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5年後、保険屋は食えるのか >202X年の保険チャネルはショップ?訪問?WEB?

202X年6月11日5:00。今日もすごく暑くなりそうだ。今日の夜には梅雨入りが発表されるようで、爽やかな風から湿気を含んだ風に変わっていくことがよくわかるくらい汗をかき、目覚めとしてはちょっと嫌な感じ。

昨日の深酒も手伝ってかすぐにトイレに行きシャワーを浴びる。浴びてる間に本日のスケジュールの浴室内に設置されたホログラムとスピーカーからリマインドが入る。洗顔が減っているので頼んだ方がいいというレコメンドにokを出しつつ、今回は季節の香りで夏に向けてシトラスグレープフルーツのMarCs&Vebから新発売とのことでそれを注文した。過去3ヵ月の使用量から最適な量をSHIPしてもらえるように近くのMaaSの拠点を本日の夕方の風呂に入る時間の10分前ほどにデリバリーしてくれるようだ。なんてったってもう10年以上の付き合いで、NYでもサロンを出していたMr.ネガイさんも一押しみたいで、Nao好きだと思いますよ!という一言動画コメントもついていた。

シャワー上がりに飲むべきドリンクを先ほどのトイレの検査結果から自動測定されビタミンCと水分、また最近の野菜不足からケールとセロリを配合するのがベストと診断され、フローズンしてあるララサンシャインジュースのコールドプレスジュースをタップしておいた。

シャワーを上がり朝のモーニングサテライトの音量をあげると前日のダウは小幅に下げつつもナスダックは大幅続伸、20000を超え、それを牽引したのが2020年に上場したMemonadeだった。創業当時から根強いファンであるミレニアル、Z世代のメインの顧客層が30代後半に差し掛かり車や家などを買う際にスーパーインシュアランス特約を付加することで保険料が飛躍的に増加したことを好感し株価は10%以上続伸した。

家も車もまだまだ所有する人は多いが、今までのように新たに保険に加入するということはなく、自分のライフログや運転スコアをポータビリティできるようになり、どこの保険会社がそれを見て引き受けてくれるか、という精度になったが、既存の保険会社はなかなかその人を知ることとリスクの算定が難しく市場のシェアを失っていく一方、新興企業のMemonadeは得意のデジタル領域と大多数のデータ収集、AIによる解析技術により一定の範囲内であれば常に顧客の満足する保険料の価格帯と素早い支払サービスや保全サービスを247,365提供できる体制になっていた。

温暖化の影響で今年は台風がさらに大型化し、日本でも大きな被害が予想されているとのことで、そろそろ購入した家もメンテナンスをしつつ保険もちょっと付加しようかなと思っている。ちょうどいいから見積もりをとってみよう・

“Hey Jurvis, 住宅保険の再見積もりをかけて!”

“かしこまりました、Nao様の住宅保険料は今月は2350円です、台風に備えて今ならMemonadeで150円でオールインクルーシブケアに変更が可能です。Nao様の住宅でしたら今ならSPIのグループ割引で2ヵ月無料でトライアルが可能です。変更されますか?”

そうか、日本でももう発売できるようになったんだっけ。

2021年には新たな法案が可決され、金融保険が一体として参入できる資格ができた。コレを皮切りにCodomoやHard Band, BUというキャリアはこぞって総合金融インクリュージョンに乗り出し、既存の銀行や保険会社で取りこぼしている層を一気に取り込みを測った。コロナで来店客数が大幅に減少した銀行はそれぞれ親密先のキャリアと結びつき、Pink lemonade, Yello, Blue Bananaといった新会社を設立、一方でSPIグループは地銀を完全にロールアップし、LIP Serviceという新会社を設立し、日本人は4つの金融グループの口座を持つようになった。APIが繋がりほぼどこでもいいのだが、ペイオフ対象で資産管理の観点から分けているのもあるし、岡山の親から相続した資産はなぜかすべて最初はLIP Serviceに預けなくてはならなかった。直接相続をしなかったのは信託を作った方がいい、と金融機関にアドバイスされ資産を移してしまったからで、その金融機関はLIP社の傘下に統合されてしまっているからだ。全くめんどくさい。

"加入はどこからされますか?"

