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ウェーディングの安全マージンを考える

私はウェーディング(川や湖に入って釣りをするスタイル)で釣りをするのが好きだ。自然と一体になれる感じがあるし、狙えるポイントもウェーディングしない場合より倍以上増えるのも魅力だ。

一方で川や湖に入って釣りをする以上、危険も伴う。先日、よく行く清流で
こんなことがあった。

「なかなか釣れないなー」
背後の藪でガサガサッと音がして、まさかイノシシ?!と思いきやアングラーNさん(以下Nさん)がピョコっと顔を出す。
「!?」
「こんにちはー」
Nさん「・・・」
「どうかされました?」
Nさん「流されました(憔悴しきった顔)」
「えッ!?」
Nさん「上流から100mくらい流されて、対岸から川を渡ってきたらなんとかここに辿り着きました…」

Nさんは対岸に渡ろうと浅瀬を横切る形で入水したところ、足を取られて流された。シーバス用のフローティングベストを着用していたので、流されても水を飲まずに済んだらしい。Nさんは幸い助かったが、死を体感した人の顔つきで憔悴しきっていた。

この川はスモールマウスバスの聖地で、休日ともなればどこのポイントも管釣り並みに人で溢れる。水質もキレイだったり浅瀬のエリアも多いので、ウェーディングで釣りする人も多い。特に雨で増水した後はランカーサイズが爆釣する時もあり、その時を狙って釣りする人も多いのだ。ただ、見た目以上に流れが早く、流心でウェーディングなんてするとあっという間に足を取られて流される。この川でバス釣りの水難事故はあまり聞かないが、鮎釣りや水遊びしていた人が流されたというニュースは頻繁に耳にする。

流れのある川でウェーディングする時は基本的に膝までしか入らないようにしているが、実際はどのあたりまでが安全なのか参考文献を参照しながらChat GPTも活用し考えてみる。
※湖はウェーディングの考え方が少し異なるので、ここでは割愛します。

膝丈までが安全に楽しめる水深

まずはこちらの動画を見ていきたい。

はじめは膝丈くらいの場所でウェーディングしていて気づけば流心の方へ…
流れの速さや深場に気づいて戻ろうとした時には既に手遅れで、ウェーダーは浸水し、流れも早いので戻れないというアングラーあるあるではないだろうか。幸いこのアングラーさんは自力で泳ぎ切って岸にたどり着いたけど、ウェーディングの危険性がわかる動画だ。

この動画にアウトドアのガイドの方から貴重なコメントがあった。
一旦、ママ掲載させていただく。

危なかったですね。

私はアウトドアのガイドやインストラクターをやっている者ですが、川でのウェーディング時には明確な基準をもって釣りをしています。
水流にもよりますが、膝丈までが安全に楽しめる水深。膝上から股辺りは危険を伴う水深に分けています。 川の中で身体にかかるエネルギーは面積に対して水流の二乗となりますので、水深が倍になれば身体に加わるエネルギーは4倍になります。

実際は膝上からの投影面積は2倍以上なので、もっと加わるエネルギーは大きくなります。 さらに、身体が川の流れに抵抗する手段は体重による川底との摩擦力になりますが、川に入れば入る程、体重による摩擦力が減少しますので、私は以上のような自分なりの基準値と川のコンディションによって安全マージンをもって釣りをするようにしています。

あとはライフジャケット(以下ライジャケ)についてですが、大体の製品は浮力7~7.5kgの設定になっていますが、これはあくまで頭を水面に出せるだけの浮力値なので、場所や条件によっては正常に機能しない事があります。 どのような条件なのかと言うと、川の滝壺や落ち込みで白泡がたっている場所は空気を多く含んでいるので浮力が少なくなります。

そのような場所でのライジャケは浮力10~12kgのものでないと正常に機能しませんので注意が必要です。 川での危険因子はまだまだ沢山ありますが、だからと言って行くなと言うわけではなく、上手に付き合うことが大切ですね。

最後にもう一つ。 冬の寒い場所での水難では15分以内での脱出~身体の保温を考えておいてください。水に濡れた状態では、そうではないときに比べて20~30倍 もの速さで体温を奪われてしまうので、低体温症によって危険な状態に陥りやすいです。

寒くて身体が震えるのは、既に身体が下がった体温を取り戻そうとしている状態ですが、そのまま放っておくと身体中の筋肉がどんどん動かなくなっていき、呼吸困難や意識不明の状態になり命を落としてしまいます。

脅しているわけではないのですが、私もルアーフィッシング37年のキャリアの中で色々やらかしてきているので、現在の自分はそういった職種に就き、多くの人に自然との向き合い方についてお節介を焼いているのです。 危険は想定できて準備が出来ていれば大抵は避けられるものです。 長々とすみませんでした。 それではお互いに良いフィッシングライフを。

めちゃくちゃ参考になる。
Chat GPTで要約するとこんな感じだ。

このメッセージは、アウトドアのガイドやインストラクターをしている著者が川でのウェーディング時の安全基準と注意点について述べています。以下が要点です。

1. 水深の基準
- 安全な水深:膝丈まで。
- 危険な水深:膝上から股の辺り。
- 水深が倍になると身体にかかるエネルギーは4倍以上になる。

2. ライフジャケット(ライジャケ)
- 一般的な浮力は7~7.5kgだが、白泡が立つ場所では浮力が減少するため、10~12kgのものが必要。

3. 低体温症のリスク
- 寒冷地での水難では15分以内に脱出し、身体を保温する必要がある。
- 水に濡れた状態では体温が20~30倍の速さで奪われるため、迅速な対応が重要。

