マシュー・ボーン版『赤い靴』の中のバレエ・リュス~1~
19日からbunkamuraでの上映が1日3回になって少し予約がしやすくなったマシュー・ボーン版『赤い靴』。
映画『赤い靴』は1948年製作、1950年に日本公開されて戦後のバレエブームをとても大きな牽引役になった作品としてもとても重要なのです。
当時のバレエ・ダンサーで見なかった人はいないと言えるほどの影響がありました。
そんな日本とバレエの関係はまた改めて…。
マシュー・ボーン版『赤い靴』の中のバレエ・リュスを少しご紹介していこうかなと思います。
あまり書くと「ネタバレ」になるのかな…と思いますが、バレエ・リュス周りだけ、ということで。
予告編にも写っていましたが、1幕で主人公ヴィッキーがレールモントフ(ディアギレフがモデル)の前で踊って見せる場面の背景にはバレエ・リュスが初めて全ての要素をバレエ・リュスのために創作したバレエ『火の鳥』を踊るタマラ・カルサヴィナの油彩画が飾られています。
英国ロイヤル・オペラ・ハウスが舞台とされているので実際とは違っています。
現在、実際にはパリ・オペラ座図書館が所蔵で展示されています。
とても大きな油彩画でジャック・エミール・ブランシュという画家によるもの、1910年初演の『火の鳥』がその年に描かれた貴重な一枚でもあります。
モデルはタマラ・カルサヴィナ。バレエ・リュスの全期間にわたる女性スターで、後に英国のバレエにも大きな足跡を残しています。
描かれたのは舞台ではないので、背景はスタジオの様子です。
とても大きいのに加えて自然光が入るところに展示されているので、写真が撮りにくく何回撮っても上手に撮れないのですが‥。
2019年に行った時に1枚です。
衣裳も後の『火の鳥』と違っているのが分かります。
また、舞台では登場しない中国か日本の屏風は小さな台が描き込まれているのも時代の空気を伝えてくれる1枚です。
バレエ・リュスが当時の「東洋趣味」とも結びついていたことが分かります。
ジャック・エミール・ブランシュはこの他にもニジンスキーや『ボレロ』を初演したイダ・ルビンシュテインも描いています。
(背景の屏風が同じなのが分かります)
本編には関係ないけれど、こんな事も知るとちょっと面白く…なりませんか?
色々、バレエ・リュスがちりばめられている作品だったので、また改めてご紹介していきたいと思います。
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