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[hey] 在宅勤務に全面移行して

heyは、一昨日水曜日の朝に、翌木曜日を首都ロックダウンを見据えた原則出社禁止の在宅勤務の予行演習を実施し、そして都と政府の発表、何より統計数値から判断して、昨日金曜日より全面的に原則出社禁止、自宅で仕事をするという形を取りました。

思えば、最初に新型コロナ感染症に対する会社方針を出したのは、2/16でした。内容としては、基本的に月内在宅勤務推奨、混雑時間帯を避けた通勤調整(といっても、heyはもともと12:00-16:00コアタイムのフレックス制)、コアタイム内での会議実施といった感じで、そこから毎週状況を把握して、更新して、社内にアップデートを出すようにしました。

当時はまだクルーズ船という自分たちとは離れた環境でのニュースと中国の状況が主な話で、それがどう自分たちに近づいてくるのかいついてはあまり言及されていなかったように思いますし、少し遠いできごとのように感じていた人も多かったように思います。

ただ、この未曾有の事態に対して正しい状況を把握するために、経済的なニュースは元より、「heyではたらく仲間とその家族の感染リスクを下げる」という観点で、リアルタイムの政府発表に加えて、国内外の医療現場からの一次情報、論文、統計、海外メディア等に気を配ることも増え、最初は「まだワクチンのないインフルエンザみたいなものかな。」と思ってた気持ちが、日に日に消え去り、これは医療崩壊によるパンデミックが起こり得る、と思うようになりました。いまの東京は本当にギリギリのところかと思います。

一方、会社としては、とはいえ、成果を出して、継続していかなければいけません。が、学校が休校になれば、特別有給も必要だし、そもそも、heyはこれまで週1回のリモートは可能なものの、基本的にはオフィスで働くことを前提にした組織です。そのような組織が、いきなりやり方を変えても生産性が上がるわけありません。

本来的にリモートワークというのは1つの専門性であり、体系化されるべき仕組みであり、そこには組織としてのルールが必要です。それが前提としてなかったわけなので、もちろん健康以上に大事なものはないですが、とはいえ、やり方を変えた結果、自分たちのお商売自体がうまくいかなくなってしまっては本末転倒になってしまいます。ただ、変化に強いものが生き残るという生物学の歴史を信じて、これを機に新たなラーニングをして変わっていくしか道はありません。

また、基本的に何においても持てるコントロールレバーは自分たちで持ちたいというのがあるので、準備もない中、ある日強制力をもって行政から言い渡されるよりも、自分たちの判断、自分たちのタイミングで先にそのレバーを引いておくという点においては、結果的に良かったように思います。

で、実際に原則在宅勤務に入ってから、起きた検討ポイントを共有します。リモートワークに有効なツールやミーティングの仕方については世の中よくまとまってるので、違う観点で三つあげます。ちなみにリモートワークというのはオフィスの外でも安全なネットワーク環境ならリゾートでもシェアオフィスでもどこでも仕事していいよという意味で使っており、在宅勤務はその名のとおり家から仕事をすることをさしています。

- インターネット環境
まず、自宅にインターネット回線を引いておらず、モバイル回線しかないというケースが特に若い人に多いです。ただ、回線がひかれていたらOKかというとそうでもなく、思ったよりも遅い/不安定というケースは一定以上見受けられています。また、このタイミングでマンション内等の在宅が増えているからか、通常よりも回線スピードが遅くなっている気がするというケースも増えています。快適にリモートで働くには、そもそも一定以上のスピードを伴ったインターネットがないと始まりませんが、一方、今すぐ今日解決するのはそれなりに難しく(ポケットWiFi配るくらいしか思いつけない)、長期化するなら手を打たなければと思っています。

