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美術館・映画館予約は大変?

たまたまTwitterをふらっと見ていたら美術館&映画館の予約必須の流れは不便になる、自分は回数が減りそう(意訳)的なコメントを見かけました。

それは考えなかったな、というのが正直な感想。

というのは、日本の美術館がなかなか予約制を取り入れない中、今年アーティゾン美術館(元・ブリヂストン美術館)再開に際して予約制採用のニュースをやっと!と嬉しい気持ちで受け取っていたからです。

現場はなかなか大変だったようですが(窓口に来てから予約制と知ったという方もいたり)COVID19以降は同業者からの問い合わせも多い様子。


個人的になぜ予約制がないのかなと思っていたのは、はるか昔の経験にさかのぼります。1994年日本でバーンズ・コレクション展が開催された時の事。当時大学生でしたので、時間は今よりはたっぷりありました。それでも講義を終えていくとまずチケット購入に長蛇の列、さらに上野の当時はまだあった噴水の先まで続く行列…尋ねると5時間という待ち時間。元々並ぶのが好きではないということもあるでしょうけれど、諦めました。

結局、チケットを別のところで購入し、何回か通い、3時間(それが通った中では最短の待ち時間だったのです)と言われた日に頑張って並んで入りました。用意していった本を読みながら待ちましたが、それでも長く感じられる待ち時間でした。

展覧会にはモディリアーニの素晴らしい作品など沢山展示されていて内容は良かったのですが、会場に響く「立ち止まらないで下さい」の声には驚きました。美術館で「立ち止まらないで」と言われたのは人生始まって以来でした。

また、気に入った作品があると私は後から戻って再度見たりするのですが、それもとても難しいほどの混雑も悪い意味で印象に残っています。

しかも、あれだけ並んだのに、見るスピードが速い方も多くて、何しに来たのかなって余計な事ですが思ってしまいました。

「参加することに意味がある」という形で美術展を見る人もいるのかな、とも思ったのを覚えています。

今回改めてサイトを見たら100万人という途方もない数字だったのですね。

翻って海外では(すべて海外がいいと思っているわけではありませんが)早い時期から予約制が取り入れられています。

極端な例ですが、私はトランジットのパリで空港からB線で直行し2つの展覧会をはしごしたことがありますが、それも予約が可能だったからできた事です。

それ以上にいいのは会場がぎゅうぎゅうになって作品に近づけないということが起こらない点。

本当に作品を楽しめるようにと考えられた工夫が今回思わぬ形で日本にも広がるなら良いなと思っています。

ただ、大型展の場合、これまで入場料収入のベースが当然変わってくるので、その辺りどの程度今後影響がでるのかは未知数だとは思います。


映画館は自分が今回行こうと思って予約を試みたらどうしても予約ができない。知らない内にアプリのバージョンが変わっているのかなとも思って色々操作し、結局、当日にならないとできませんとの表示にたどり着きました。

当日になったのは少し不便かもしれませんが、それもある程度状況が落ち着くまでの事でしょうし、これまでも基本的にジャック・アンド・ベティ(大好きな映画館の一つですが)のようなシステムがない映画館以外は予約するのが当たり前だと思っていたので(ふらっと思い立った時はスマートフォンから時間の確認方々できて便利だなと思いましたし)それほど抵抗感はありません。

ネット弱者への配慮はもちろん必要だとは思いますが、いずれの予約も行く気持ちに影響があるかと言われたら私はないのですが、それほど予約というのはハードルの高いものなのでしょうか。

映画館はともかくとして、美術館はゆっくり見られるのが一番嬉しいけれど。

(ちなみに、現場でどの程度行われているか知りませんが、美術館の注意書きに1時間~1時間半程度の滞在にしてほしい、一つの絵の前に立ち止まるとお声かけすることがあります、と言う記載を見かけました。これは自分が確実に該当しそう…。でもそういう人はそんなにたくさんいそうにないですし、もう少し工夫できそうにも思いますが、どうなのでしょう。)

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