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情報5/2更新:新国立劇場『コッペリア』全キャスト無料放映!!

残念ながら中止になってしまった新国立劇場の『コッペリア』公演。

上演中止は返す返すも残念ですが、朗報が飛び込んできました。
何と! 全キャストを無料で放映、とのこと。

バレエは常々できれば同じバージョンを沢山のキャストで見て欲しい!
でも実際には金額・日時とあまり簡単でないことも知っています。

今回そんな難しかったことが家に居ながらできるのは嬉しい事。
また、無観客であってもダンサー達、スタッフ、舞台に関わる人達にとっても英断だなと思います。

家にいなくては…な日々となった今年の連休、折角ですからこのキャスト違いで見る愉しみを一人でも多くの方が大変できたらと思っています。見逃し配信はないのでご注意ください。

詳細は下記の通り。

【日時&配役】
2021年 
(配信終了)5月2日(日)14:00   
米沢 唯(スワニルダ)/井澤 駿(フランツ)/中島駿野(コッぺリウス)

5月4日(火・祝)14:00 
木村優里(スワニルダ)/福岡雄大(フランツ)/山本隆之(コッぺリウス)

5月5日(水・祝)14:00 
池田理沙子(スワニルダ)/奥村康祐(フランツ)/中島駿野(コッぺリウス)

5月8日(土)14:00   
小野絢子(スワニルダ)/渡邊峻郁(フランツ)/山本隆之(コッぺリウス)

各日とも16:00頃終了予定(休憩1回含む)

【配信ページ】
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/coppelia/

新国立劇場バレエ団Facebook
https://www.facebook.com/nnttballet/


公演リーフレット(28p)は下記サイトでデジタルブックにて公開中。

https://c.logosware.com/rtnlpp/PaLJr/cGZp2/html5.html#page=1

上記アドレスから行かれない場合は下記からどうぞ。https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/coppelia/


今回放映されるバージョンは、1975年に初演されたローラン・プティ版の『コッペリア』

ローラン・プティ(1925~2011)存命中はコッペリウスは彼の当たり役の一つでした。悲哀に満ちたその姿は最後の後ろ姿まで忘れられない印象を残しました。

また、プティはあまり触れられませんがバレエキャリアの始めの頃、1945年に「バレエ・デ・シャンゼリゼ」を結成しています。その時の片腕はかつてでのディアギレフの秘書で台本作家、ディアギレフのブックコレクションのブレインとしても活躍したボリス・コフノなのです。

プティの作風はバレエ・リュス風、というわけではありませんが、バレエ・リュスとはそんな繋がりもあるのです。

また、1950年代には『アンデルセン物語』やフレッド・アステア出演『足長おじさん』などのミュージカル映画の振付も手掛けています。

さらに『コッペリア』自体の初演は?というと、1970年、5月25日。ロマンティック・バレエに多かった~あるいは~というタイトルも踏襲されていて、『コッペリア~あるいは琺瑯の目をした娘~』というタイトル。

パリ・オペラ座の「最後の ”ロマンティック・バレエ” 作品」とも言われるのが『コッペリア』です。振付はアーサー・サン=レオン、スワニルダはジュゼッピーナ・ボザッキ(テクニシャンといえば、イタリアのダンサー、というのはまだ変わっていなかったのです)、フランツはユージェニー・フィオークル。

あれ?と思われた方、その通りです!
ロマンティック・バレエも最後の頃の作品なので、男性であるフランツも女性「ユージェニー」が踊っていたのです。このダンサーはドガの作品にも描かれていますが、バレエ史では注目されないダンサーです。

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こちらがそのドガの油彩。
青い衣裳がユージェニー・フィオークル。1867-68年の油彩で描かれているバレエ場面は『泉』から。

2019年のパリ、オルセー美術館のドガ展にも出品されていました。
所蔵はブルックリン美術館。

『コッペリア』から話がふわっと広がりましたが、作品一つをとってもこんな豊かなのがバレエの世界。SNS界隈では昨今バレエの在り方について意見が交わされていますが、こんな豊かな世界であることを一人でも多くの人がしって下さったらいいな、と思っています。

最後は宣伝です。
『コッペリア』は女性だけで踊られたわけですが、日本で女性だけのカンパニーといえば「宝塚」

その宝塚でバレエ・リュスを重要なモチーフにした作品『ホテルスヴィッツラハウス』が4月初演されました。5月の大阪公演は中止になりましたら、ライブビューイングとライブ配信の両方が行われることが先日発表になりました。

本当は大阪公演初日、舞台をご覧になってからでもアクセスできる時間にと思ったZoomトークは予定通り行いました。(5月1日ご参加ありがとうございました!)

「バレエ・リュスを知っていたらもっと作品が面白そう」というお声を受けて急遽開催を決めました。
この機会に一人でも多くの方にバレエ・リュスの魅力をお伝えできていたらいいなと思っております。



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