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これからのこの世界で私がやりたいこと──「すべての人の存在意義が最大化された社会」を目指して #4(最終回)|鮎澤直希

POOLOの卒業制作第4弾、最終回です。テーマは、#これからのこの世界で私がやりたいこと。#1はビジョン、#2はミッション、#3はアプローチすべき課題について書いてきましたが、遂に最終回。

▼卒業制作あらすじ
#0【生い立ち】
#1【ビジョン】理想の社会とか問題意識
#2【ミッション】自分の実体験・果たしたい役割
#3【課題特定と仮説】自分が変えたいものは何か?
#4【ソリューション】私はこれから何をするのか
#5【私のロードマップ】これからのこの世界で自分がやりたいこと

やっと終わります。前回僕があげた「こんなことにアプローチしたい」に対して、自分はどのような手順で、どんな戦略で、今日から生きていくのか、そんな「ソリューション」についてちゃんと伝えられたらと思います。

そして#5 私のロードマップとして、これから私がやることを宣言します。

#4 ソリューション

最終的にやりたいことを始めるにあたって、参考にしていくべき事業・プロジェクト・サービスを見つけていきたいと思います。

#4-1 偏見による排除に対するソリューション

偏見による排除、つまり世の中に対する当事者意識の欠如の問題に対してどう取り組めば良いのか。

僕は、偏見は「正確な情報や事柄の全体像を掴めないこと」に依存するのではないかと考えてきました。

情報を与えるのは、教育やメディアですが、これらの問題として、目の前の評価軸(メディアなら視聴率、PV、CVなど、教育なら合格率、偏差値など)が重要視され、敢えて正確な情報伝達を避け偏見を招くような表現をしなければならない状況が存在しているのではないかと思います。

世の中で既存の評価軸に固執せず、中長期的に意味のある正しいコミュニケーションを確立するための取り組みが必要なのかなと思います。

#4-2 個人の価値観の確立・実践に対するソリューション

この問題は、若者がその「成長過程でとっていく機会・環境」に依存するものだと思います。
正しい情報が与えられたのちに、自律的に考え、自分の価値観を常に問いながらそれに沿って実践していくことが求められるはずです。

自分を実現させ、他人に貢献する、世の中の問題を解決することに志向を置けるような人材育成・教育がベースとして必要。

ある程度のリテラシーがついたのちは、自分の頭で考え、自分で自分を律し、適切な方法をとっていく力を育てていく必要があると思います。

機会を限定し、環境を規定する教育・組織を変革すべきであり、自己実現・課題解決に必要なアクションを促す教育・組織が評価されるべきであると思うのです。

経済の仕組み(教育やメディアのビジネスモデル)上、こうした世の中の評価軸の問題は簡単に打開できません。1つは小さな取り組みでも良いものを評価し広げていくこと、もう1つは新たなビジネスモデルを可能にするエコシステムを作ることが重要なのだと思います。

#4-3 ベンチマーク(課題解決)

新たな循環を作る上で、まずは小さな取り組みをはじめなければいけません。ビジネスモデルが確立していないものもありますが、取り組みとして非常に魅力的で参考になると思うものをあげたいと思います。

a) 麹町中学校
:「宿題」「担任制」「中間・期末テスト」を廃止、学校の「当たり前」をやめた中学校。

b) Loochs
:生徒が「学問」を「選択」し主体的に学校を運営する、21世紀型の高校。

c) PoliPoli
:社会全体が意思決定をしていく「政治」を取り戻すための政策提言プラットフォーム。

d) N高
:IT×グローバル社会を生き抜く“創造力”を身につけ、世界で活躍する人材を育成する高校。

e) atama plus
:増える時間で「社会でいきる力」を伸ばすために、AIによる学習の最適化で、「基礎学力」を最短で身につけるサービス。

f) リディラバ
:社会への無関心を打破するために、教育、メディア事業を展開。

g) THE SOCIAL(日本テレビ)
:社会にポジティブなインパクトを与えることを目指す番組。

h) 朝日新聞GLOBE+(朝日新聞)
:世界の動きを知ることで、明日の暮らしを考える「きっかけ」を与えるウェブメディア。

軸としては、世の中をフラットに捉えて情報を届けていくメディアや、Project Based Learningなどの社会的なアクションを起こす機会を用意している教育機関が多いイメージです。

