骨格の3つの輪で人生のバランス感覚を鍛える〜骨盤トンネル入口
骨盤は、パワーセンターと言われるように、骨格の中でも胴体の下部にどっしりと構えており、立つ時のサポートだけではなく、歩く、走る、といった動きの原動力にもなっています。骨盤は、お椀のような形をしていて、生殖器や泌尿器などを包み込み、生命の営みの大事な一部を担うところでもあります。 骨盤の上のオープニングと下のオープニングを結ぶトンネルは、赤ちゃんがお母さんの体から出て来る時の産道となっているのです。
バランス感覚を鍛える三つめの輪は、骨盤の上のオープニング、骨盤トンネルの入り口ですが、ここでもう一つ欠かせないのが、下のオープニング、つまり骨盤の底を覆っている骨盤底筋です。
骨盤底筋は、骨盤下部に位置するハンモック状の筋肉。「深会陰横筋」「尿道括約筋」「肛門挙筋」「尾骨筋」の4つの筋肉から構成されています。 これらの筋肉は、呼吸筋として、腹腔内圧の適正を保ち、下から内臓を支えながら、体幹部の筋肉を適切に作用させ、括約筋として、尿道や結腸からの排泄物通過をコントロールするという、三つの大切な役割を担っています。
骨盤底筋が正しく機能することで、骨盤の位置が安定し、また、骨盤の位置やバランスを保つことによって、骨盤底筋を健康に保つことができます。
それでは、骨盤上部のオープニングに、意識を持っていってみましょう。
まず、椅子に座り、両方の坐骨を感じます。骨盤を前に少し倒したり、後ろに少し倒したりしてみてください。前に倒すと、背骨が少し弓形になり、後ろに倒すと背中が丸くなるのが感じられるでしょう。頭も少し動きますね。無理に動かす必要はありません。自然に骨盤を前へ倒したり、後ろへ倒したり、ゆらゆらさせるとき、体の他の部分がついてくるのを感じてください。しばらくしたら、骨盤を、前に倒した位置と後ろに倒した位置の中間あたりに持っていきます。 骨盤が垂直に立っているのがわかるでしょうか?左右の坐骨にかかる重さはどうでしょうか?骨盤が立っている時は、骨盤の上の輪は、ほんの少し前傾しています。仙骨の真ん中あたりに手をあて、恥骨の上にもう一つの手を当ててみましょう。骨盤の角度が感じられます。
次に、坐骨、恥骨、尾てい骨についている骨盤底筋を意識しながら、骨盤を前へ後ろへとゆらゆらさせます。骨盤自体が小さなお椀だとすれば、このお椀が少し前に傾いたり、後ろに傾いたりします。骨盤の底についている骨盤底筋をかるーくマッサージしている感じです。ゆらゆらを続けながら、再び骨盤上部の輪っかの動きを想像します。気持ち良いぐらいに、らくーに揺らします。上の輪っかと下の骨盤底筋を意識するだけで、ゆらゆらさせているうちに、骨盤の中の深いところまで感じられるようになってきます。
因みに、この動きを意識しながら続けるだけで、尿もれがなくなり、くしゃみをするのが怖くなくなったという人もいらっしゃいます。
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