「睡眠の質を高める生活習慣について(1/2)」 -認知症とともによりよく生きる -

 認知症の人と家族の会福岡県支部の月刊広報誌「たんぽぽ」に「認知症とともによりよく生きる」という連載を行っています。今回、許可をいただいてnoteにも転載することとしました。 
 こちらの記事は、2020年4月号に掲載されたものです。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、落ち着かない日々を過ごされている方が多いと思います。こういう時こそ、よく食べよく眠ることが重要です。様々な身体疾患や精神疾患に不眠症が関係しており、不眠症が生活の質を低下させることは皆さんもお感じのことだと思います。さらに、認知症に関連する脳の異常なタンパク質が睡眠中に排泄されるなど、十分な睡眠が認知症の発症を起こらせることや進行を遅くすることに重要であることもわかっています。そこで、睡眠の質を高めるために気をつける生活習慣について2回に分けてお伝えします。

 はじめに気をつける生活習慣は、「起きる時間を固定すること」です。人間はいつでも好きな時に眠れるようにはできていませんが、決められた時間に起きることはできます。つまり、眠れない時にはじめにやるべきことは、寝ようとするのではなく起きることです。夜眠れず寝付く時間が遅くなると翌日起きる時間も遅くなってしまい、睡眠リズムが崩れている方が多いです。前の日に寝た時間が何時であろうと起きる時間を固定することが重要です。今日はデイサービスがないからとゆっくり寝ていると夜眠くなる時間が遅くなり寝付くのも遅い時間になってしまいます。これによって、翌日デイサービスで早く起きないといけないのに眠くて起きられないという事態が生じます。

 次に気をつける生活習慣は、「寝る時間にこだわらず眠くなったら床につくこと」です。私が医師になった頃は、毎日同じ時間に床につくよう患者さんに指導を行なっていました。しかしその後、眠くないのに床の中に長い時間いるとかえって抑うつの悪化などを引き起こすことが研究で明らかになりました。何時かに関係なく眠くなったら床につき、さらに、床に入り30分たっても寝付けない場合は一旦床を出るようにしましょう。

 次回は、睡眠の質を高めるために、さらに細かい注意点に関してお伝えします。


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