書籍「Netflixの最強人事戦略」を読みました!

ネットフリックスの企業文化の一つに「徹底的に正直であれ」というのがあるそうです。正直で裏表がないということは、相手に余計な詮索をされずに済みますし、回りくどい言い方をする必要がありません。「言いたいけど言えない」を解消すれば社内の風通しが良くなります。そのポイントは「私心がない」こと、純粋に「顧客と事業のため」に発言されていること、なのだそうです。

「何でも思ったことを正直に言うなんて難しい」と思われる方も多いですよね。この本の著者で、元ネットフリックス最高人事責任者のパティ・マッコード氏は、

部下や同僚には本当のことをいえない、と感じている人が多い。そしてその理由は、
①相手がそれを理解できるほどかしこくないから
②それを理解できるほど大人ではないから
③それは失礼なことだから
のどれかだと考える。

と書いています。

思い当たります。でもよく考えると、上記の理由から相手に「教えない」方が余程失礼だし、非建設的、非生産的です。確かに「丁寧に教える」のは面倒くさいですが、従業員全員を同じ前提条件に引き上げる方が、会社全体として知識もノウハウも底上げされて効率が上がりますよね。

私もわからないことがあると、どんどん相手に質問し続けてしまい、周囲の人を閉口させることがあります。その空気を感じて、その後質問がしにくくなったりします。でも「知りたい気持ち」の根底にあるのはは、向上心と「きちんと仕事をこなしたい」誠実さですから、疑問・質問には丁寧に対応した方が良い結果につながると思います。面倒くさくてもその点を肝に銘じておきたいです。

個人的には「フィードバックの与え方を練習しよう」という話がとても参考になりました。相手に対する不満を、感情を交えずに話すこと。問題行動の具体例を挙げ、解決策を提示すること。そしてうまく話せるように練習すること。

練習しないと上手くならないんですね。

不満が溜まるとどうしても感情的に話してしまいがちですが、口に出す前に一度立ち止まって「何が問題で、どうすれば解決できるのか」考える習慣を付けたいです。不満をぶつけてタダ文句を言うより、「なぜそうするのか?」を考える癖がつくと自分の想像力と質問力も上がりますし、話が建設的になりますよね。

他にも「従業員一人ひとりが事業を理解する」、「(事業の)成功に貢献することが最大のモチベーション」など、人が既に持っている力をいかにして引き出すかについて、この本は語っています。企業の規模や成長度合いによっては、ネットフリックスのやり方をそのまま真似るのが難しい場合もあると思いますが、この本は「人が本来持っている本質を活かした人事制度とは何か」を教えてくれるので、そこから自分の所属する企業に合ったやり方のアイデアを得られると思います。

10年、20年後には日本のスタンダードになっていることを期待します。

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