人の例」を見せているということになります。

オランダやフィンランドの教室では、声を荒げて指示をする教師にほとんど出会いません。教室が騒がしくなってくるとあえて黙り、自分たちで自分たちを落ち着かせるような雰囲気を"わざと"教師が作り出すのです。

大人が感情的になればなるほど、それを見た子どもたちが自然と感情的になる癖を身につけてしまうことを知っているように見えます。

感情をコントロールできる子どもを育てる

オランダに暮らし始めてから、私たちは子どもに感情的になる回数が以前にも増してめっきり減りました(もちろんゼロになった訳ではありません)。それはつまり、自分たちが感情的になることは、子どもの感情コントロールを阻むということを周囲から学ぶ機会を得てきたのだと思います。

子どもが上手に自分の感情と付き合うようになるためには、周囲の大人が感情的にならずともその感情を処理する様子を見せることが一番なのかもしれません。だとすれば、自分たち自身がそれを練習し、子どもがその場面に出くわした時も適切な対処法をとることが求められます。

「興奮した状態では、冷静な議論はできないよ、話も聞けないよ。落ち着こうか」

友人が、先生たちが教えてくれた子育ての教訓を大切にしていきたい次第です。

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