何があっても守るべきものがある。
最近、世界がとても優しい、と感じる。
世界は内側の反映と言われるけれど、ハートにくつろいでいると、不思議と優しく、あたたかい人と出会う機会が増える。そして、その恩恵からだろうか、ありがたいことに、経済的な応援を少しずつ頂くようになった。
今日、お話した男性に(その方は私と同年齢の若い方で、経済的に苦労をされていて、裕福ではないのに)、「ぜひ応援したいので、お金を受け取ってください!」と言われ、勇気を出して、お金をもらうことにした。
まだ、お金をもらうことに抵抗がある。マインドのブロックがある。でも、私はこのブロックはあって良いのではないか、と思っている。
「お金をもらうのは当たり前だ」というような姿勢にはなりたくないし、たぶんなれないだろう。私は死ぬまでずっとピュアでありたい、と思っている。
以前、ある女性にこんなことを言われた。
「あなたの目はキレイね。とても、きらきらしてる。大事にしてね。きっと」
その言葉を今でも忘れていない。そして、その言葉を言われた時、自分の存在のすべてを肯定されているような気がした。魂を抱きしめられているような気がした。
ピュアであることはハートを守るということだと思う。何があってもハートの純粋性だけは失いたくない、と私は思っている。ピュアなハートだけが世界を赤ん坊のようなきらきらとした目で見つめることができる。
だから、私のマインドのブロックは存在しても良いのだ。お金をもらえるのが当たり前ではない、と思っているからこそ、お金をありがたいと思える。
普段、私は、旅行に行かない。
いつも同じ公園を散歩し、同じ交差点に立って、人々を見つめている。ある時は、顔見知りの野良猫に微笑みかけ、ある時は雀の鳴き声に耳を澄ませる。
まるで、初めてそこを通り、そこに立った旅行者のように、すべてを「きれいだな」と思う。
世界を美しい、と感じるまさにその場所がハートだ。
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2ヶ月前、発熱して味覚と嗅覚が失われた。さらに目を閉じると視覚が失われる。何かを意識的に触ろうとしなければ、触覚もない。
感覚がなくなっているのに、残っているものがあった。ただ1つだけ残っているものがあった。
それはハートだ。
ハートの静けさや安らぎと言うものは、五感を超えたところにある。ハートに意識がある間、私は大丈夫だと思えた。
ハートには生死を越えたもの、魂としか言えないもの、神さま、としか言えない神聖な何かがある。
そして、ベッドに横たわりながら、ハートの中にあるこの何かは永遠に失われることがないだろうと確信した。
不安や恐怖が大きくてどうにもならない時、最後の手段として、ハートへの祈りがある。私たちはひとりぼっちでこの殺伐とした世界を生きているわけではない。
ハートは私たちの魂がつくりだされた源泉とつながっている。
「いや、そんなことはない。わたしはこんな苦しい目に遭っているんだから」と言う声が聞こえてくる。でも、それでもなお、ハートの深い次元から見れば、あなたは愛されている。
ハートを持たない人間はいない。胸の前で手を組んで、祈ってごらん。
祈るたびに、涙が出そうになる。そのたびごとに、エゴがハートのなかに溶けて消え去る。
ハートを感じることができない人間はいない。少なくとも、あたたかい何かをその場所に感じられるはずだから。
源泉(創造主)はそのあたたかさそのものなのだ。
その優しさや甘さを感じられるということはあなたがとても神聖な存在とつながっているということだ。
小さい頃、母がうす暗い部屋で、ひとり、祈っている姿を観たことがある。祈っている時、ひとは黙っている。言葉に出さない。でも、私は母が何を祈っていたのか手に取るように分かった。
私が長く生きられるように、と祈っていたのだ。
「何があっても大丈夫」と私が言うのは、私たちの魂が源泉であるハートとつながっているということだ。そして、そのつながりが永遠だと言う事だ。
ハートの愛は私たちの身体を越えたつながりであり、この世で起こる苦悩を超越する無条件の母性なのだ。
それに包まれて生きている人間にとって、不安や恐怖は近づく事は出来ない。
ただ目を瞑り、不安や恐怖がハート・センターの中に吸い込まれてゆくのを感じてみてごらん。
そして、優しい気分が出てきたら、あなたはハートという母親の神聖な子供になったと言うことだ。あなたは「家」に帰ったと言う事だ。
長きに渡る魂の旅路を終え、「家」に帰る時、あなたは光り輝くハートに抱きしめられる。
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今日、私に「お金を受け取ってください」と言ってくれた男性が「お金にはならないけれど、詩を書きつづけているんです」と伝えてくれた。
私は「どうか書きつづけてください」と答えた。
彼は「どうしてですか?」と訊ね、私は「詩を書く事でハートとつながることができるからです」とさらに答えた。
彼は「ありがとうございます。そんなふうに言ってくれたのはあなたが初めてです」と優しく笑っていた。
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