4. 安全の重要性
- 危険を認識し準備することで、多くのリスクは回避可能。
- 自然と上手に付き合うことが大切。

著者は、自身の経験をもとに安全に関する知識を共有し、皆が良いフィッシングライフを送ることを願っています。

水深が倍になると身体にかかるエネルギーは4倍以上になる


これは常に頭に入れておく必要があると思う。川に入ってみるとわかるけど、見た目以上に水圧は体に重くのしかかる。地元の利根川も一見するとゆったり流れているように見えるけど、深場に行くほど押しが強く、立っていられないほどだ。見た目で判断しないことが肝心だ。

以上のことを踏まえネットの参考文献も参照しながら、Chat GPTでウェーディングの安全マージンについてまとめてみる。

1. 水深の基準
-膝丈まで
- 安全とされる水深で、初心者でも比較的リスクが低く楽しむことができます。
- この深さならば、流れによる力も比較的弱く、安定して立っていられます。
-膝上から股のあたり
- この範囲に入ると、流れの力が急激に強くなり、流されるリスクが高まります。
- 水深が倍になると流れの力は4倍に増加し、さらに体の投影面積が増えることで抵抗も大きくなります。

2. 水流の速度
-遅い流れ
- 浅い水深でも安全に活動できますが、急な増水や流れの変化には注意が必要です。
-速い流れ
- 浅い水深でも危険が伴います。流速が速いと、転倒や流されるリスクが高まります。
- 速い流れでは、より浅い場所で活動し、深い場所に踏み込まないようにしましょう。

3. 川底の状態
-安定した川底
- 大きな石やしっかりした砂利などであれば、滑りにくく安全です。
-不安定な川底
- 泥や藻で覆われた岩、滑りやすい小石などは転倒のリスクが高いです。
- 川底をよく確認し、安全な足場を選んで進むようにします。

4. ライフジャケット(ライジャケ)の使用
-標準的な浮力: 7~7.5kg
- 頭を水面に出すための最低限の浮力です。
-強化浮力: 10~12kg
- 滝壺や白泡の多い場所など、浮力が減少する場所ではこのくらいの浮力が必要です。

5. 環境条件の確認
-天候
- 急な雨や雷は危険です。天気予報を確認し、悪天候が予想される場合は中止します。
-水温
- 水温が低いと低体温症のリスクが高まります。特に寒冷地では防寒対策が重要です。
-川の状況
- 増水や濁流、流木などの障害物がある場合は非常に危険です。事前に川の状況を調査し、安全を確認します。

6. 同行者と連絡手段
-同行者
- 単独での活動は避け、必ず複数人で行動します。互いに助け合える体制を整えます。
-連絡手段
- 携帯電話や無線機を持参し、緊急時に連絡が取れるようにします。特に携帯電話は防水ケースに入れておくと安心です。

7. 経験と準備
-経験の有無
- 初心者は無理をせず、経験者やプロのガイドに同行してもらうことが安全です。
-装備の準備
- 防水ウェア、防水バッグ、ロープなどの必要な装備を揃えます。装備の点検も怠らないようにしましょう。

8. 低体温症のリスクと対策
-脱出と保温
- 冬場や寒冷地での水難事故では、15分以内に水から出て、身体を温めることが重要です。
- 予備の衣服や保温用具(ブランケットなど)を持参し、すぐに体温を保持できる準備をします。
-低体温症の兆候
- 震え、言語障害、判断力の低下などが見られたらすぐに保温対策を行い、医療機関に連絡します。

これらの詳細なポイントを守り、慎重に行動することで、ウェーディングを安全に楽しむことができます。

大枠はこのまとめを守れば大丈夫そうだけど、ここに自分の経験をプラスすると、

・水が濁っていて地形がどうなっているか把握できない時は、ウェーディング自体しない。

・仮に地形が把握できないエリアをウェーディングする時は、ウェーディングスタッフなどを使い、必ず地形を把握して進む。

シーバスやってる人は濁ったエリアをガンガン進んで行く人もいるが、おすすめしない。特に本流は台風19号の爪痕がいたるところに残っており、足元は水深30cmほどでも一歩先はブレイクになっていて水深1m以上なんてことはよくある。この動画を見てほしい。一寸先は闇だ。

余談

これから6月を過ぎると地元茨城の清流で一斉に鮎釣りが解禁になり、多くのアングラーで賑わいを見せる。一方で毎年と言っていいほど水難事故が起こる。鮎釣りは基本的にウェーディングで釣りをするスタイルだろうけど、そんな危険なポイントでウェーディングするものなのか…?
YouTubeで動画を見ていたら、目を疑う動画を発見した。

はっきり言って危険極まりない。見ていて怖くなった。
日本屈指の清流、九頭竜川の早瀬で胸まで浸かってウェーディングするとは…
ちょっとでも体勢崩せば流されるだろうし、釣りのスタイルがパンキッシュすぎる。かっこよくもなんともないし。動画の中でウェットスーツの安全性に触れているけど、この流速でウェットスーツなんて意味をなさないだろう。鮎釣りのスタイルの1つ?として紹介しているみたいだけど、危険性しか感じない。真似をする人はいないだろうけど、大手メーカーがこの動画を上げる意図が全く理解できなかった。
命あっての釣りなので、安全第一で行きたい。

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