せっかくなら新商品だし新しい人から詳しい説明でも聞いてみようかな。と思いLIP社のコンサルタントと面談を申し込んだ。今相談可能なのは3名だそう。2人は直接のコールセンター、1人は複数の商品を扱うエージェントだ。レビューは微妙。でも空いているのは4~5分くらいで10分で迎えが来てしまう。とりあえず一番スコアがマシなエージェントの人に繋ぐ。

”おはようございます!本日はMemonadeの新商品の特約の件ですね?”
”うん、お願いします”
”この保険の特徴は・・・・・・・・・、・・・・・・・・・、・・・・・・・・・、

でして・・・・・、

ですから・・・・・、

ダメだ、全然入ってこない。あっという間に時間がなくなった。どうしてこれだけテクノロジーが進化しても商品説明がグダグダなんだ。全く持って押し売りはなくならないな...

"ありがとうございました!ちょっと検討します”
”かしこまりました、またいつでもお声がけください”

ホログラム終了後レビューに3をつけて終了。やっぱりスコアリングは正直だな。ちなみにあまり低いスコアリングをつけるとこちらも辛口で評価されたりするのでめんどくさいので個人的にはよほどのことがないと1や2は付けないようにしている。3~5の実質3段階になり、3は選ばれない一つの基準になってしまったのはここ数年のこと。

どうしても気になったので担当の桑田さんにメッセージ。彼は関西に住んでいるのだが10年以上の金融保険商品前半の担当だ。元々は金融機関向けにコンサルタントをしていたのに今や自分が自ら金融営業になってしまい、今や超売れっ子。彼のクライアントのミリオンクラブ(1億円を目指してFIREしよう)は新規の会員を受け付けていないくらい多忙だ。実際次のアポイントは9ヶ月後だが、どうしても彼の意見を聞いてみたい。予約のメッセンジャーを投げるとバーチャルアシスタントが今日の夕方を指定してきた。移動中でもいいからクイックで、というと今ハワイらしく時差があるので15分待ってくれとメッセンジャーが来る。

お、ちょうどいい。朝の移動時間中くらいだな。それでお願いしよう。走行している間に車の到着まで2分です、降りてください。と言われる。やれやれコレじゃぁどっちが指示出しているのかわからないよwと苦笑しつつ家を出る。鍵?そういうのはここ最近持ってない。声紋と顔認証などいくつかの組み合わせで自動化されているのだ。

移動はMaaSでマンションの下まで迎えにきてもらえるようになった。まぁ第一京浜沿というのもあるがMaaS発信基地直結、最先端のIoTで新たなライフスタイルを!という売り文句でマンションを買ったからな。昔はグースと言われるホテルが立っていたらしいけど全く跡形もない。東京駅までちょうど着くくらいの時間で全部終わりそうだし。

朝のニュースをユニットに乗りながらダイジェストで見ていると桑田さんから連絡。ZOOMが勝手に立ちあがった。

"あーそれいらんで、Naoちゃんの家はすでにマンション全体でかかってるから"

そっか、確か火災保険や家財も管理費用などに含まれてるって言ってたっけ。

"あーじゃ火災保険っていらないんですかね?”

"そやで、自分入ってへんいうてたやん!もしかして入ってたん?せやからPFMに全部データ連携しておいてうちのAIにデータ連携しておいてくれたら見逃さへんよいうたのに。ちゃんとやるんやで”

”はいw”

めんどくさくてやっていなかったらいらないものをかけ続けていたのかよ。さすが桑田さん。あのままLIPの担当者がわかりやすい説明していたら追加で買っているところだった...

打ち合わせが終わり家に帰る途中で大好きなインスタントライブがゲリラ的に始まった。こういう突発的なライブは大人気でみんながこぞってみる。開始まで1分というところで今日はなんと大人気ファイナンシャルライバーであトミータカハシ。彼女はハーバード在学中にヘッジファンドを創立し売却し一時日本ではYoutuberとして多くの良質なファイナンシャルコンテンツを流していた彼女も今やジャパネットタカハシを買収し、それまで家電製品などを販売していたショッピングチャンネルの雄を金融商品も販売できるように定款変更し、様々な情報提供とともに販売していくというモデルを気付き上げた。彼女が出てきたおかげで多くの人は金融リテラシーが向上した。その裏で中途半端な金融保険営業は姿を消した。 

今日のテーマは"最新、ユニットバリューの運用先はNasdaq型は本当か?”ふむふむ。非常に興味深い・・・

・・・・

・・・・・・

・・・・・・・・

!!

なんと、そんなの絶対買ったほうがいいじゃないか!

