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脚本家はつらいよ!
映画や観劇が好きてシナリオライターを目指して、主にテレビアニメや子ども主演のドラマ脚本を書いて来ました。その数400本ほど。
でもアニメやドラマの題名は知っていても、脚本の存在も知られていないのが実状。
かつて主婦友達が、
「えッ、アニメってマンガでしょ。マンガをそのまま絵にすればいいんでしょ。脚本があるの?」と言われました。「おはよう、さよなら」も全部脚本に書くのだと言うと、
「へぇッ、俳優が好きに喋ってるのかと思った」
と言うので、こっちがへぇッ
となりました。
5分の短いアニメでも、アイデアをひねり、ダメ出し食って書き直したりするのです。
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これは、私の作品達です。
劇映画では、ヒットすれば、監督や主演俳優が脚光を浴び、ヒットしないと、
「脚本が悪い」とされます。
脚本家のつらいところです。
原作が有名であればあるほど映画になった時、
原作と違う、変えすぎだと避難ゴウゴウ。
映画やドラマは脚本があって制作されるのです。
なのに映画評論家の方々が、脚本にほとんど触れないのはどうしたことでしょう。
原作を映画化、ドラマ化する時、先ず脚本をどうするか、
誰に脚本を任せるかが重大です。
脚本も橋本忍氏が精魂傾けた脚本も野村芳太郎監督や黒澤明監督の作品になります。
原作を脚本にするのは、
私は2時間ドラマで取り組みましたが、原作の中からテーマを見つけ、それに脚本家としてのテーマを重ね、原作を活かしつつ、一つの作品に仕上げていきます。
脚本家にとってもキャリアの作品になるのです。
一つの例が
「青春デンデケデケデケ」の映画は、私の恩師である
石森史郎(いしもりふみお)
先生の脚本なのです。
大林宣彦監督と石森先生が初めてタッグを組んだ映画でした。その後、
「あの夏 とんでろ じいちゃん」「理由」があります。
「青春デンデケデケデケ」は石森先生60歳の時の執筆。
原作は芦原すなお氏の直木賞作品。13章からなる盛りたくさんの話を見事に整理して映像化した脚本で、
日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞されています。
それを大林監督が鮮やかな映画に仕立て上げたのです。
石森先生はご自身でこう言っています。
「還暦の男の青春回帰である。私の精神年齢も高校入学時から卒業までの時代に戻って、登場人物に自分の青春像を重ね合わせて、その姿を追いかけ乍ら書いていたように思う」と。
大林監督も同じ思いだったことでしょう。監督のOKがなければ映画にはなりません。
監督と脚本家の感性が一致してGOサインがでるのです。
ラストシーン、主人公の竹良が東京の大学へ行くため万感込めて故郷を去るシーンには
かつてのその頃の自分が重なって心が揺さぶられます。
映画は監督一人ではなく、脚本、撮影、音声、照明、衣装などなど多くの力の総合で
作られます。
脚本はすべての土台なので、
台本と呼ばれ、脚本家は表立つことがありません。
それでも脚本家は脚本を書くことが好きで、影武者の存在でも書き続けていくのです。
私が主婦からシナリオライターを目指した一部始終を書いたのが、冒頭の本です。
シナリオ・脚本の書き方から
家事と子育てと自分育ての脚本家修行。
好きなことを職業にするまでの、私の道乗りまでをぶっちゃけ書き綴った一代記です。
お手に取って頂けれは幸いです。
月刊ドラマ別冊
プロになるためのシナリオ術
三宅直子著
映人社刊
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