誰のことも救わずに、ただ静かにしている
僕と同い年の息子様がいるM様とお話をした。M様は品のある落ち着いた女性で「自分を覆っている殻のようなものがあり、それを破りたい」とおっしゃられていた。
姪と甥がいる。三歳と二歳だ。甥は僕の姉である母の姿が少しでも見えなくなると、泣きわめく。姪っ子が母親に抱かれていようものなら、彼女を突き飛ばして、自分を抱くようにせがむ。
突き飛ばされた姪っ子は行き場をなくして、仕方なくひとり遊びをする。ほんとうは十分に甘えたいけれど、甘えられなかったという心の空洞、むなしさ、怒りをため込