聞いてる瞬間に即買いたくなりライブ中に決済が完了。変額終身保険を追加購入してしまった。

査定や告知は日頃Apple WatchからのバイタルデータとデジタルIDに紐づいた病院への往診履歴などから自動的に引き受けなどが可能となっているので必要ない。ただ返信に”昨日飲み過ぎているので3ヶ月後もこのペースで深酒し続けると保険料が上がりますよ、気をつけてね!”とトミーの素敵な笑顔付きで来るじゃないか...くそ、AIで送ってきているのはわかっているのにいつも見慣れていてかつ好みのタイプのトミーに言われるならしかたねぇな。

走行している間に次のランチミーティングだ...

終わり

(文中にある固有名詞はフィクションです。めっちゃ似てるやんけ!?と言われても自分の頭にあるだけの言葉を羅列しただけであり、全く無関係ですのでよろしくお願いいたします。)


いかがでしたでしょうか。ナゲーよwと言われる方、わかります。なんせ買いている途中で自分が長いと思いました。

さて、現在コロナにおいてチャネルがどれが正解か、という話になっていますが正直それはどうでもよく、顧客がどのやり方が最適と感じるか、でいいと思っています。

デジタルで申し込みができるようになり、ライフネットやSBIなどはそもそもの数が少ないものの、200~300%伸びていることは周知の通りでしょう。

一方で対面営業がなくなるか?についてはリアルで会う必要がある、というよりはリアルで会いたい!というニーズに対応する、という価値判断に移行しそうです。今で言うとデジタルコピーである音楽に触れつつもリアルでその場にいいったり臨場感を味わうというライブなどの体験への消費が人気でした。コロナで中止や延期が相次いでいますが、それを埋めるようにオンラインでライブ配信などは人気です。

良質なコンテンツはYouTubeなどでどんどんと溜まっていますが、いつでも観れるから観ない、という状況にもなっており、いかに衝動的に行動に写してもらうか、が一つの課題になると思います。

健在しているペインに対して一瞬緩和してくれるであろうことも、プロにかかればすぐに課題認識を改めるでしょうし、あさはかな営業で契約を急いだばかりに自分の与信が大きく削られる、ということもあるかと思います。

現在進行形で多くのサービスがオンラインやオンデマンドで完結できるようになっていく反面、先日通りがかった六本木の某たこ焼き立ち飲み店は満席でした。超密。

古代ローマ人は豊かになり働かなくてよくなると”雑談=ダベる”ために集まったそうです。それがアゴラを構築するに至ったと言われています(諸説あり)

日本人も井戸端に集まり情報交換をしたり、サラリーマンでもタバコ部屋や喫茶店には人が多く集まり雑談をしながら過ごすシーンがありました。

そんな時に何の気なしにいいアイデアが生まれたり気付きがあったというのも事実でしょう。

さてこれがどうなるのか...

多くの方はリアルはなくならない、と信じたいこともあるでしょう。しかしもしかしたらリアルはレアになるかもしれません。

レアになるともし需要が高ければとてつもない価値が発生するはずです。

少なくともものすごく高い対面の付加価値は何か?を最近自分は考えています。

対面が強みを発揮できることもたくさんあって、それは雰囲気を感じ取れるかどうか、またリアルに会う事によるなんとなくの安心感があると思います。

事実オンライン完結はできるものの、もしかしたらそのピークはもう過ぎたかもしれない、元に戻るのではないか?という匂いも各所で感じます。

しかし。

ちょっと不安だけど、温もりを感じれないけどオンラインを通じて最高のサービスを受けられる

対面でなんとなく安心だけど、疑問が多かったりわかりにく普通もしくは劣後したサービス

だとどちらがいいでしょう?

それよりもいいサービスが受けたい、それがオンライン、オフラインどちらでも自分が好きな時に可能

という視点でビジネスを組み立てていくべきではないでしょうか。

つまり、オンラインかオフラインか?という議論は全くの無駄で、自分に取手の顧客が今そしてこれから何を求めているか、にフォーカスすればいいだけ=つまり常に顧客からあなたがいてくれて、このサービスがあって本当によかった、と言われることを追求するだけだと思うのです。

時代は間違いなく変わりつつあります。ここ2~5年にテクノロジーの発達によって世の中は大きく変わる、と2018年くらいに言い続けてきました。

しかしくしくもコロナという引き金によっていきなり強制的に時間軸が変わってしまった。

これからとるべきは一気に変わってきた顧客行動変容から何が最適なのかを収集し、高速で学習し、実習し結果につなげていかねばならないと思っております。

ぜひともこういうの、一緒にやってみたい、という人募集中です!

ぜひこちらからDMなどいただけますと幸いです!

よろしくお願いいたします!





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