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「マンガ家失敗物語」〜サイコパスでストーカーと霊能力者と障碍者が出て来る物語(仮題)〜③


第3話「サイコパスでストーカー」

名簿を最後まで電話をかければ
別に霊能力や超能力じゃなくてもきっと見つかったろうに思う。
本気でスピリチュアルサイキックソルジャーだとは思っていない。
CoCo壱番屋のカレーでいうとこの2辛くらいで
本格的な辛さに突入する5辛とかではない。

この喜びを
妻の仙道に真っ先に伝えた
「鹿児島の前屋姓に電話して、、、とうとう見つけたよ前屋さん!」

「すごい、、、その執念」妻が振り向いて言う

スピリチュアルな加護があったのだけど
僕のシリアルキラーを追い詰めるような捜査能力を褒めてもらおうと
こう言った。
「僕から逃れることはできないよ。ますみさん。」
コナンくんのように指差し、ウィンク。

「怖い!!ストーカー!!!」

妻は叫んだ。


「でも、、、会ってくれるかなー前屋さん、今まで全部の人と交流を絶ったくらいでしょ?」
そこが問題。

例え会ってくれるとしても、日にちが合わなければ
お仕事をしてるかもしれないし、病院かもしれない。
必ず、ターゲットを固定しておく必要があった。

そこで


講談社のUさんにご相談した。
ガンプラ飲み会の常連でご近所さん。
たまに観劇やゴルフ、呑みに付き合ってもらう。

「で?ご相談とは?」

近所のお酒の美味しい居酒屋バーで
前屋さんの説明をする。

読者の皆さんにも前屋雄一郎の事を3話目でようやく知ってもらいましょう。


前屋雄一郎

雄一郎という名は
三浦雄一郎がエベレスト登頂したことから親が名付けた。
21歳でサンデーでデビュー
西森博之のアシとして「勝手に上京する」
23歳で月マガで再デビュー(紅林と会うのはこの辺)

チャットGPTのような説明

この時点でおかしな事ありますよね?「勝手に上京」
編集者が東京来たら部屋探してやるよーみたいな軽口を言ったために
鵜呑みにして本当に上京

担当編集者が「勝手に来ちゃってさ、あとは西森くんよろしく」
西森博之「えー???俺が預かるの?」
西森「前屋くん、、、パースって知ってる?消失点とか」
前屋「何すか?それ」
全くのど素人で上京、半年西森博之氏の自宅に居候。

のち紅林と出会い
紅林の友人、馬場康誌と3人でよく飲むように。
当時、僕の3つ下で20歳で連載をとった馬場康誌がエース

僕は21歳でヤングサンデーで集中連載3回
23歳で初めての連載月刊2本
24歳で単行本が出た。

前屋さんは4年に一回読み切りが載る感じでいい感じで燻っていた。
オリンピック。

いいぞ!タイトル回収になってきた
マンガ家失敗物語。

それでも売れない漫画家なりにチャンスはあり
26歳の時、武◯尊の原作がくる。
28歳の時に初めての連載が月マガで開始

当時3人で旅行に行ったりして
その湯河原の旅を僕がWEBに書いたところ
うちの奥さんがバカ受けしてメールを寄越したのだった。

今回の記事のようなやつだ。

さて時は2001大晦日
沼袋神社
新年のお詣りに行くために階段の前のところで並んでいる
馬場康誌と僕。

「おーい!くれ!待たせた」
前屋さんと後ろににいるのは
西森博之初代チーフアシのMさん。
M「くれ!久しぶりさっきまで弟と呑んでたんだよみんなで」
前屋「Mは双子なんだぜ!おんなじ顔が二つあった!で彼女につまみ作ってもらいながら紅白見てたわー」

M氏の横に小さな可愛い女性
噂に聞いていた漫画家の彼女はのちに国民的な作品を世に放つ。
まだ許可がないので想像で補完してください。
桜の国とかなんとか、この世の片隅になんとかかんとかの大作家になる。

前屋「真面目でさーうーん、うーんっていながら漫画書いてんだよ」
お前もそうしろ。

僕が「ピッピらとかなんとかの漫画読みました。ジブリみたいに可愛い絵柄ですね。」
のちの国民的漫画家「ありがとうございます。」

馬場康誌、紅林直、前屋雄一郎、Mさん、Mさんの彼女
売れていると言っていいのは馬場康誌だけだった、
僕がヒットするのは2005年。Mさんの彼女も2004年にブレイクする。


講談社U「朝ドラじゃないですか!!」

仙道と顔を見合わせて

「朝ドラです!!!」

で、、、ぜひ嘘はつかないで前屋雄一郎を誘い出したいんです。
でゴニョゴニョ、ゴニョゴニョ

U「講談社の法務や上司と相談してみます」
紅林/仙道「ありがとうございますう!!!!」



「と言うわけで、、、前屋さんの元担当者さんも協力してくれることになった。ありがたい話だ。」

鷹巣「あとは僕達が鹿児島に行くだけですね。」
紅林「そうなんだけど、打ち合わせに呼び出す場所がないんだよね、、、、鹿児島のI市駅周辺に、、、
電話して指定しなきゃいけないんだけど俺の声だと前屋さんにバレちゃうかな?」
鷹巣「バレますね特徴あるから。僕がやります。声変えられるから。」

紅林「声、、変えられる、、、」

確かに、、鷹巣君とカラオケ行くと声変えて歌ってる。
松山千春の歌のあと
あややの歌をそっくりに歌っていた。

「よろしく頼むよ」

数時間後「成功です。」のメール

その動画をとるように言ってたので
鷹巣くんの奥さんが撮った動画も送られてきた

その動画

おかしな茨城弁の人が東京から鹿児島に行くという
不自然極まりないストーリーだった。

講談社や他の人に迷惑かけてはいけないので
うそはついちゃ駄目という縛りだったので
僕の会社名をF S(簡略的にしてるだけ)
鷹巣を濁して
高田に聞こえるような「たかずあ」にしようと
小学生の考えたような作戦をした結果

鷹巣君が選んだのは茨城弁だったのだ。

これ大丈夫か?と思った瞬間

「え?わざわざきてくれるんですか?」
「その日は休みを取ります。はいよろしくお願いします。」

この声は
13年ぶりに聞く
兄弟子 前屋雄一郎の声が動画に残されていた。

電話が終わると
カメラ目線で死んだような目の鷹巣先生の
「やってやった」と言う口元だけニヤリとするドヤ顔が映されていた。

ストーカー呼ばわりされた僕が前屋さんを見つけ出し

リアルサイコパスの力で前屋さんを仕留めた!

白バイ野郎ジョン&パンチ
トミーとマツ
僕がCoCo壱番屋の2辛ストーカーなら
鷹巣君は蒙古タンメン中元の北極5辛くらいの本格派臭がするサイコパス

後は鹿児島に行って確保するだけだ
ホテルと航空チケットの手配は済ませた。

車で羽田に向かう途中
森口博子さんの「水の星に愛をこめて」が流れた
アイフォンに入っているからだ。

もう泣かないで
今あなたを探している人がいる
おまえに会いたいよと

愛は多分
誰かのためにそっと捧げられた遠い祈りなのね。

羽田空港に向かう二人

次回
「障害者」

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