手作りのおにぎり

先日友人のところに遊びに行くことがあった。
直前に友人からLINEが来た。  
「NAOちゃんの分のおにぎりも持っていくね」

正直寒気に近いものがした。
人の握るおにぎりを食べる機会なんて思い出せないくらいない。
今日日素手で握ることはないのはわかっているのに、すごく嫌だった。
そんなに潔癖なつもりはないが、なんか嫌だった。
でも断る理由が思いつかず「ありがとう」と返した。

おにぎりは小さく、食べやすかった。
おにぎり1個と、ふかしたサツマイモを持ってきてくれた。
食欲的にはぴったりだった。
でもなんかすごく嫌だった。

友人には善意しかない。
いつも優しい。

おにぎりを一つ追加で握ることの手間も知っている。
100パーセント善意なのもわかる。
何度も行っているし、気楽な感じなのもわかる。

優しさと善意はあるけれど、想像力が乏しい彼女。
優しさと善意は乏しいけど、想像力が豊かな私。

敏感な私と鈍感な彼女。

敏感な私だからこそ、彼女の行動に善意しかないことがわかるし、鈍感な彼女だからこそ、気づいてほしくない私の腹黒さに気づかない。

彼女の鈍感さに甘えて、付き合いは続いている。
ただ日ごろ毒を飲み込んでいる分、手作りのおにぎりに過剰に反応する。

次あったときどうするかは、その時考えよう。








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