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【Go Together|琉球新報 落ち穂④ 2020年8月21日掲載】

(これまでに執筆した記事を振り返っています)

アフリカのことわざに「早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」という言葉がある。「アート・イニシアチブ・オキナワ」が目指すのは、沖縄を拠点にアートを通して海外や県外と繋がり、共に支え合い、補い合い、互いに刺激を与え合いながら、対話する場を生み出すことだ。それにより、点で散らばっている個々の活動を繋ぎ合わせ、沖縄からムーブメントを起こしたい。

名前の通り「イニシアチブ」を大切に考えていて、活動する人たちが自発的に、主導権を持ち、新規の構想に取り組める組織作りを考えている。沖縄は離島であるが故に、近隣諸国との貿易や欧米との交流によって、独自の文化を築いた歴史がある。島だからこそ、地域に自然発生した有機的な社会集団としての「共同体」や異なる強みを持つ主体が、共通の目標のために責任と役割を分担し、共に働き成果を共有する「協働」によるプロジェクを今、改めて見直すべきではないだろうか。

沖縄には、アーティストやミュージシャンなど、様々なジャンルで表現する人が多い。しかし、それらの活動と社会を結ぶ役割を担っている人材や団体は極めて少ない。さらに沖縄では、アーティスト自ら企画・運営するギャラリーやスペースが多いのも特徴的だ。作品を売って生活するには、マーケット自体が小さいため、それだけでの生活が成り立ちにくいのも要因だろう。だからこそ、県外、海外へ活動の場を広げたり、知識や経験、人脈を共有して、一緒に遠く(新たな市場開拓やニーズとのマッチング)を目指したい。

現状のコロナ渦で芸術活動そのものが停滞しているが、長期化を懸念して、海外に拠点を置く国際交流基金(ジャパンファウンデーション)などの日系の機関との共催によるオンラインセミナーやワークショップなどの需要は高まり、沖縄に居ながら、世界へ向けてダイレクトに発信する機会は広がっている。これから本格的にアート・イニシアチブ・オキナワの活動がスタートするので、詳しくはフェイスブックで「AIO」と検索してみて下さい。

https://www.facebook.com/ArtInOkinawa

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