要素にすると、下記のようなイメージ。

・人間の価値観形成(最適年齢、最適な環境など)
・企業組織、教育機関の評価軸の変化(既存システムの改革)
・プロジェクトベースの社会(PBLやその発展形としての学生起業プラットフォームなど)
・社会科学的な知の探索(自己哲学の醸成、世界史・日本史、異文化コミュニケーション、社会問題を知る機会など)

AIやデータサイエンスの教養の重要性は「シン・ニホン」で語られている通りですが、それらに加え、こうした取り組みがもっと増えれば社会は動いていくと思うしんです。個人的にも、自分がこうした事業の主体となって戦えるだけの力がついたら、是非とも参画して取り組みたいなと思える事例です。

#4-4 ビジネスモデル

ここまで取り上げた取り組みは、相当面白いと思います。いい取り組みをしていると思います。

でも個人的に譲れない判断軸として、
持続可能か、耐久性はあるか、長期的に大きなインパクトのある事業か
が大事だと思っています。

つまり、上にも書いた通り、新たなビジネスモデルを可能にするエコシステムを作ることが重要だと思っています。いいモデルとして参考にしたいなと思うのは、サブスクリプション、会員制サービス、プラットフォーム、SaaSプロダクトなどです。

例えばatama plusは、現在は「基礎学力(科目学習)」という既存の評価軸に沿って事業を進めているビジネスですが、ビジネスモデルがSaaS(塾にソフトウェアを提供し、AIを使って学習コンテンツとデータを共有するプラットフォーム)として機能しているがゆえに、今後スケールすることで「社会でいきる力」を育てられるようになる可能性があると思います。

もちろん、弊社イトクロのメディアも、塾・予備校・学校という従来型の教育機関の情報掲載プラットフォーム(メディア)です。今後掲載する情報の内容を、新たな教育にシフトしていくことを期待したい、というか、それを僕は推進したいなと思っています。

またNewsPicksのように新たなインターネットメディアも確立してきています。NewsPicksは、ユーザー向け会員制サービス、SaaSなど「持続的に成長しやすい」ビジネスモデルを採用しているがゆえに伸びているブランドであり、WEEKLY OCHIAIなど「一定のサイズを持つマーケット」に「ウケるコンテンツ」を提供するところから、少しずつ社会を変えている感じがします。

インターンさせていただいたFastGrowスローガン)もその一つです。採用コンサルティングから出発して会員向けサービスのモデルを確立してきました。今後はそのブランドを発展させて「イノベーションが常態化する」新たな文化と仕組みを世の中に定着させようとしています。

なぜ今は従来型の教育方法をプラットフォーム化していくビジネスや、ウケるコンテンツを提供するビジネスモデルが必要なのか。それは「高いお金を払ってくれるエンドユーザーの存在」です。

<キャッシュポイント:エンドユーザーは誰か?>
⚫︎ NewsPicks、FastGrow:
新規事業やイノベーション人材に投資をしたい大企業、成長しキャッシュを獲得したスタートアップ←そうした会社の経営者・マネージャー層(イノベーター潜在層)

⚫︎ atama plus、イトクロ:
教育機関(塾や予備校)←教育機関に入学・入塾するような人々(教育熱心な高所得層の家庭)

まずはイノベーションや教育のように「価値のあるもの」に対して投資してくれる人からお金をもらわないと、持続的なビジネスにはならないということです。

最初はその人たちが望むコンテンツを提供しないといけないわけですが、ユーザーが増え、売り上げも立っていけば、その段階で、自分たちがどのような「ブランド」を掲げているかに沿って、ユーザーの価値観を変えられるのではないか、と思っています。

だから、最初から自分たちの理想とするコンテンツが提供できるなんてことはありません。たとえそれをやったとしても、それでビジネスが成り立って続けられることは、ほとんど多くないと思います。

これは自分の中では受け入れて、インパクトが大きくなったときにどんな影響をもたらしたいか(世の中の評価軸を変え、新たな資源の流れを作ることができるか)が重要だなと思うようになったのです。

