『オペラ座の怪人』/パリ・オペラ座の秘密~6~
『オペラ座の怪人』にはバレエ・レッスンの風景も少しだけですが出てきます。
では、実際にパリ・オペラ座でレッスンすることはあるのでしょうか。
答えは Yes 。
バレエ・リュスの最後のスターで振付家だったセルジュ・リファールが、パリ・オペラ座芸術監督時代に振付けた『デフィレ』の際には見る事のできる舞台の奥にある黄金の間 "フォワイエ・ドゥ・ラ・ダンス" はダンサー達がウォームアップに使い、以前は後援者たちが出入りすることも許されていた場所で、ウォーミングアップや時にレッスンも行われていたようです。
天井近くにはこんな歴代の有名ダンサーの肖像も掛かっています。
下の方に写っているいるのはシャンデリアの一部です。
とても暗くて(これでも明るく調整しています)上手に撮れていないのですけれど、雰囲気だけでも伝われば。
ちなみに『デフィレ』というのはエクトル・ベルリオーズの『トロイアの人々』の行進曲に合わせてバレエ学校生徒からバレエ団最高の地位であるエトワール(星、という意味のフランス語ですね)までが歩くだけという作品です。
そう聞くとちっとも面白そうではないのですが、実際に見ると歩くだけでもこれだけ「ダンス」なんだと改めて感じる事ができます。また生徒からエトワールへと段々と地位の高いダンサーが出て来る様子を見ていると「オーラ」としかいいようのない存在からにじみ出る何かを感じる事ができて圧倒されます。
一部ですが、振付家リファールの語りと共に下記で映像があります。
https://www.ina.fr/video/I11188300
話が少しそれましたが、オペラ座のバレエ学校は1987年以後は全てナンテールに移動しました。
ですが、ダンサー達のレッスンやリハーサルは今でもオペラ座の中にあるスタジオでも行われています。オペラ座の密着番組や映画、またダンサーの写真集にも登場することがあるので見たことがあるという方も多いでしょう。
かつてのダンサー達の名前、例えば「イヴェット・ショヴィレのロトンド」「ザンベリのロトンド」「クーポール・リファール」といった有名ダンサーの名前が付いた稽古場がオペラ座を見上げると目につく円形の部分にあります。
例えば、階段の下にこのようにスタジオ名が掲示されています。
この辺りは細い階段も多く、なかなか入り組んでいます。一人だと迷ってしまいそう。
万が一の火事のためにはホテルにあるような下記のような(ピントがあっていませんが…)図面やスプリンクラーも設置されていました。
この左手に入ったところで、勧められてダンサーでもないのにちょっと立ってみました。ですが、「立つ」というのはなかなか大変な事。
ダンサーがいかにスゴイかが良くわかります。
この空間で今年の「ワールド・バレエ・デー」の映像が収録されています。
早くパリ、オペラ座ガルニエでバレエを見たいなぁ、と懐かしく思い出します。
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