ショートショート「スポンジと洗剤」と小説「精霊の守り人」についてのエッセイ
先日、上橋菜穂子の「精霊の守り人」を読みました。かなり有名なハイ・ファンタジーでアニメ化もドラマ化もされています。テレビドラマはちょこっとだけ見ました。が、原作は初めて読みました。
「女用心棒バルサが、精霊の卵を宿した新ヨゴ皇国の皇子チャグムを守る」
「女用心棒」やら「精霊の卵」やら「新ヨゴ皇国」やら、心惹かれるワードがたくさん出てきてあらすじだけでわくわくし始めてしまうのですが、こういうファンタジー的単語に、「この単語使ったらカッコよく見えちゃうよね」的な薄っぺらさが全くない。
世界設定、キャラクター設定がきちんとしているんですよね。土台からちゃんと作り上げていっているので、物語にフラフラ感、あやふやさがない。土台が不安定だと、十階建てのビルどころか平家建ての家だってちょっと強い風が吹くと倒れちゃうものね。
序章「皇子救出」という短い導入部分だけで、「新ヨゴ皇国」の自然、文化、皇族たち、そしてなにより主人公バルサがどんなにカッコ良い人物か、本からくっきりと飛び出してくる。
ぐうっと世界に引っ張り込まれていきます。
すごくドキドキするアトラクションなんだけど、命綱はちゃんとしていてわたしたちが振り落とされることはない。安心して物語にしがみついていける。
わたしはまだ「精霊の守り人」しか読んでいませんが、長く続いたシリーズですよね。世界設定、キャラクター設定がちゃんとしてないと、こういう長いシリーズって書けないと思います。
が、わたしは全く別のところで「物語に振り落とされそう」になりました。それは上橋さんのせいでは全くない。
そう、わたしは
「登場人物の名前を覚えられない」症候群なのです。しかも名前がカタカナだったりするとかなり「おしまい」になってしまう。(アガサクリスティーの小説なんて、最初のに載ってる「登場人物紹介」を何度読み返したことか)
おお、なんてドキドキのシーンだ!ところであなた誰だっけ!?
ということが何度もあったりして、その度にページを戻り確認していました。
頑張ったよ「星読博士のグループはシュガ、ガカイ、聖導師がいて、聖導師とガカイは別の人、ナナイは昔の人(おおざっぱ)」とか「二文字で下にンは狩人」とか、テストの暗記かよ、みたいな。
それにしてもドラマ化してると、登場人物が映像で頭に浮かんでくるので、それは本当によかった。ドラマの方は初めに書いた通りあまり見てないのですが、それでもバルサと書いてあると綾瀬はるかさんが浮かんできたし、タンダは東出さんイメージぴったり、みたいな。トロガイはあの特殊メイクの高島さんしか浮かんでこない!ジグロは吉川晃司さんきゃーかっこいい的に。
また、時間があったら続編も読んでみたいと思いました。
さあ最後になりますが、また自分の小説を紹介します。
「スポンジと洗剤」これは日常ファンタジーですね。これでもちゃんと設定考えてますよってマジかよ!
2075文字なので、超爆速で読めます。
そしてnoteカバー絵も描いてます。「Let's clean」