#5 私のロードマップ

※章を分けたいのですが、前の#4-4から文脈が続いているので、接続詞から始まること、ご了承ください。

(インパクトが大きくなったときにどんな影響をもたらしたいかが重要)だからこそ、会社の掲げるブランド、またその前提にある「ミッション」が大事だと思っています。

引き合いに出すのは申し訳ないですが、例えば上に挙げたNewsPicksのミッションは「経済情報で、世界を変える」なので、ユーザーの価値観がどう変わるのかは、正直わかりません。

でも、弊社イトクロのミッションは「すべての人に、人生を豊かにする教育を」なので、事業が発展すればするほど、「すべての人」に「人生を豊かにする教育」の情報を提供しよう、という方向に向かっていくのではないかと思えたわけです。これこそ、僕がこの会社を選んだ理由です。

「すべての人に、人生を豊かにする教育を」
これが、イトクロがやろうとしていることです。

偏差値という統一指標で全ての子どもを評価するのが、これまでの教育のあり方でした。しかし、少子高齢化社会、ひいては人口減少が進む日本では、個人の生産性を上げなければ国は弱体化するばかりです。たった一つの基準において優れた人を選び取っているのでは、今後日本から優秀な人材を輩出することは難しくなっていくでしょう。

そんな時代だからこそ、これからは『人生を豊かにする教育』を選んでいかなければなりません。どうすればいい人生になるのか、どんな選択がその人の可能性を拓くのか。どんな指標で測るのがその人にとって最適なのか。あるときは親が、あるときは本人が、しっかりと考える必要があるのです。

様々な教育サービスが展開されている今、行政にできることは限られています。国・地方自治体のスピード感では、刻々と変化するマーケットの時間軸には追いつけません。イトクロはこれまで培ってきた“メディア”という手段で、日本中の若者に教育のあらゆる選択肢を届けることで、民間だからこそできる方法で、教育の選択のあり方から、私たちは日本という社会を豊かにしたいと考えています。
-Intern Street 掲載 株式会社イトクロ 長期インターンシップ募集要項

僕は「すべての人に、人生を豊かにする教育を」をミッションに掲げるこの会社で、5年以内に新ブランドを創出し、日本の教育に新たなエコシステムと新たな価値観を吹き込みたいと思っています。

新ブランドとは、既存の事業の中で新たなブランドを作ることかもしれないし、新たな事業を作ることかもしれません。いずれにせよ、僕がこれまで取り上げてきたような、次の社会に求められる教育の推進に人々の考えをシフトできるような、新しいブランドを作りたいと思っています。

そして最終的には、
⚫︎ 相互に価値を交換し合いながら課題解決をし、その中で自己実現と課題解決、存在意義やその最大化が実現できる社会
⚫︎ 一気に他者貢献意欲が世の中に湧き上がって、連鎖的に正のサイクルが起こり続ける社会
を実現したいなと思っています。

自分のやりたいことを会社の中で任せてもらうということは、そう簡単なことではないと思います。でも、組織(人の集合)の力を借りることで、自分では1しか出せない力が、100にでも1000にでもなるでしょう。

だからこそ今は社会人1年目として、会社という組織を構成する仕組みと文化について学び、人と共にビジョンを実現するスキルや経験をつけ、信頼を獲得していきたいと思います。

そして、この先僕がアプローチすべき「領域」に、もっともっと確信を持つためのインプットや意見交換を繰り返していきたいと思います。特に以下のテーマは注力してやっていきたいなと思うことです。

▼マイテーマ
教育、政治、メディア、マーケティング、ブランド戦略、テクノロジー、リーダーシップ、グローバル(地球社会)

たいそう未熟で、言葉に行動が追いついていないのは承知の上ですが、

「自分は生きててよかったんだ」と、確信して死ぬために、

「すべての人の存在意義が最大化された世界」を実現するために、

これからのこの世界で私は、異なる価値観を持った人が共創し合えるような仕組みを創り続けたいと思います。

全4回、読んでいただいてありがとうございました。
こんな私とインプットや意見交換やってくれるよという方がいたらご連絡ください!