- ファシリティ
大体においてファシリティは貧弱です。一人暮らしにおいてはそもそもデスクと作業用のチェアがない場合は多いでしょうし、家族と暮らしていても、リビングのテーブルと椅子がせいぜいで、書斎なんて持ってる人はほぼいません。また、タブレットやノートPC全盛の中で、ディスプレイが家にある人も少ないです。人にもよりますが、デザイナー、エンジニアには致命的になりえます。heyの椅子は全員アーロンで、これはこれでこれで個々に相性があるので、バランスボールだったり各人が調達したものを使うこともありますが、少なくともとも大多数の家の椅子よりはマシでしょう。また、オフィスではディスプレイも好きな枚数用意しています。そう考えると、自宅環境で生産性が変わらないということがあれば、オフィスの椅子も全部安物にしていいのかな、などと疑問が生まれたり生まれなかったりします。

- 同居人
共働き夫婦が同時に在宅勤務になった場合に、部屋がない、というケースが多々あります。夫婦に限らず、同棲、同居でも同じです。そもそも、1人分ですら作業環境が整っていないことが多い中、数人分あるなど皆無に近いでしょう。だって、家で恒常的に働く想定をしていないわけなので。したとしても、東京の住環境でどこまで整備できるかというのはありますが。とはいえ、まあ、一人だったらまだマシです。でも、二人以上同じ場所にいると、ミーティングするにも気を使いますし、お客さんに電話するにも気を使います。内容がいつも和やかだったらまだいいですが、場合によってはピリっとする重めなこともあるでしょう。それは双方気を遣わせ、生産性を落とします。結果、トイレから電話せざるをえない、家から出て車の中からビデオに出ざるを得ない、そんなこともありえるでしょう。さらに家に春休み中の子供もいたら…。とにかく、「そんなこと想定してなかった」という環境でやっていかなければいけません。

もちろん、自宅環境が元から充実している、あるいはこれを機に自主的に家の環境を充実させ、通勤がないことでパフォーマンスが上がったという人もいるでしょう。でも、必ずしも全員がそういう状態ではなく、むしろ現段階においてそれはマイノリティに思います。

また、弊社の社長のようにもともと引きこもりインドア属性が強く家にいても苦にならないタイプは良いんですが、特に一人暮らしで外に出るのが好きなタイプが長期で家に篭ることになると、おそらく社会的には鬱率が上がってくると思います。このあたりは会社としても、ケアしていく必要性を感じています。

私はheyのビジネスモデルで好きなところがあるんですが、それはお客さんであるストアの売り上げの一部を頂戴しているというところです。私たちの売上が上がる、下がるというのは、お客さんの売上が上がっている、下がっているということで、そこに連動しているこの一体感が自分だけが得しないという意味においてとても好きです。ただし、これは自分たちが安定してサービスを提供し続けなければ、お客さんの売上にも影響を及ぼすという意味でもあり、使命感をもってやらなければなりません。何があっても絶対にサービスを止めてはならない。だからこそ、なによりもheyで働く人たちが長期でパフォーマンスを出せるように、この環境下で、うまくパフォーマンス出せなくて変に落ち込むことがないように、ルール整備を続けていきたいと思います。

って偉そうに書いたけど、まだ、何もちゃんとできてないこと多いので、すぐすぐまた方針だしてくね。ちょいまち。

あと、最後に。

heyは在宅勤務に移行できる業態ですが、必ずしも全ての業態がそうではないことは重々理解しています。飲食店や小売店など在宅勤務なんてありえない業態の方々が日々の生活を支えてくれています。困らずにモノが買えているのは、生産し、流通させ、それを棚に置いてくださっているからですし、当たり前に移動ができるのは、公共交通機関の方々が安定的にインフラを回してくださっているからです。混乱に陥らずに社会が回っている、そんな当たり前をつくってくれている行政の方たちもいます。子供を預かって見てくれている保育園幼稚園教育機関の先生方がいるから、どうにかなりたっていること点も多いです。そしてなによりも、医療にかかわる人たちが危険を犯してでも当たり前に生きられることを今この瞬間も支えてくれています。本当にありがとうございます。

ここから数週間が、これからの数ヶ月、1年にわたる経済、社会のあり方を決める大事な時期になるかと思います。より多くのマイナスインパクトが起こらないことを願いつつ、自分たちにできることといえば、家からできることを貫くしかありません。みんなでこの事態を通して、一層強くなりましょう。ピンチはチャンス。良い機会だと思って。

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