雑誌『料理通信』2006年6月の創刊号から14年続いた連載〈新米オーナーズストーリー〉。自分の店を持ったばかりの店主たち、その店づくりに関する物語です。
全149回からセレクトし…
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2021年11月の記事一覧
デポーズィト バガーリ/三軒茶屋
飲食店を営む理由も、道のりも、店主の数だけあっていい。
連載「新米オーナーズストーリー」を始めてから12年後、『料理通信』2018年8月号のvol.130で、あらためてそのことを教えてくれたのが、イタリアワインバー「デポーズィト バガーリ」店主・佐久間努さんです。
飲食店は、訪れる人の存在を肯定してくれる場所。そんな店を作るための第一歩が、なぜか職業訓練校でした。大学を出て出版社に勤めていた28歳
梅香(メイシャン)/神楽坂
2008年12月、姉妹で営む可憐な名前の中国四川料理店「梅香」が誕生しました。
当時、女性料理人の独立は圧倒的に少なく、中国料理となればさらに希少。編集者と私はすぐ食べに行き、その場で取材をお願いして、翌年4月発売号の『料理通信』新米オーナーズストーリーに掲載させてもらいました。
今でもはっきりと憶えています。開店直後のまだ無名の店にもかかわらず満席、そこにいる全員がいい顔をしていたこと。
よい香
ロマンティコ/白金台
2006年7月号。『料理通信』創刊号であり、新米オーナーズストーリーvol.1は白金台のイタリア料理店「ロマンティコ」でした。
シェフの中山健太郎さんは、日本におけるイタリアンがまだ「東京の知る人ぞ知る新しい料理」だった1980年代から修業を始め、研修機関のICIF(イチフ)1期生として1992年に渡伊。シェフとして多くの料理人も育ててきました。
その中山さんが独立したのは2005年12月、38歳